遂にSadie、サディの新作がリリースとなった。
およそ一年の沈黙を経てのリリースは、V系業界全体の強い関心をひきつけた。しかも、今回は、X Japanファンならお馴染みのマッドジョージさんがPVでからんでいるということもあって、サディの意気込みがピリピリと伝わってくる作品となっている。
01.Crimson Tear
ヘビーでダークなイントロで始まる曲。ツインギターがスタートから炸裂する。英語のウイスパーがX JAPANを彷彿とさせるのは気のせいか? そして攻撃的なAメロが始まる。超高速ビート、ハイパーボイス(デスボイス)、絶妙なツインギターハーモニー、オカズがいっぱいの高速ドラミング・・・ 一年の沈黙は恐るべき進化を遂げるための充電期間だったのだ。恐ろしいほどまでにソリッドで、シャープで、突き刺さるヘビーサウンド、、、 かつてのサディのどの作品をも凌駕するハード&ヴィジュアルなサウンドになっていた。真緒のボーカルもとうとうD●● E● ●●●●の呪縛から抜け出した感じがする。もちろん影響は残っているが、明らかに真緒らしさというのが存分に詰まっているのだ。もはやモノマネバンドとは言わせない。ホンキの一曲だ。これぞV系王道といいたくなるROCKだ!
02.Payment of vomiter
これは問題作だ。最初のAメロの英詩のところは一体誰が歌っているのだろう。真緒の声じゃなさそうだ。サイケデリックでバイオレンスなサウンドだ。映画音楽のようなスリリングさがある曲で、妖しさと複雑さを兼ね備えたダーク&ヘビーな仕上がりになっている。ところが、サビは心にずさりと突き刺さる切ないメロディーになっている。この切なくて胸を突き刺すメロディーとハードでヘビーなロックサウンドが見事に融合されているのがサディの楽曲と言っていいのかもしれない。最後の「憎しみながら・・・」という声は真緒の肉声に限りなく近い声になっている。やはり真緒の声は素晴らしい。誰に似ているとかそういう次元の問題じゃなく、やはり素からしてカッコイイのだ。
03.The Heartless
これもまたサディの王道中の王道のメロディーと言えるかもしれない。Aメロのシャウト&デスボイスは真緒ならではの迫力がある。また、サビの切なくて勢いのあるクールなメロディもまたサディの最大の武器なのである。これもまたシングルカットできそうな良質の楽曲であった。途中のバンドサウンドはかなり聴きどころ満載。バンドとしての成長が窺える。歌詞は相変わらずくら~いけれど、これまでよりは少し前向きになってきたかな。あんまりストレートな歌詞に逃げるのではなく、抽象的で分かりにくくて伝わりにくい(共鳴しにくい)歌詞のままでいてほしいと思うな。(そうでないと、ただの退屈なJ-POPと区別できなくなる。アーチスティックにいってほしいな、と。
本当に過激で切なくて熱くてポップなすごいシングルと言えるだろう。売れることよりも、「ホンモノ」になることにこだわった意欲的な一枚だ。
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