こまちのさすけね亭

ひだまりを 拾って歩く お年寄り

2024年3月の映画

2024-04-11 | 映画
3月は忙しかったので、映画を息抜きにがんばりました。

忙しさのわりには多めに鑑賞できたと思います。

今回も、劇場で鑑賞して気に入った作品をご紹介します。

なぜか3本ともフランスが関わっている作品になりました。


◎カール・テオドア・ドライヤー監督『裁かるゝジャンヌ』(フランス、1928)

なんと、約100年前の作品です。

モノクロサイレント映画。

久し振りに、映画を観て衝撃を受けました。

100年前に既にこんなに完璧な作品があったのかと。

芸術の域に達していると感じました。


◎ドミニク・モル『12日の殺人』(フランス/ベルギー、2022)

あまり評価されていないのが不思議。

実在の未解決事件をモチーフにした作品です。

未解決なので、すっきりとは終わらないですが、淡々とした中にドラマ性があり、それぞれのキャラクターが立っていて良かったです。

『悪なき殺人』が好きだったなら楽しく観られると思います。


◎リュック・ベッソン監督『DOGMAN ドッグマン』(アメリカ/フランス、2023)

久し振りに、何回も観たい!と思える作品に出会いました。

犬とケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、まさに私のための作品です。

ほとんどのシーンにケイレブが出ていて、彼の演技を堪能できます。

本当に素晴らしくて、観ていてまったく飽きません。

もっとずっと観ていたかった。

アクションシーンは少なめで、ヒューマンドラマと言えると思います。

犬が傷付けられるシーンはないので、ご安心を。

グッズを買える映画館が近くになくてとても残念でした。

円盤化されたら買います!!











2024年2月の映画

2024-03-04 | 映画
2月もがんばって映画館に通い、29日間しかなくても10本以上の作品を鑑賞することができました。

おすすめは1本だけですが、かなり好きな作品です。


◎石橋夕帆監督『朝がくるとむなしくなる』(日本、2022)

主演は、唐田えりかさん。

唐田さんといえば、個人的に美脚のイメージが強いですが、本作では封印しています。

武器に頼らず、透明感ある役を演じていました。

あざとかったり癖の強い役のイメージがありますが、こんな普通の役もはまってしまうのはさすがです。

唐田さんには今後も期待しています。


優しくて、可愛らしくて、いつまでも観ていたくなるような何気ない日常を描いたお話。

繊細な作風です。

不器用だったり、つい気を遣いすぎてしまったり、日々生きづらさを感じている人はかなり共感できるのではないでしょうか。

自然な会話のやり取りがかなりおもしろくて、キラリと光るセンスを感じました。

石橋監督にも今後注目していきたいです。






2024年1月の映画

2024-02-29 | 映画
2024年は1月1日から映画館に赴き、今年も素敵な映画ライフのはじまりとなりました。

その後もがんばって通った結果、10本以上の映画を鑑賞することができました。

その中から、おすすめの作品をご紹介します。

◎アキ・カウリスマキ監督『枯れ葉』(フィンランド/ドイツ、2023)

一度は引退を表明した、大好きな監督の新作!

ザ・北欧映画という感じで、淡々としていてシュールな、味わい深い作品です。

ドリンクに寿司のマドラーが添えられていたように見えました。

探してみてください。


◎平野陽三監督『僕が宇宙に行った理由』(日本、2023)

宇宙もの好きにおすすめしたいドキュメンタリー。

民間人で史上初となる宇宙旅行を成し遂げた前澤友作氏が主人公です。

彼を必要以上に持ち上げるようなことはなく、フラットな視点でとても観やすかったです。

宇宙へはとても行けそうにないけれど、いつかロケットの打ち上げをこの目で見るという夢ができました。

前澤氏が帰還した2ヶ月後、ウクライナ侵攻が始まり、宇宙旅行している場合ではなくなりした。

運の強い人だと思います。


以上、2本のご紹介でした。

私の通う映画館のうち1館の閉館が発表されたのは1月でした。

4月からは、今までのように順調に鑑賞することはできなくなると思います。

もしかしたら、紹介できる作品も減ってしまうかもしれませんが、3月までは今まで通りのペースで突き進みます。

2023年12月の映画

2024-01-01 | 映画

あけましておめでとうございます。

2024年も引き続き映画の記録などを書いていきます。

先月は、大晦日も映画館に行っていました。

ギリギリまで粘った結果、2023年で2番目に多く映画を鑑賞した月になりました。

それなのに、「この映画、好きだ!」と大きな声で言える作品にまた出会えなかったのです。

一定の基準をクリアした作品には出会えたため、その3本をご紹介します。

◎グレゴル・ボジッチ監督『栗の森のものがたり』(スロベニア/イタリア、2019)

