Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

●好評発売中● 『名前のない母子をみつめて:日本のこうのとりのゆりかご ドイツの赤ちゃんポスト』

(2016年5月25日更新 ご感想追加) 

*****

2016年4月27日。

「哲学の日」に、無事、出版となりました

お陰様で、少しずつですが、売れ続けています(;;)

 

名前のない母子をみつめて
-日本のこうのとりのゆりかご ドイツの赤ちゃんポスト 


日本で初となる赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を設置した蓮田先生と、ドイツ(及びヨーロッパ)の赤ちゃんポストを研究し続けている僕との本です。(しかも、蓮田先生名義の本としても初となる著書!)

80歳の産婦人科医の先生と、40歳の若輩教育学者(?)の合作となります! 

また、こうのとりのゆりかごの実践者と、赤ちゃんポスト(Babyklappe)の研究者のコラボ本となります。

本が完成した今、自分の人生において、「もう、こんな豪華な本は作れないだろう…」、と思っております。自分の倍の人生を生きた方と一緒に本を書くなんて、そうそうできることではありません。もう、奇跡としか言いようがありません。

ただ、先生のおられる熊本は、今、大震災の影響で、大変な状況になっております。本書の第一の読者は、「こうのとりのゆりかご」を理解し、支えてくださる熊本のみなさんでした。なので、本当に辛い気持ちでいっぱいです。本書の紹介も自粛した方がよいのでは、と何度も思いました。「本なんて読んでる場合じゃないのに、何考えてんだ?」、と。

ですが、逆に、今こそ、ずっと「こうのとりのゆりかご」を支え続けてきた蓮田先生の事を、県外の人にもっと多く知ってもらいたい、と思うに至りました。熊本県内では、それこそ知らない人はいない「有名なお医者さん」ですが、まだまだ蓮田先生のことを知らない人は全国にたくさんいると思います。蓮田先生は、「こうのとりのゆりかご」の創設者ではありますが、それ以前に、熊本生まれで、生涯、熊本の妊婦や赤ちゃんを見つめつづけた人でもありました。「こんなに素敵で、凄い先生が熊本にいるんだよ!」、と伝えたいんです。本書は、主に蓮田先生にスポットライトが当てられています。

本書のねらいは、「こうのとりのゆりかご」を創設した蓮田先生の「生涯」を辿りながら、なぜこうのとりのゆりかごを創設したのかを明らかにすることと、なぜドイツで、いったいどういう背景の中で、赤ちゃんポスト=Babyklappeが生まれたのか、についてです。ドイツのところは、2013年に出した『赤ちゃんポストと緊急下の女性-未完の捨て子プロジェクト-』の時点では、見えていなかったところを中心に、語りました。「続編」でもあり、またその「入門編」でもあります。さらに、ドイツで新たに法制化された「内密出産」の仕組みやその具体的な内容も分かりやすく解説しています

こうのとりのゆりかごはもうすぐ9周年を迎えます。そして、10年目に入ります。今もなお続く、児童遺棄、嬰児殺し、児童虐待(虐待死)に歯止めはかかっていません。いったいどうすれば、追いつめられた名もなき母と子に手を差し伸べることができるのか。いったい、現状の支援サービスの何が問題なのか。

そういうことを、分かりやすく、語りかけるように、語っています。

さらには、赤ちゃんポストをドイツで考案し、設置に踏み切ったシュテルニパルクの人の文章まで収めることができ、また、「匿名支援」のパイオニアでもあるシスターモニカさんのオリジナル文章も掲載し、最後には、「匿名出産」を考案したアンベルクのドーヌム・ヴィテのフォルストさんの話も入れることができました。(翻訳は僕です♪)

世代(時間)も超えて、そして国(空間)も超えて、完成した本なんです

時間と空間を超えてつくられた一冊の本。

しかも、愛情がとにかくいっぱい詰まっています。蓮田先生やドイツの実践者たちの愛情を是非とも感じて頂きたいです。(僕の文章は、相変わらずですけど…)

こんな本、もう二度と、絶対につくれないだろうなって心底思っています。

表紙のデザインも、前回のコッテコテの『学びの実践学』とは全く対照的で、ピンクを基調とした柔らかくて、温かい感じになっています。そして、定価も1800円(+税)と、1000円台になりました。

是非是非、一人でも多くの「心ある方」に読んでもらいたいです。読みやすい本だとは思いますが、他の(過激な)類書に比べて、「刺激」は少ないです。ショッキングな話やはらはらするような話も少ないです。どちらかというと、地味で、控えめな本です。けれど、僕はそういう本の方が好きなので、できあがった今、本当に嬉しく思っています。

とにかく、読んで頂きたいです!(切に)

目次

はじめに なぜ彼女たちは、赤ちゃんを捨てるのか?

