2022年3月。
僕のへっぽこスキー体験談の続きです。
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人生において、片手で数えられるくらいしか経験のない【スキー】をしに越後湯沢にやってきました。
向かった先は【湯沢高原スキー場】でした。
1日目は、散々たるもので、恐怖と孤独に打ちひしがれ、心折れるほどにきつかったです。
その1日目の最後に、悟りました。
「何事も、基礎・基本をしっかりやらないと、その先には絶対に進めない」
って。
なので、麓に戻ってからは、基礎・基本の猛特訓を行いました。
この動画は、麓に戻り、一番簡単な「ファミリーコース」での特訓を終えた時に撮ったものです。
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2日目。
この日は、「ファミリーコース」と(ファミリーコースよりもやや傾斜のある)「デビューコース」でしっかりと十分に練習をすることにしました。そして、もしこの二つのコースをしっかり無理なく安定して滑れるようになったら、再度、山頂に行き、1日目のリベンジを果たしたいと思いました。
まぁ、リベンジに燃えている点で、結局昨日は、本当に心折れてたわけじゃなかったってことなんですけど…💦
いや、心は確かに折れたんですが、(教育学者として)「じゃ、どうしたらいいのか」を考えて、基礎・基本に立ち返り、もう一度学びなおしてみよう、という人体実験をしたくなったんですよね(苦笑)。(繊細な若者と違って、鈍感な中年ですし、年齢を重ねる毎に立ち直りも早くなります😊)
基礎・基本を徹底的にやることで、あのパノラマコースが滑れるようになるのか。
それとも、やはり断崖絶壁の恐怖の前に、初心者の僕は無力なのか。
…
ファミリーコースは、ホントなだらかなコースで、楽しく滑れるんです。ただ、それでも、そこをまっすぐにブレーキをかけずに進むのは怖い…。山頂のパノラマコースは、道幅が狭いので、その狭いラインをイメージしながら、「~」と前に進めるようにならなければならない。
実際のところ、傾斜自体は、このファミリーコースレベルの斜面がずっと続いていたんです。2200mのうち、ほとんどがこのファミリーコース程度の傾斜でした。
ここを合計15回くらい滑りました。ブレーキもかけられる。足もギリギリまでそろえて滑ることもできる。エッジを効かせてターンをすることもできる。シュテムターンみたいなものも少しずつできるようになってきた。荷重移動も意識できるようになってきた。
そこで、このファミリーコースからデビューコースに移りました。ここは、ファミリーコースよりも、表面がゴツゴツしていて、更に斜度も上がり、確実に難易度が上がっています。
最初は「この傾き、怖いなぁ」と思いましたが、横幅がとても広く、崖もないので、その恐怖心に打ち勝ち、ボーゲンレベルではありますが、ちゃんと何度も滑って下ることができました。
心配なので、何度も何度もここで練習を繰り返しました。雪の表面に凹凸がいっぱいあって、何度か転びましたが、最後はそこもクリアできました。バランスを保つために、ストック(ポール)を(手に持ちつつも)使わないで下りることもできました(ストックを使わないで滑っている人も多々いたので…)。
この地味で地道な練習を3時間くらいやりました。
これだけでまともに上手く滑れるとは思いませんが、昨日挫折したパノラマコースならいけるだろう!という気持ちにはなりました。ブレーキもしっかりかけられる。ターンもできる。エッジを使って原則もできる。
「昨日のリベンジだ…🔥」
今回のスキーの総仕上げ?として、再びロープウェイに乗って、山頂を目指しました。
1日目の最初に面食らったスズランコースも、最後の急斜面になるところ(僕が救助をお願いしたところ)以外はしっかりと滑って下りることができました。できないところは板を外して、歩いて下るまでです!。
そして、13時過ぎにリフトに二度乗り、山頂に再びやってきました!
昨日の悪夢が遠い昔のようにも感じられます。僕の心の中では、「おし、リベンジしたるぞ!」という気持ちと、「ちゃんと無事に安全に下りることができるかな」という気持ちが入り乱れていて、期待と不安でいっぱいでした。
改めて、このパノラマコースをすごいスノボの人の動画で見てみましょう。
この人、ホントに凄い…(;'∀')
…
そして、いざリベンジの時!!
