テレビ朝日の「ポツンと一軒家」は人気番組で私も良く観ている。衛星写真を手掛かりに探し出した山深くの「ポツンと一軒家」に地元集落で得た情報を手掛かりに、人里離れた場所に住む人の人生に迫るバラエティー番組である。
それは、食べる事もままならない時代に急峻な山奥にまで食糧を求めて開拓した先人の逞しさに触れることが出来る。テレビ映像では、集落から一軒家へ続く細い一本道、崖っぷちの道路が殆ど舗装されているのに驚く。かつては集落だった一軒家もあり、米作農家だった所が今は廃業し、山林の整備や畑作農家となり、薪で暮らす日々などが紹介される。
一軒家は何代も引き継がれ、リフォームや新築は長い年月をかけてコツコツと自分で手で造る。自給自足の生活に満足している様子が伝わり、何よりも元気な高齢者の暮らしが感動を呼ぶ。
一方日本は、人口減少のために過疎地域が全市町村の51、5%と過半数を超えた。人口の9%が住む過疎地域は、国土面積の63%を占める異常な形となっている。国土の管理上の重要な課題である。「国土の均衡ある発展」をずっと掲げながら、インフラの不均衡や人口と産業を適正に配置できなかった政治の責任は大きい。
「ポツンと一軒家」の視聴率が高いのは、潜む未来への覚悟「自立」への自覚なのかも知れない。