ファンタジックで絵になる映像は昔の映画のようで、世界観が好きだと思えた作品です。

ストーリーは理解できませんでしたが、雰囲気が良かったです。

真冬に観たい作品。

◎アクタン・アリム・クバト監督『父は憶えている』(キルギス/日本/オランダ/フランス、2022)

監督が主演、実の息子が息子役。

派手ではないけれど良質な作品でした。

視覚的・聴覚的に素朴な暮らしが伝わってきます。

言葉数の少ない作品で、その分洗練された台詞が際立ちます。

ワードセンスが抜群。

日本語訳が秀逸なのでしょうか。

そして、母親がとにかく美しいです。

夫との離婚後や死別後など、女性が弱っているときに男たちが近付いてくるのは万国共通。

十分に注意されたし!

話がそれました。

ご馳走を振る舞うシーンでは、部屋いっぱいにレジャーシートのようなものを敷いて食べ物を大量に用意していたことに驚きました。

キルギスのおもてなしはすごい!!

ラストシーンは切なくて綺麗でした。

◎ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』(日本、2023)

第76回カンヌ国際映画祭で主演の役所広司が男優賞を獲った作品です。

日本とドイツの合同製作だそうです。

舞台は東京の中心部。

すれ違う女性たちに時折心乱されながら、日々を生きていく清掃員の話。

無駄が削ぎ落され、残ったのは監督のセンスの塊でした。

台詞はそれほど多くなく、感覚的な作品。

英語の字幕付きで観てみたいと感じました。

予告の映像に対し多少違和感のあった音楽は、平山の洋楽好きの設定で自然に馴染んでいました。

前日に『台風クラブ』を鑑賞したばかりだったので、まさか時代を超えて2日連続で三浦友和に出会うとは!

ふたりのおじさんがちょっと語り合うシーンは微笑ましくて良かったです。

紙の本やカセットテープや銭湯など、アナログ&昭和なものたちが、昔を懐かしく思い起こさせます。

便利な時代になりましたが、昔は昔の良さがありました。

石川さゆりファン、あがた森魚ファンは必見です。

10月以降、なかなか「好き!」と心から言える作品に出会えていません。

無意識のうちに自分の中の基準が変わったのかもしれません。

とりあえず上記の3本は良かったので、ぜひご覧ください。


2023年11月の映画

2023-12-15 | 映画
11月は、上映スケジュールにどうしても都合が合わせられないことが多く、鑑賞した本数は控えめでした。

そして、良いなと思えた作品数も少なめでした。

おすすめは、以下の1本です。

◎ロルフ・デ・ヒーア監督『悪い子バビー』(オーストラリア/イタリア、1994)

薄暗い部屋に35年間閉じ込められ、母親と暮らしていたバビー。

父と名乗る男が突如現れたことをきっかけに、外の世界に飛び出して行くお話です。

なかなかに個性的な作品でした。

公開30周年ということですが、当時は日本での上映はなく、今年が日本での初公開だったそうです。

なぜ日本での上映が見送られたのかは、冒頭で察することができます。

ここでは明かしませんので、ぜひ本編をご確認ください。

他にも、あまり上品とは言えない表現が数多ある作品で、決して万人向けではありません。

それでも、主演でバビー役のニコラス・ホープの演技力が素晴らしく高く、それだけで観る価値があります。

子供のような笑顔から狂気、そして魂の歌唱まで、様々な表情で魅せてくれて最後まで飽きることがありません。

なぜかハッピーエンドなのもカオス。

『時計じかけのオレンジ』に共通するような独特な空気感がありました。

少し変化球な作品を求める方にぜひ観ていただきたいです。