9月9日、山形新聞フロントラインの囲みに「ねぎびとカンパニー」社長清水寅さん(41)のネギ栽培にかける意気込みが掲載されていた。
記事によれば、新型コロナ感染の影響で一時流通が止まり、中国からの品が入ってこなくなった。このためネギの単価が上がり、国内の新規参入農家が増えた。そこに、農業機械の進化で労働生産性が上がり栽培面積が更に増え、供給過剰で単価が下がる悪循環スパイラルに陥っている。
ただ、作物は機械や資材で作るわけではなく、技術、腕が必要。自分のやり方を常に見つめなおし、腕を磨く事を心がけている。清水さんは長崎県生まれ、25歳で脱サラし奥さんの実家天童市でネギ栽培中心の農家を始めた。販売にも力点を置き、15年に8本1万円、19年には1本1万円の商品を発売、発表した。19年に県ベストアグリ賞農林大臣賞を受賞している。
私は、8年前の2014年11月に清水さんの農場を訪問している。就農して3年目の時である。「ネギ栽培面積初年度は2.7ha、2年目5.7ha、3年目8.6haとなり日本一であり、世界一かも知れないし、世界一を目指している」と熱く語られた事を思い出している。
彼の手法は先ず売り先を確保して栽培をする。マスコミ、吉本興行などととも連携しブランド力を高めてシェアを広げる。モットーは、私たちは農家ではない。アーテストである。世界一を目指している。世の中の常識を変えるのは必ずしも専門家ではないと語っている。
「すごい男に出会った」あの時のカルチャーショックは今も鮮明だ