酒田には酒田本港と北港がある。本港は最上川の最終地点で、歴史が深い。本港は内陸と外港との交流の基点であり、文化交流を担う重要な港であった。さらに蒸気機関車の燃料である「黒いダイヤモンド」といわれた石炭の荷役場所でもあり、貯蔵所として大きな役割を果たしていた。
その役割は終わり、一帯は「酒田海鮮市場」「みなと市場」「SAKATANTO」等の施設が集約する観光エリアと変わった。山居倉庫、日和山公園等の名所が隣接し、市街地商店街へは散歩コースでもある。本港へクルーズ船を接岸させたい願望は強いいものだった。港の水深や接岸時の防舷材が不十分なため、入港は見送られていた。
山形県地方港湾審議会は、市街地に近い本港エリアに一万トン前後の豪華客船の受け入れを可能にするための岸壁の改良を盛り込んだ港湾計画を了承した。数億円規模の改良工事になると見込まれているが、早期に接岸出来るよう着工が期待されている。
豪華外国クルーズ船の十万トンクラスは酒田北港に昨年8隻入港している。酒田北港は市街地に遠くバスやタクシー等の送迎が不可欠になる。その対応は酒田市のみでは無理であり乗客への負担も大きい。本港に接岸希望の豪華客船ル・ソレアルは1万トン余りで、昨年北港に入港している。本港への一番乗りを期待している。