Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

市川市曽谷の乳児遺棄・殺害事件について-22歳の「母親」が逮捕される

2024年6月。

こんなニュースが突然出てきた。


市川の住宅で赤ちゃんの遺体 タオルに包まれキャリーケースに 連絡取れない女性捜索
2024年6月8日 17:40 | 無料公開

8日午前11時20分ごろ、市川市曽谷の住宅で、この家に住む女性が、生まれたばかりとみられる赤ちゃんの遺体を見つけた。駆け付けた救急隊員が死亡を確認した。市川署によると、この家は40代の女性と50代の夫、20代の娘の3人暮らしとみられ、娘と連絡が取れていない。同署は娘が何らかの事情を知っているとみて、行方を捜している。

同署や同市消防局によると、女性らが家の片付け中に、娘の部屋のクローゼット内にあったキャリーケースから見つけた。赤ちゃんはタオルに包まれた状態だった。

同日午後0時45分ごろ、女性が「部屋に遺体がある」と110番通報した。「どうしたらいいか分からず家族と連絡を取るなどしていたため、通報が遅れてしまった」と話しているという。

娘は、女性と夫の不在中に外出したまま戻らず、ここ数日連絡がついていないという。遺体で見つかった赤ちゃんは女の子だった。

引用元はこちら


その翌日、更に続報が出た。

「20代の娘」が死体遺棄の容疑で逮捕された、とのこと。


市川の乳児遺体 死体遺棄容疑で22歳女を逮捕
2024年6月9日 21:57 | 無料公開

市川市曽谷の住宅で生後間もない女児の遺体が見つかった事件で、市川署は9日、死体遺棄の疑いで自称愛知県豊橋市、無職、岡田萌花容疑者(22)を逮捕した。

逮捕容疑は日時不明だが、市川市曽谷1の住宅で、女児の死体を放置し、遺棄した疑い。同署は詳しい状況を調べている。

引用元はこちら


予想通り、22歳の娘(母親)が殺害・遺棄したようだ。

22歳という若さで、自分の子を殺め、逮捕されるという結末…。

子の命も、22歳の若い母親も、守ることができなかった。

こういう事件を阻止するために、赤ちゃんポストや匿名・内密出産が考案され、世界で実施されてきた。

残念ながら、千葉にも、都内にも、関東全域にも、まだ赤ちゃんポストはなく、匿名・内密出産を実施している施設もない。

関東圏での新生児遺棄、新生児殺害、新生児虐待は常に起こっているのに、、、

行政も政府も内閣も各政治家も、まったくこの問題には関心がないみたいだ。

赤ちゃんの命を守れず、孤立無援の状態で苦しむ女性(妊婦)を救えずして、いったい誰を守り、いったい誰を救えるっていうんだろう?! 

国民の命を守る、というのであれば、それを本気でやってくれ、と。

SOS相談系の体制は(法制化しやすいので)確かに整ってきている。

でも、それでは(それだけでは)問題は解決しない、ということは海外の実践者ならみんな分かっている。

妊娠の問題、出産の問題は、あまりにもデリケート過ぎるし、恥辱と結びつくので、誰にも語りたくないし、誰にも知られたくないんだ。

だから、赤ちゃんポストができたんだし、匿名で出産できる制度も生まれたんだ。

相談だけで人は救えない。

相談できない人を相談支援では救えない。

国や行政は、無理に赤ちゃんポストや匿名・内密出産を合法化しようとしなくていい。

赤ちゃんポストや匿名出産は、(フランスは例外として)ドイツでも法制化されていない(できなかった)。

ただ、ドイツには、赤ちゃんポストや匿名出産を黙認するだけの寛容さがあった。法制化はしなかったが、緊急下の母子を救うために作られた赤ちゃんポストを国家権力で潰そうとはしなかった(直近のデータでも、100近い赤ちゃんポストがドイツにはあるとのこと)。

だから、現場レベルで(自らの意志や当為で)動こうとする人の邪魔をしないでほしい。で、できれば、そっと裏で支えてほしい。赤ちゃんポストや匿名・内密出産を実施しようとしている人の意志を尊重してほしい。

繰り返しになるけど、相談体制をいくら整えたところで、その相談に来れない人は必ずいる。人間不信の人、情報が入らない人、恥辱の気持ちで苦しんでいる人、そういう人たちにとって、一番心理的・精神的な負担のない「最後の防波堤」=「最終手段」をしっかり作り、守っていってほしいと心から願う。

人だけでは、人は救えないんだ。

人以外でも、母子を救うことはできるんだ。

そこにもっともっと光が当たってほしいと心から願う。

赤ちゃんポストに赤ちゃんを託した女性の手紙から作られた名曲です。

歌詞【翻訳 by kei】

Ich reiche dich weiter, weil ich selbst an mir scheiter. 
私はあなたをもう手放すわ 私自身がつぶれてしまったから
Wünsch dir ein besseres Leben, 
あなたの素敵な人生を願っているわ
ich kanns dir nicht geben. 
私には、あなたに素敵な人生を与えることはできないの 

Ich wollt es vermeiden, ich musste mich so entscheiden 
私もそんなことをしたくはなかった でも、そうするしかなかったの
deine Zukunft soll besser sein als meine.
あなたの未来は、私の未来よりもきっとよいものになるわ 

Es ist besser so denn ich habe keine. 
私には未来がないから、これでよかったの
Ich habs dir geschrieben ich werde dich immer lieben. 
(手紙にも)書いたけれど、私はいつでもあなたを愛しているわ
mir sind die Hände gebunden noch keinen Ausweg gefunden.
私の両手は縛られ まだ出口も見つかっていない

Ich bitte dich mir zu verzeihen. 
どうか私を許してね
Ich wünschte es könnte anders sein, 
(状況や運命などが)変わることを願っているわ
du kamst viel zu früh für mich. 
私のところに来るのが早すぎただけなの
Ich geb dich in andere Hände, 
あなたを誰かの手に委ねるわ
was ich hab genügt dir nicht. 
私には十分にできなかったことを
ich bin kraftlos, 
私には力がないの
denn am Ende ist keiner da der uns trägt, 
最終的に私たちを支えてくれる人はいなかった
ich hab dich in ein besseres Leben gelegt
私はあなたをより素敵な人生に託したの

この歌は、哀しい歌のように聞こえなくもないけど、、、

でも、赤ちゃんは殺されずに、その赤ちゃんの未来は残されたんだ。

殺されて消える命、殺されずにつながる命。

どちらがよいのか、そこに議論の余地はないはずなんだ。

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