最初は、やはり問題なく滑っていけます。怖くもないです。ブレーキもしっかりかかります。
でも、片側が崖になるところに来ると、やはり少し足がすくみます。
「地上?であれだけ練習したんだ。大丈夫大丈夫」
と言い聞かせながら、できるだけ崖を見ずに、山側のコースを滑っていきます。
そうしたら、確実に昨日よりも上手に滑れています。
「あぁ、いける…」
昨日あれだけ慄いていたのに、今回は、それほど怖くない。前に進んでいけてる!!
「やった…。46歳、万年運動不足で太り過ぎの枯れた中年でも、スキーが滑れるようになるんだ!」
って嬉しい気持ちになりました。
午前中に滑ったファミリーコースやデビューコースとは雪質が異なっていて、そこは怖かったです。表面はサラサラなんですが、その奥がガリガリになっている感じ?! ブレーキをかけても、麓のファミリーコースほどには効かないというか…。そういう意味での「恐怖」はありました。が、なんとか自力で止まることはできるので、昨日感じたような恐怖にはならなかったです。
…
が、しかし、、、
実はもうこの時、足の筋力自体がもう限界に達していました。
普段使わない足の筋力を二日間ずっと使ってきただけに、もう足自体がおかしくなっていました。太もももふくらはぎも足の付け根も足の指先も痛い…( ;∀;)
更に、スキーシューズに雪が入ったせいか、足の指が凍るように冷たくて痛いんです。
ちょっと滑っただけで、足がすぐに限界になる。
なので、少し(長めに)休んで、再度出発するも、すぐに足が痛くなって、限界になる。
昨日は恐怖と不安と孤独で、心が折れましたが、、、
今日は足の痛みと冷たさで、体が折れてしまいました…😨
とにかく少し滑るだけで、少しブレーキをかけるだけで、痛みが襲ってくるんです。
力を抜こう、力を抜こうと思うのですが、まだどこかに「崖」の恐怖もあって、ちっとも力が抜けないんです。僕の足は相当に力んでいたと思います。
痛みと疲れで、ヘロヘロになって、雪の上に座って休んでいたら、「この日初めてスキーをしました」っていうちびっこ集団が現れました。
先生らしき人が、「ブレ~~~キ、はいとじて~。そして、ブレ~~~~キ」と歌うように子どもたちに伝えながら、ゆっくりと、でも、安定したスピードで子どもたちと滑っていました。
「この子たちに負けるわけにはいかない!」
僕も再び立ち上がり、滑り始めるのですが、すぐにまた激痛が走り、、、
(PS:あとでスキーが上手な同僚の先生に聞いたんですが、斜面が平らな(=傾きの弱い)コースで滑ると、大人の場合、足を痛めることが多いんですって。ある程度の傾斜は必要だ、ということですね)
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でも、その痛みに耐えて、昨日は3時間かかったパノラマコースを1時間半くらいで下りることができました。
「やった…😂」
そこで、(足の疲れも絶頂なのに)何をとち狂ったのか、またリフトに乗り、山頂を目指していました。この時点で15時半頃。朝8時くらいにおにぎりを二つ食べただけで、空腹も実は絶頂でした。足の痛み、そして空腹。それを自覚しながらも、また2200mのパノラマコースに挑もうとするのですから、、、、
救いようのないバカだ…(苦笑)
実際のところ、「あともう一回、最後にリベンジしたい!」って思ったんです。
1日目の昨日、「心が折れた」と弱音を吐いていた僕ですが、基礎・基本をしっかりやって、そして恐怖心に打ち勝つ自分を見てみたくなったんです。
これは、自分のためにというよりは、今後の自分の教育活動のために…。
…
今回強く思ったのは、「教育者としては、子どもや学生たちに『心が折れた』と言わせないために、どうしたらいいか」ということでした。
教育者的に言うと、「心折れるような経験をさせないために、段階的にしっかり教育していくことが大事なんだろう。基礎、基本をしっかり伝えて、そこから徐々にレベルを上げていく。いきなりハイレベルのことをやらせたら、できるものもできなくなる」、ということでしょうか。
言葉にすると、安っぽい教育論のようにも聞こえますが、僕自身、これを身をもって知ったという感じがします。「これくらい、余裕だろう」とか、「これくらい、みんなできるだろう」とかと思ってはいけない、と実感したというか。
