Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

児童虐待の明暗・・・

最近、児童虐待に関する事件が二つあった。

一つ目は殺人未遂の事件。

乳児虐待:父親を逮捕 「夜泣きやまぬ」重傷負わせる-千葉  

生後2カ月の長男に暴行して重傷を負わせたとして、千葉県警千葉南署は9日、千葉市緑区おゆみ野中央6、会社員、山口照秋容疑者(36)を傷害容疑で逮捕した。

調べでは、山口容疑者は07年7月29日未明、自宅で長男の優海(ゆうみ)ちゃんをベッドに投げつけるなどの暴行を加え、一時意識不明にさせた疑い。山口容疑者自ら119番し、優海ちゃんは、急性硬膜下血腫(けっしゅ)や脳挫傷と診断された。 

病院から「虐待の疑いがある」と通報を受けた千葉市児童相談所が昨年8月、同署に通報した。山口容疑者は「夜泣きがやまなかったのでやった」などと供述しているという。【山本太一】

引用元


上の事件は、うちの実家のすぐ近く。新興住宅街での悲劇だ。続けて、殺人事件になってしまった事件。

<乳児殺害>泣く娘に腹立て口ふさぐ 37歳父を逮捕 宮城  

生後4カ月の娘が泣きやまないのに腹を立て、殺害したとして宮城県警石巻署は15日、同県石巻市流留、無職、三浦春樹容疑者(37)を殺人容疑で緊急逮捕した。

調べでは、三浦容疑者は14日午後2時ごろ、自宅で、娘の寿々乃(すずの)ちゃんの口にクッションを押しつけて殺害した疑い。司法解剖の結果、死因は窒息または頭蓋(ずがい)内出血だった。三浦容疑者は「クッションの上に投げ落としたが泣きやまないので、別のクッションを押し付け、気づいたら死んでいた」と容疑を認めている。  

三浦容疑者は妻(28)と寿々乃ちゃん、小学1年の娘(7)との4人暮らし。14日午後5時ごろ、仕事から帰宅した妻が、ぐったりしている寿々乃ちゃんを見つけ119番通報した。三浦容疑者は15日午前9時ごろ、同県大崎市内で車を運転しているのを捜査員が発見した。【伊藤絵理子】


どちらも三十代後半の父親によるもので、犠牲となったのは生後間もない新生児だった。生後2ヶ月と4ヵ月というのだから驚きだ。殺人未遂と殺人という結果そのものは、偶然というかタイミングというかそういうものによるものだろう。どちらもあるまじき行為だ。生後間もない赤ちゃんに腹を立てるということ自体はそれほど不思議なことではない。だが、それに対して怒りを露にするということ、そして、その怒りを当の赤ちゃんに向けるというのは非常に恐ろしいことである。

どちらも虐待の理由は、「赤ちゃんが泣くこと」であった。泣くことに腹を立てる、これをどう考えたらいいのか。また、一方は会社員であり、他方は無職だった。これがどの程度事件の結果に影響しているかは分からないが、結果として会社員の父親の方は子どもの命を奪わずにすんだ。が、おそらく会社は退職してしまうだろう。そうすると、それはそれでまた悲劇である。

いずれにしても、彼らは「赤ちゃんが泣くこと」の意味を理解できず、こらえきれず、そして自分の人生さえも追い込む結果となってしまった。僕は父親をすぐに責めることはできないと感じた。もちろん犯罪は罪であるし、許される行為ではない。だが、この二人の男性の無知を共に悲しみたいと思う。現代社会の悲しき運命というか。。。 

現代社会はますます資本主義化が加速しており、その社会を生きるわれわれはどんどん「家庭」や「愛情」といったものを育むゆとりや楽しさを失っている。日本社会の「車輪の下」という感じがしなくもない。

子どもにしてみれば、生と死という究極の二者択一となってしまった。一方の子どもにはまだ未来があり、一方の子どもは未来が閉ざされてしまった。虐待後の明暗というか、なんというか、、、

この二つの事件をみると、ますます子育てが厳しい状況下にあるということが分かる。ピリピリした現代社会の現状が垣間見える事件のような気がしてならない。

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