“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

労働条件の劣化を食い止める運動

2013年09月02日 12時56分36秒 | 臼蔵の呟き

企業が成長するためには、いかに働く労働者の賃金、労働条件を切り下げることができるか、その企業の要求を政治、労働法規で現実化するかが安倍、自民党政権の至上課題となっています。このような大手企業の姿勢、その要求を受けて、嬉々として法制化しようとする政権、厚生労働省、御用学者の姿勢、意識には反吐が出そうです。

麻生政権が交代し、民主党鳩山政権が誕生したことに「派遣ムラ」「貧困世帯の急増」が大きな政治問題となりました。その民主党政権は、選挙民=国民=圧倒的な普通の人の願いを踏みにじり、結果として消費税率の引き上げに狂奔し、法人税率の引き下げ、TPP交渉参加の道を開き、社会保障制度の後退をとめることもせずに、安倍、自民党政権に移行しました。08年総選挙時の経済状態と何も変わらず、労働法規はさらに改悪されようとしています。当時もあったブラック企業は、大手を振って多くの労働者を使い捨てにし、自らの利益を追求しています。企業が労働者に社是、倫理観を説くようなことが一般的に行われていますが、大手企業、ブラック企業の営業、労働者の雇用条件などを見ると、自らの社会的責任を自覚し、その姿勢を正すべきといいたくなります。

また、このような大手企業、ブラック企業に倫理観をといても無駄であり、働く側からの反撃が必要です。そのためには働く側の利益を擁護し、集団で要求をまとめ実現すべき組織、運動がどうしても必要です。労働組合の組織率の低下を改善し、労働条件の改善、賃金の上昇を実現できる労働者のための労働組合が増え、強くなって欲しいものです。

<社説>

安倍政権の成長戦略の一環として、政府の規制改革会議や産業競争力会議で雇用制度改革の検討が進む。厚生労働省の労働政策審議会も先月30日、労働者派遣制度見直しの議論を始めた。だが、行き過ぎた規制緩和や不安定な雇用形態の拡大は、長期的には社会全体の活力をそぐことにつながる。
 暮らしが安定してこそ経済は上向く。企業の論理を優先するのではなく、労働者、国民の生活を豊かにする視点で雇用改革を進めるべきだ。
 今や雇用者全体に占める非正規労働者は約4割。女性、若年層を中心に拡大した雇用の劣化が、消費の縮小を招くだけでなく、不安定さゆえの将来への不安が、結婚できない若者を増やすなど社会全体にひずみをもたらしてもいる。
 打開策の一つとして、安倍政権が打ち出したのが「限定正社員」だ。職務や勤務地、労働時間などを限定するため、給与は通常の正社員より低くなる。事業所閉鎖などを理由にした解雇が可能になるために企業が採用に前向きになり、雇用拡大につながるとされる。
 雇用制度改革が労働市場にもたらす柔軟性は、多様な働き方を求めるニーズに対応するという側面もある。その半面、安定的で高収入の職場の減少が並行して進むことを意味し、手放しでは歓迎できない。
 雇用形態の改革だけではない。労働時間や労働者派遣をめぐる規制緩和も進みそうだ。
 政府は年収800万円を超えるような大企業の課長級以上の社員を想定し、「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外制度)」の実験的な導入の検討も始めた。対象社員にはいくら残業させても、時間外手当や割増賃金を支払う必要がなくなる。
 派遣労働者の雇用期間を最長3年に制限する現行ルールを撤廃すべきだとする有識者会議の報告書を受けて、厚労省の審議会で見直しの協議に入った。
 勤務に制約がある限定正社員の増加やホワイトカラー・エグゼンプションの拡大は、裏を返せば、正社員に過重な負担が掛かる懸念が大きい。
 派遣労働者の規制緩和は正社員の仕事を派遣に置き換えたり、非正規雇用を固定化したりする事態を招きかねない。「結局、得するのは企業側だけ」ということがあってはならない。
 産業競争力会議で、経営者側は合理的理由のない解雇を無効とする労働契約法の条文を見直し、解雇規制を緩和すべきだと主張した。政府は7月の参院選への影響も考慮し、結論を先送りした経緯がある。この秋以降、解雇規制の緩和が再び議論される可能性もある。
 安倍政権が脱却を目指すデフレの要因の一つは、大企業を中心に内部留保を膨らませながら進めてきた賃金抑制にある。
 求められるのは雇用の安定と収入増から始まる経済の好循環。だからこそ雇用制度改革の推進には、労働者への最大限の配慮が必要になる。


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