16~17歳の頃、僕は生まれて初めて「ラーメン」に感動した。当時、よく遊んでいた先輩に連れられて、千葉(中央)にあるお店に行った。
そのお店は、銅鑼があって、スペシャルラーメンを注文すると銅鑼を鳴らしてくれる、という不思議なお店だった。そのお店が、『活力ラーメン元氣一杯』だった。このラーメン屋さんは、当時千葉で絶大な人気を博したお店で、たしかに僕も並んだ記憶がある。
その当時も、やはりラーメンは大好きだった。けれど、外食のラーメンよりも、インスタントラーメンやカップ麺が大好きだった。チキンラーメン is No.1という確信を抱いていた。ラーメンと言えば、チキンラーメンだった(チャルメラもサッポロ一番も大好きだったなぁ・・・ マルタイラーメンは死ぬほど食べた!)
そんな僕だったが、人生で初めてお店の味の凄さを感じたのが、このお店だった。今も忘れはしない。夏の暑い日に、男7人くらいで、ダラダラっとしながらあのお店に向かったことを。そして、その活力ラーメンの美味しさに感動し、「外のラーメンってこんなに美味しいんだ?!」と叫んだことを。
時は過ぎ、あれから17年くらいが経った。僕はすっかりラーメンにはまってしまい、とんでもない数のラーメンを日々食べている。もちろん色んなラーメンがきっかけだが、紛れもなく人生で初めて感動したのは、ここのラーメンだった。当時は背脂チャッチャ系が大人気で、その流れの中で生まれたのがこのお店だった。
現在、活力ラーメン元氣一杯は、稲毛本店のみとなっている。千葉店他、何店舗かあったが、残念ながら閉店してしまった。が、稲毛本店はいつ行っても人がいて、しっかり地域に根ざしている。千葉ではかなり古いラーメン屋さんと言えるだろう。
そんな元氣一杯に、超久々に行った。
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久々の元氣一杯は、あいかわらず元気一杯に営業していた。尋常じゃない接客の声かけ。懐かしいなぁ。明るい店内の雰囲気も当時のまま。このお店、異様に明るいんです。当時は感じなかったけど、店内はかなり豚骨の独特な臭いが広がっている。苦手な人はちょっとたいへんかも。でも、それだけ、しっかりと真面目にスープをとっているってことだし、OKじゃないかな、と。
メニューを見ると、それなりに進化しているんだ、ということが分かるはず。今回は、あの当時の味を食べてみたかったので、普通の豚骨醤油ラーメンを注文することにした。
ここのラーメン、とにかく器がでかい。量は普通かな。スープは結構濃厚で、いいダシがとれているって感じだ。最初の一口目で、「お?! 想像以上においしいじゃないか?!」と思ってしまった。しかし! 当時の味とは全然違う。当時はもっと背脂が浮いていて、ダシが今よりも貧弱だったように思う。店員さんに確認したら、やっぱりダシは相当改善したみたいだ。
正直、ここのラーメン、今食べても、あんまり何も感じないんじゃないか、と思っていた。が、違う! かつての記憶が抹消されるかのごとく、かなり独特で骨の旨みが存分に抽出された力強いラーメンに仕上がっていた。
先入観って怖いなぁと思った。「元氣一杯=かつての味」という固定観念があって、その観念を引きずると、ここの今のラーメンの素晴らしさに気づけないだろう。今の元氣一杯は、本当に今も元気一杯だった。ここのスープは、へたしたら、都内の有名店にも引けを取らないくらいに良質のスープになるんじゃないかな、と思う。
もちろん、最近のこだわり中のこだわりのお店とは違って、ジャンクな感じは否めない。けれど、ジャンクさの中に、ここならではのパンチというか、勢いがたしかにあるのだ。久々に食べたここのラーメンは、かつての記憶を塗り替える力強い一杯だった!