山茶花談

さざんかだん

秋の物語

2024-11-08 | ペン画

「芒とWildcat」  
Pen Ink Paper  273x220mm


透き通った空気に
すこし冷たい風が吹いて
道端の芒が揺れています。

宮沢賢治の物語「注文の多い料理店」は
ちょうどそんな今の季節の物語です。

夢のレストランの中で
人間を待ち伏せしているヤマネコ達も
きっと普段は山の奥で
風に吹かれながら秋の風景を
楽しんでいるかもしれませんね。


アトリエローゼンホルツさんでの個展では
遠方からも来てくださった皆様
アトリエローゼンホルツ様
大変ありがとうございました。

このヤマネコの絵は
個展ではポストカードで登場し
今も展示して頂いています。









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Goodbye Santa Maria

2024-10-24 | ペン画


「Goodbye Santa Maria」   Pen  Acrylic  Paper   410x318mm


展示中の作品です。
宮沢賢治の物語「オツベルと象」より。
人間の都合で辛い仕事を課せられた象のお話し。
最後は仲間の象が助けてくれます。

辛い労働の毎日、小屋の窓から見える月に
さよなら、と言葉をかける象。

たくさんの動物の命で生かされているのに
毎日の生活の中で
そんな優しい犠牲を忘れていることを
思い出させてくれる賢治の作品。


インド哲学・仏教学者の中村元さんの
わたしが唯一読みやすかった本に
人間の選択について書かれていました。

他の動物を食べることで生きている動物と、
人工合皮のように
蛋白質の合成化が成功するかもしれない
選択のできる人。

宮沢賢治の物語の中には
生き物のいろんな痛みが出てきます。
真正面から書かれていて心に響きます。

目に見えない、見ないようにしている痛みを
見るための大切な物語ですね。

*

今週末は26日(土)12:00-17:00
27日(日)12:00-15:00前後在廊の予定です。
27日(日)はアトリエローゼンホルツさんで
絵の展示と蚤の市が開かれます。
ぜひ遊びにいらして下さい。






















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宮沢賢治へのオマージュ展

2024-10-17 | 版画
   


アトリエローゼンホルツさんでの宮沢賢治へのオマージュ展では
銅版画も展示しています。
対の作品になる「戯れ」です。
昔、三木成生さんの「海、呼吸、古代形象」を読んで
イメージが浮かんで仕上げたものです。

ドライポイントは、銅の板を鉄の筆で引っかき
その線にインクを詰めて刷る版画です。
わたしのドライポイントはすこし特殊で
版に鉄筆で細かく線を重ねた線描画を
試し刷りしては引っかいてを10回ほど繰り返します。
すると表面にふわっと柔らかい絵が仕上がって来ます。

イギリスのミニプリント展に出品させて頂いたとき
たぶんその技法の珍しさと仕上がりの美しさから
選抜作家として展示して頂きました。
その時に追加でお送りさせて頂いたのが
この2点です。

この技法では大きなサイズの版画で
完成度の高い仕上がりを保つのは難しく
これがぎりぎりのサイズかな・・と思われます。

銅版画の長い歴史と
熟練の技術を持つ作家が多いヨーロッパ、
そのプリント公募団体の主催は
日本よりも版画の技術に敏感で
2年かけてイギリスのいくつかの島を巡回する
素晴らしい団体でした。


  




    

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東京展

2024-10-06 | 色鉛筆画



知り合いの方にお誘い頂いて
東京展に参加させて頂くことになりました。
素敵なご縁をどうもありがとうございます。

絵本の部で色鉛筆画を展示させて頂きます。

「かくれんぼ」
Image  262x352mm  Colored pencils  Paper

小さなねずみが茂みの中で
かくれんぼをしています。
彩度の高い、ワックス配合のクレヨンのような
色鉛筆で描いています。
お気に入りの一枚です。

ご都合つきましたら
ぜひ見にいらしてください。








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宮沢賢治のオマージュ展

2024-10-04 | 日誌



市川のアトリエローゼンホルツさんにて
宮沢賢治のオマージュの作品展が
10月5日(土)から始まります。

アトリエローゼンホルツさんは
昔、銭湯をされていた大きな木の建物です。
オーナーが多くの本と、多くの絵画を展示されていて
お料理もとてもお上手で
カフェもなさっています。

オーナーはたくさんの本を読まれ
たくさんの本を展示されていて
そんな素晴らしい空間で
宮沢賢治のオマージュ作品展を
開かせて頂けたら・・と。
貴重な機会を頂けて
オーナーさんには感謝の気持ちでいっぱいです。





昨日は作品の設置にお伺いさせて頂きました。
アトリエ入ってすぐの壁面に
賢治の「星めぐりの歌」のオマージュ作品を
展示しています。
星めぐりの歌をテーマに作品を展示してはどうか?
・・と以前オーナーさんからご提案を頂き
そのご縁で良い作品も生まれることができました。





二階の小部屋に、銅版画のドライポイントを
展示させて頂きました。
ほんのりと光が射す閉じられた空間は
版画の世界にぴったりで
小さな版画と空間は
内にも広がり、空間にも広がっていく
不思議な世界だと思います。





二階の奥のお部屋に
賢治の物語と詩のオマージュ作品を
展示させて頂きました。

こちらは対の作品「若松に霰」。
「永訣の朝」から抜粋した詩を
作品の合い間に添えています。

*

6日(日)13:00~アトリエ内でブックトークが開かれます。
ご自分のお好きな本を持ち寄って
順番にご紹介しながら歓談する素敵な会です。
(参加費はドリンク代金)

わたしの蔵書票:
(絵柄の余白に自分の名を書いて
自分の好きな本に貼るものです)も
アトリエに並んでいますので
よろしければ小さな蔵書票の世界をご覧ください。

ブックトーク終了後に、宮澤俊司さんが
「ワシントンの桜と賢治そして嘉内」のレジュメをもとに
荒川提の桜を賢治が詠んだ7つの短歌を手掛かりに
場所と桜と短歌のお話をしてくださいます。
(10月のアトリエ*ローゼンホルツ便りより)
(こちらは参加費無しだそうです)
今年の春、宮澤さんのご案内で
オーナーと三人で荒川提を散策させて頂きました。
とても美しい短歌です。
そして桜の提も美しく、心に残る思い出になりました。


みなさまのお越しをお待ちしております。
















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