先日、久々に悪麺友らんちばさんと房総半島にツアーにでかけました。
前回がドイツに行く前なので、およそ2カ月ぶりの「フリークツアー」になります。
今回、まず目指したのは、この2か月の間に、らんちばさんが偶然発見した「上の山商店」というお店です。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kacchama/turiteng/uenoyama.htm
こちらのお店は、行川アイランド駅から小さな港町に入ったところにあります。浜行川447です。
もう目の前は、海。漁港です。この雰囲気、格別です。癒されました。
さて、「上の山商店」の話です。
このお店、結論から言えば、千葉県内でも極めてレベルの高い「普通の中華そば」が食べられるお店です。
らんちばさんが絶賛しただけあって、僕もかなりハードルをあげて、食べたのですが、もうノックアウトでした。
素晴らしすぎる。ただならぬ。見事なラーメンでした。
あまりにも素晴らしかったので、お店の人に尋ねたら、なんと!!!!!
これまた僕が大絶賛した勝浦の名店「中華宮下」で、ラーメンづくりを学んだんだそうです。
18年前に創業した元消防士の店主さんは、何年か前に亡くなられたそうで、現在はその奥様と娘さんが二人で店を切り盛りしているようです。娘さんもとても素敵な方で、もう、まっさきに応援したくなりました。
その亡くなった店主さんが、かつて消防士の仕事を辞めた時に、習いに行ったのが、宮下なんですって。あのファンキーな店主さん、そういうこともしてたんだ…、と。宮下の店主さんの個性は半端ないですからね。でも、とても素敵な人でした。今回、それがはっきりと分かりました。
けれど、こちらの上の山商店には、宮下の名物「ラージャーメン」はありません。勝浦タンタンメンもありません。とてもシンプル。
ラーメン、味噌ラーメン、チャーハン、チャーシュー丼、餃子があるだけです。いたってシンプル。
チャーハンもそそるなぁー。。。
今回は、チャーシューメンと味噌ラーメンをいただきました。
…と、その前に差し出されたのが、こちら。
なんと、イワシとアジです。しかも、生(苦笑)。
イワシとアジを焼きながら食べられるラーメン屋さんって、他にあるのかな?!
炭火で、じりじりと魚を焼きながら、ラーメンの到来を待ちます。
いい匂い!
そして、チャーシューメンの到来です!
こちらのチャーシューメン、もう、一瞬で、最高に素晴らしいチャーシューメンだと分かりました。チャーシューがもう、あまりにも美しすぎます。これで、美味しくないわけがない、という。
スープは、鰹、煮干し、昆布といった和風ダシに、豚骨、鶏ガラ、野菜等を合わせた清湯スープ。どこかが突出するわけでもなく、全体として調和のとれた「最高のバランス系」のお味でした。これは凄い!!
味の決め手は、かえしにあると思いました。チャーシューの煮汁でしょうか。醤油の味がとても際立っていて、どこか竹岡ラーメンも少しだけ感じることができます。
何も突出していない。だけど、味わいとして、美しい統一を成している。これこそが、「真の中華そば」にふさわしい一杯でした。
麺は、しなしなっとした弱いタイプの麺ですが、こういう昔ながらのラーメンには、こういう麺が実によく合う。近年、やたら「主張の強い麺」が出回っていますが、こういう昔ながらのしなしなっとした麺でも、スープがしっかりと美味しければ、どんどん食べられるんですね。
もう、一言、「あっぱれ!」です。
それこそ、もう嫌というほどラーメンを食べているはずなのに、それでもこれだけの感動がある。それがラーメンの魅力なんだろう、と思います。このお店のラーメンは、きっと「流行り好き」のフリークさんには、「え?!」ってなるかもしれません。けれど、本当にラーメンを突き詰めたフリークさんなら、ここのラーメンの凄さに気づけると思います。
極めつけは、先にもらったイワシをラーメンに投入したことです。
これで、ラーメンのスープが一気に「焼イワシラーメン」に変化したんです(*イワシ等はある時にしか提供されないそうです。もちろん漁港前ですので、新鮮そのもののイワシです!)
煮干しや焼干しではなくて、焼いたイワシそのもの。それを入れたラーメン。
こんなに豊穣な焼イワシラーメンは食べたことがない!というくらいに、超越的に美味しい魚介ラーメンになりました。目の前でイワシを焼いて、ジリジリと焼けたイワシをスープに投入して、食べるイワシ味のラーメン。もう、未体験ゾーン突入でした。わずか一本の焼イワシなんですが、それを入れるだけで、とんでもない「煮干風ラーメン」になるんです。生イワシを焼いたものを入れたので、若干生臭さを感じる部分はありますが、それは臭さではなくて、魚本来の味です。心の奥底から感動しました。
これ、是非定番にしてもらえたら、と思うところです。「焼イワシラーメン」、前代未聞です。
こちらが、味噌ラーメンです。
こちらも渋いです。なんと、赤味噌ダシの味噌汁風ラーメン(maybe)。こちらもまた稀有な味わいです。
赤味噌ダシの味噌汁をラーメンにしたような味わい。なんか斬新。
先に食べたチャーシューメンほどの常習性はありませんが、食べるとほっこりするような味わいです。
いやー、これはこれで個性的です。
どこからどうみても、港町の小さな小さな食堂(隣は商店で、上は民宿)。
なのに、マニアックに千葉のラーメンを食べ歩く二人の「ラーメンバカ」を見事に撃沈させました。
千葉の、いや、全国のラーメンフリークのみなさん、是非、機会があったら、このお店でラーメンを食べてみてほしいです。
母娘の二人で静かに、ひっそりと営む小さなお店の、極上ラーメン(→普通の中華そば)。
勝浦の名店で学びつつも、どこか内房の竹岡ライクなラーメン。
位置的にも、外房と内房の境に近い場所にあります。こんな素敵な経験はなかなか他ではできないと思います。
そして、願わくば、生の魚が提供される日であることを祈ります。
2014年、僕的に、衝撃を受けた千葉の名店、です!!!
この数週間、本当に鬼のように忙しかったので、ホント、癒されました。
あー、旅に出たい。。。