ハローワーク酒田から毎月、酒田を中心にした県内雇用情報が送られてくる。経済指標のひとつである、求職者1人当たり何件の求人があるかを示す、有効求人倍率は先月1,54であった。先月の繰り越し求人を含めた全数ではあるものの、2位山形の1,41を引き離して県内断とつトップである。リーマンショック後の2009年は0,38だった事を思い出せば、隔世の感がある。月別グラフを見ると、まだ上昇傾向と思われ、ハローワーク酒田の原所長を尋ね雇用情勢の詳細をお聞きした。
人口減少と就職確定による求職者数の減少がベースにあり、企業活動の活発化による求人が衰えない結果、有効求人倍率の引き上げとなる。管内でフリーターは少なく、土日休日のない企業は敬遠される傾向にあり、子育てと就業とが両立する、きめ細な対応を更に強化する必要がある。新規高卒就職者の県内就職内定率は、昨年よりは5,3%上がって62,3%となったものの、まだまだ低い。
地元企業を知っていただくために高校生全員に、地元企業50社の企業概要を冊子にして配布する事にしている。今年度は求職活動を早めに実行してもらった結果、良い結果につながったと思われる。更に、大卒の地元就職にも働きかけたいが、個人情報の壁があり、アクセスしにくい状況もあり、奨学金の工夫などで、政策的に誘導できる側面もある様に思う。ハイレベルのエンジニアを必要としている企業もある。
長い間、酒田は職場が少なく県外就職が定着してきた面がある。今、急に求人が増えても切り替えるには時間がかかると思える。しかし、人口減少の歯止めは、若者の流出を止める対策を官民一体となって取り組む必要がある。家族で話し合う機会も、有効な地元定着促進である。