では、教師や保育士や支援員の「基礎」「基本」はいったい何なのか。
この本を読んだばかりなので、まさにタイムリーな話でもありました。
正直、この本を読んでも、自分的には、教師や保育士の「基礎」「基本」はあんまりよく分からなかったですが…💦(腑に落ちなかったという感じかな…)
そんなことを考えながら、この日二度目のパノラマコースにチャレンジしました。
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二日間の疲れがどっと出て、どんどん感覚が鈍化していくのを感じました。
お腹も空いていて、意識も少し虚ろになっていて、ヤバいなとは思いましたが…
この二日間の集大成だ!と思って、気力と根性と安全第一の心で、ゆっくり運転ではありましたが、30分くらいで2200mを滑りきることができました\(^o^)/✨
一回目には3時間かかったのに、三回目ではなんと30分で滑り下りることができました。
46歳の枯れて太った中年でも、ここまでやることができたのです!!😂
自分で言うのもなんですが、「俺、がんばった!!」って感じです。
以上、スキー初心者体験談でした。
今回、改めてスキーの怖さや苦しさを知ると共に、ますますスキーが好きになりました。
ただ、やはりもう少し自分のレベルに合ったスキー場を選ぶべきだった…。
もともとは、(地震がなければ)みやぎ蔵王白石スキー場に行く予定でした。ここは初心者向けのコースが充実していますし、実際にとても初心者に優しいスキー場でした。
今回来た湯沢高原スキー場もまた、初心者向けのスキー場ではありましたが、その中ではとても厳しいスキー場だったように思います。いや、コース自体はそれほどでもない。ただ、「崖」や「断崖絶壁」が多くて、高所恐怖症の僕には合ってなかった、というべきでしょうか。もっと広々としてのんびりとしたスキー場に行くべきでした。
(今回のスキー場も素敵でしたが、やっぱり高所恐怖症は治せないので、もう少し高所恐怖症に優しいスキー場を探したいなって思いました。ここはもう、無理です。無理なものは無理です…💦)
…
あと、闘う教育学者としては、やはり常に「学び続けること」への挑戦を忘れちゃいけないなって思いました。この年齢になれば、これまで培ってきたことをこれまでしてきたように繰り返すだけで十分なのですが、教育者・教育学者としては、それだけじゃダメで、やはり自分自身を常に「学ぶ人間」にしておく必要があります。
「教える」という行為は、常に「学ぶ行為」とセットになっています。
よい学び手であることが、よい教え手である条件だとも思います。
僕はこれからも、ただ偉そうに壇上から教えを説くのではなく、(あらゆることにチャレンジすることで)一番下っ端である「初心者」に留まり続けたいなって思いました。
初心者の怖さ、不安、そしてかすかな希望…
そうした気持ちを忘れた時、僕は「先生」という仕事を辞めなきゃいけないなって思います。
僕にとって、教師が教師を辞めなければならない「とき」というのは、「子どもや生徒や学生に素直に謝れなくなったとき」と、そして「初心者の心が見えなくなったとき」だと思います。
経験を積めば積むほど、それができなくなっていくんですね。
だから、僕はこれからも教師として、「ごめんなさい」と「大丈夫だよ」という言葉を大事にしていきたいなって思いますね。今回は特に、「大丈夫だよ」という言葉の大事さを痛感しました。そして、その「大丈夫だよ」としっかり言えるために、「基礎」「基本」をしっかりと相手に伝えていくことが大事だなって思いました。
…
また次の冬、スキーにチャレンジするために、この時期にしっかりスキーの基礎・基本を勉強しよう!と心に決めました。…が、やれるかどうかは不明です…(💣爆💣)
越後湯沢の夜空に、花火が舞っていました。
この景色は一生忘れないなぁ…。
PS
知ってました?!
スキーって、オーストリア・ハンガリー帝国の「レルヒ少佐」が上越(高田)で初めて伝えたものなんですね。
レルヒって名前からして、これはドイツ語系の人物だろうと直感しましたが…
新潟が日本のスキー発祥の地だったんだ…
こういうことも知っておくと、ますますスキーが楽しくなりそうですね👆
これは買っておきたい…💦
これがスキー本の定番かな?!