ふるさとは、暴風雪に見舞われた。予想されていたとはいえ、昨日の午後からの強風は、積もっていた雪を舞い上がらせ、踊り狂ったような地吹雪となって家路へ急ぐ人を苦しめた。対向車が見えない、信号機が見えない、道路が分からない。国道344号線、酒田市内近郊で吹きどまりに突っ込んで動けなくなった車のため大渋滞が発生。午後5時からから2時間全面通行止めの措置が取られた。
酒田は人良し、味よし、住んでよし等と言われるが、爆弾低気圧の発生による北西の季節風には悩まされる。内陸からの転勤者は、風の音に驚かされるとよく言う。雪国に持って生まれた運命と上手に付き合っていくしかないと居直るしかない。
そんな中、山形新聞の県勢懇話会で尚美学園大学、鶴岡市出身の松田義幸学長の講演を拝聴した。「アルカディア山形ルネサンス」と題しての講演で、農(Farm)食(Food)祭(Festa)の3F運動の実践例を例に、田園生活を目指そうという考え方であった。
東日本大震災以降、価値観が見直され食の安全、農業再生、地産地消が社会全体で問われている。田園生活を普及するに、農業の人材育成機関である農学校の役割は大きい。
農業は命を預かる職業。環境省が提唱している、失われつつある里山を見直す「里山イニシャチブ」がある。農業者が地域を美しく保ってくれる認識が大事で、田園風景は心の支えとなる。古代ギリシャのアルカディアに理想を求めたように、「日本のアルカディア」元祖山形県で3F運動を進めよう。
なるほどである。しかし、田園は吹雪で厳しい。