少子高齢化の一因、貧富の格差拡大、生活保護家庭激増、それらが複雑に絡み合っての日本経済の低迷となっています。また、そのような構造的変化を無視して、消費税率を一方的に引き上げて、貧困家庭にとって一層過酷な収奪を図っています。このような不公平な社会構造を少しでも改善することは政治が果たすべき責任です。ところが自民党、公明党はその三党法案を骨抜きにし、維新に対して採決協力を依頼しました。その結果をこの主張が問題視、指摘しています。
自民党公明党が富裕層と大手企業の代理人であることは確かですが、維新が自民党の一派閥であることも示しています。国民多数の生活改善向上を課題とせずに、議員と政党にとっての貸し借りを優先する維新の会の存在は、野党ではなく、選挙民をだます政党であることを示しています。
同一労働同一賃金、正規労働を基本とする労働形態に位置付けない限り、日本社会の貧困化、低所得ゆえに発生する治安問題、税収の落ち込みなどなどは改善する見込みは全くありません。
世界で最も企業が自由に活動する国とは、企業の横暴を全く問わず、自由勝手にふるまわせることでしかありません。その結果が法人税率の引き下げ、企業の社会的責任の放棄、東京電力のような原子力発電所の事故と放射能汚染、その付けをすべて国民に付け回す、事故対策費用はすべて税金で処理することになっています。
こんなことが許されてよいはずはありません。
正規労働を基本とし、最低賃金の大幅な引き上げ、中小零細企業の支援、同一労働同一賃金、派遣労働を規制することを、求めるものです。
<東京新聞社説>同一賃金法案 骨抜きでは意味がない
派遣社員の待遇改善を目指した「同一労働・同一賃金」推進法案が事実上骨抜きになった。派遣労働の固定化につながる改正法案は成立の見通しだ。今よりさらに企業寄りの改悪が進むのではないか。
政府が提出している労働者派遣法改正案は、派遣社員の正社員化も雇用の安定化も期待できない内容だ。むしろ企業にとって「人件費が安く、雇用の調整弁のような働かせ方ができる便利な派遣社員」を増やしかねないものだ。
そんな「安くて便利」な派遣労働を改めさせようというのが「同一労働・同一賃金」推進法案(同一賃金法案)だった。民主、維新、生活の野党三党が派遣法改正案の「対案」として提出した。派遣受け入れ企業の正社員と派遣社員が同じ内容の仕事をしていれば賃金格差を改善し、いわば「安くない派遣」を目指す内容だった。
しかし、この当初案が与党との修正に維新が応じて骨抜きになってしまった。
これまで衆院解散や条文誤記載で二度廃案になった派遣法改正案の今国会での成立を期す与党は、採決への協力を引き出すために維新に同一賃金法案の修正協議を持ち掛けた。維新内の大阪系議員は先の大阪都構想の住民投票で側面支援してくれた首相官邸への恩義があり、修正に応じたとされる。
維新執行部は野党協調を標榜(ひょうぼう)してきたが、それより党内の対立回避を優先したのだろうか。
当初案は、派遣労働者と、受け入れ企業の正社員の待遇について「均等の実現を図る」としていたが、修正で「均等な待遇および均衡のとれた待遇」に変更された。これでは大幅な賃金格差は容認され、企業は勤続年数や責任の重さなどを踏まえ待遇のバランスを考慮するだけでよい。
さらに一年以内の立法措置を義務付けた部分も「三年以内」「立法を含む」に後退。自民党内に「一つ残らず骨を抜いた」との声があるように完全な骨抜きである。
正社員の大多数は能力に応じて賃金が上がっていく「職能給」で、非正規労働は業務で賃金が決まる「職務給」だ。一足飛びに均等待遇は実現困難だが、野党の当初案はまず非正規の待遇を改善し、見過ごせないほどの格差を縮めていこうとの狙いだった。
日本経済の長期停滞は少子高齢化が主因である。それは低賃金の派遣労働者増大が拍車をかけた。であるならば派遣労働の待遇改善こそが最大の成長戦略のはずだ。
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