第1章 母と子のいのちをみつめ続けて/蓮田太二
序 「誰にも相談できない」母と子をみつめる
第1節 慈恵病院との出会い
第2節 「こうのとりのゆりかご」への道
第3節 若かりし日々を振り返る、医師としての原点

第2章 名前のない母子のために──赤ちゃんポスト、或いは内密出産/柏木恭典
序 赤ちゃんを捨てる箱? 合法か違法か、各国で検討される赤ちゃんポスト
第1節 赤ちゃんポストを創設したシュテルニパルク
第2節 匿名出産から内密出産へ
第3節 赤ちゃんポストの行方

第3章 ドイツの母子支援の実践者たち/柏木恭典(訳編)
序 ドイツの実践者からの提言
第1節 ドイツの赤ちゃんポストと匿名出産を振り返る
第2節 社会の片隅で妊娠と出産に苦しむ女性たちをみつめて
第3節 望まない妊娠と妊娠葛藤相談


名前のない母子をみつめて-日本のこうのとりのゆりかご ドイツの赤ちゃんポスト-

amazonのページはこちら

●全国の書店で購入可能ですので、注文よろしくお願いいたします!

●全国の大規模書店には置いてもらえると思います。

●購入可能な書店リスト

<千葉>
オークスブックセンター轟店(拠点!)

文教堂都賀店(地元!)
くまざわ書店四街道店(イトーヨーカドー内)
成田空港第一ターミナル内TSUTAYA
三省堂千葉そごう店(maybe)
ときわ書房志津ステーションビル店(twitterで紹介して下さいました!) 
すばる書店TSUTAYA豊四季店 
津田沼丸善 

<東京>
東京丸善(社会問題コーナー)
有楽町三省堂書店(面陳列か平積み?!)
神保町三省堂本店
銀座教文館 
(その他、大きな書店には置かれています) 

*「置いてもいいよ!」という書店がありましたら、是非ご一報ください。ご挨拶に伺います!


くまざわ書店四街道店@イトーヨーカドーで常時購入できます!(感謝!)

すばる書店TSUTAYA豊四季店では、大ヒット漫画「透明なゆりかご」の隣に置いてもらっています。

こう置いてもらうことで、買ってくれている人も多数いるみたいです。

どこに置くか、どの本と置くかで、随分と変わってくるんですね。

「透明のゆりかご」の隣、というアイデアは、僕の教え子Hさんのお母様のアイデアだそうで…

心から感謝します(;;)


ご感想など

 ツイッターで交流のある柏木恭典さんが蓮田太二さんとともに書いた本。全体を通して具体的な問題提起をしていながら誰をも責めていない姿勢が素晴らしいと感じた。/特に蓮田太二さんのあふれ出る優しさ。今回はそれをやると本来のテーマからずれてしまいがちになるので仕方ないと思うが、奥さんやお子さんとのエピソードや戦中戦後の文学界についてなどその半生はぜひ自叙伝としてもっと掘り下げたものを読みたい。/方や柏木恭典さんの項はロックマインドを感じさせとても共感できた。しかしその根底にあるのはやはり怒りではなく優しさと現状をなんとかしたい、そしてなんとかなる、という進歩的な最終的には人間を信じているという想いからきている。/以前からツイッターでも書いているのだがこの本の内容もまた多くの点で障害者の問題に置き換えることができ、中絶、子殺し、出生前診断、命の価値、母親だけが子供に責任を負わせられる社会などそのまま直接的に障害者にも通じている。また日本の行動力のなさというかルールと前例に縛られていく社会にじれったさを感じている点は特にシンパシーを感じた。/僕自身これまで「前例がない」「そういう制度だから」「それが常識」と言われてきたことを覆して生きてきたが(そうしなければ生きてこられなかったから)、結局「特例」扱いで「前例」にすら公式にはなっていない。公に口にする事もあまり歓迎されない。あくまで個人の善意に頼ったままという形で社会的には何も変わっていかない。この本がより多くの人たちに読まれ社会が進んでいくことを願う。(中田毅志さんより)

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「赤ちゃんポストと緊急下の女性」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事