雑誌やメディアでご存じの方も多いと思いますが、麺処まるわの店主の石井さん。
このブログでは、初登場?!(ちらほらと実は出てるのですが、、、)
石井さんは、僕とほぼ同世代。若干、僕の方が年上ですが、まー、同世代です(苦笑)。
で、好きな音楽も似てて、、、
ラーメンツアーも年に数回必ず行ってます。
そして、長電話する友達でも。。。
…というか、なんていうか、「同期」って感じがするんですよね。立場は違いますが、「ラーメン屋店主」と「ラーメンブロガー」として、同じ歩みをしてきたというか。一緒に成長してきた仲間というか。。。 まるわ以前に知り合った店主さんって、なんていうか、「先輩」というか「憧れの人」というか「上の人」って感じなんです。もちろん年齢も上の人ばかりですし、「ラーメン界」としてもみんな先輩ばかり。もちろんフリークさんを入れても、やっぱり「上の人」でして。
そんな中で、彼は、僕のラーメン人生の中の「同期」って感じなんですね。ま、彼に比べたら、僕なんて「ただのブロガー」なんですけども。。。でも、気持ち的には、同期。「横並び」な感じがします。
***
さて、先日、突然、彼から電話で、「店に来てくれない?」と言われ、「なんで?」と聞くと、「親父のレシピで一度実験的にラーメンを作ってみるから、食べてくれない?」、という申し出がありました。試作でもないっぽいです。あくまでも、お父様のラーメンを再現してみる、ということらしいです。
僕は、石井さんからお父様の話はいっぱい聞いてきました。そして、彼がお父様を心から尊敬していることも知っていました。
なので、前々から「食べてみたいなぁ」と思っていました。
こちらが、そのお父様が残したレシピどおりに作ったスープです。
もうね、匂いがたまらんとです、、、
煮干し、鰹節等の和だしの香りが、、、
そして、中央にちらっと見える黄色い物体は、、、なんとパイナップル!
いったいどんなラーメンになるのでしょう!?
見てください!
これが、石井さんがお父様のレシピをもとに再構成した「中華そば」です。
食べる前に、「どこまでも厳しい目で見て、厳しく味わおう」と気合い入れてました。彼は友人ではありますが、「作り手」と「食べ手」として、妥協しないで付き合っています。「ダメ」だと思えば、「ダメ」とずばり言おうといつも思っています。そういう関係なんです。
ですが、、、
このラーメンには、もうただただ頭を下げたくなるばかりでした。
何なんだろう。この何とも言えないラーメンは、、、
味的には、90年代に流行った「和風醤油ラーメン」っていう感じではあるんです。それから、「永福町大勝軒」に通じる味わい。なんですけど、違うんです。和ダシの効いたしょっぱい醤油ラーメン。でも、とても庶民的で、何かが突出しているわけでもない。素朴な味わいでもある。
カエシの量が結構多くて、しょっぱさも強いです。どこか、「がんこラーメン」を彷彿とさせもします。
いずれにしても、「東京の美味しい和風醤油ラーメン」という感じなんです。
石井さんのお父様は都内でラーメンを食べていたそうです。なので、こういうラーメンになったのでしょう。このラーメンが、かつて大原の小さな食堂で食べられていた、とは、、、。
今の僕の中の「王道の味」って、こういう味なんですね。まさか、こういうラーメンだったとは、、、汗
***
このラーメンは、今のところ、「麺処まるわ」で登場する予定はないそうです。
でも、きっといずれ、いずれかのかたちで、このラーメンがどこかで提供されると僕は確信しました。
僕の妄想としては、千葉駅周辺の小さな場所で、小さなお店で、カウンター5席とかのお店で、サラリーマン相手に提供されることを望みますね。
若者にはあまり理解できない味だと思います。
けど、「イマドキのラーメン」に魅力を感じない落ち着いた大人には、たまらないラーメンだと思うんです。
チャーシューも、通常のまるわで使用されるものと異なるものでした。
このラーメンのために、石井さんがわざわざ作ったそうです。このチャーシュー、好きだなぁ。
ぶっちゃけ、まるわで出されている贅沢なお肉よりも、よっぽど僕には魅力的です。(でも、若者やフリークさんには、お店で出されているチャーシューの方が受けるんでしょうけど、、、)
で、最後に、「味がちょっとしょっぱいよね」ということで、カエシの量を少なめにして、再度作ってもらいました。
うん。こっちの方が、多くの人に愛されそう。
でも、僕は「しょっぱい昔ながらの中華そば」の方が好きですねー。
***
いや、お世辞抜きで、心が和むじんわりと美味しい中華そばでした。
石井さんは、「THE 中華そばでしょ?!」と言っていました。まさにその通りだと思いました。
いつか、この中華そばが、千葉のどこかで食べられることを心の奥で願っています。