深夜の11時半にFAXが入った。放射性物質の農産物汚染の検査結果は連日、FAXで知らせてくれている。日曜日の11時半、危機管理・くらし安全局からのFAX に不吉な予感がした。しかも夜の7時半に次いで2回目の通信である。予感が的中した。鶴岡で生産された肉牛から国が定める、暫定規制値をこえる590ベクレルの放射性セシウムが検出されていた。県産牛の基準値超は初めてである。汚染稲わらを食べさせていた肉牛からは、規制基準値は超えないものの、多少の放射性セシウムは検出されてはいたが、基準値を超えたとなると穏やかではない。県農産物出荷額のコメ、サクランボ、に次ぐ肉牛の被害は県農業に与える打撃は計り知れない。
福島第一原発事故以来、山形県はあらゆる計測を続けてきた。特に農産物については品種ごと、地域ごと毎日の検査結果を公表し続けてきた。「山形県は安心だよ」と何よりものメッセージであった。しかし、肉牛に不可欠な粗飼料、稲わらの放射能汚染を国も見落としたと認めている。残念な事だ。汚染はたちまち全国に広がった。放射能不検出の庄内から規制基準値超えの肉牛が出るとは驚きである。
放射性セシウムは大半は排せつされると言われている。汚染稲わらを食べた時期と牛肉になった時期とでも検査に違いが表れる。基準値にもいろんな知見がある。しかし、不検出食品を食べるに越したことはない。夜遅くまで県庁で県民の安全を見張る職員には頭が下がる。