長男夫婦と次男が帰省し、家族で岩手県立美術館「いわさきちひろ展」を見てきました。没後40年経て、いまなおたくさんの人々に愛されている画家の一人です。ここでは134点が紹介され、初めて原画を鑑賞できました。なんとさわやかで、やわらかで、鮮やかな作品でしょうか。描かれている子どもたちのしぐさが、雑多な日常のなかでの安らぎを与えてくれるようです。
愛と平和
子どもたちへの愛があふれる作品が続きましたが、絵本「戦火のなかの子どもたち」の原画では、それまでのタッチがかわりました。悲しくきびしく描かれた母親や子どもの目です。1973年ちひろの晩年に描かれたものですが、ベトナム戦争を題材にした絵本です。いつも戦争の犠牲者は、一般の人々です。ここに描かれた母と子は静かに、そして強く訴えていました。青春時代に自ら戦争を体験したちひろの言葉「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」の願い、いま一度かみしめなければと思いながら会場を後にした一日でした。