日ごろ、ラーメンを食べて、そのラーメンについて記事を書いている僕。
ただ食べているだけだと、なかなか「舌」はよくならない。しっかり味を理解するためには、基本的な味覚の訓練もしておかなければならない。
僕は僕自身の「味覚」を信用していない。というか、自分の味覚を信じていない。もちろん美味しいと感じるものは、僕にとっては美味しいものなんだろうし、不味いものはやはり僕にとっては不味いものなんだろう。けれど、それが他の人に当てはまるかどうかは分からないし、自分の「美味しさ」が他の人にそのまま通じるとは決して思っていない。
だからこそ、日々、味覚を鋭くする訓練は必要かな、と。
僕がしているのは、日々の家での食事で、味付けを最低限度にすること、それから、自分で色々と調味料や様々な食材を使って、色々と試してみること。もちろん、(贅沢しない程度に)いい食材を使うこと。基本的にうちでは、国内産のものだけを使っている。無農薬野菜にも一応こだわっている。(無農薬のルッコラには虫がいっぱい!)
当然、ラーメンも自分の家で作っている。お店のようにスープを作りこむことはなかなかできないが、色んな形でラーメンを作って、研究することはできる。
ラーメン研究① 利尻昆布をふんだんにつかってスープを取る。
このラーメンは、基本的には市販の「豚骨醤油」タレ。麺は某ラーメン店で頂いた自家製麺。イメージは二郎風。普通は、市販のタレにお湯を入れてスープを作るのだが、お湯ではなく、簡素なスープで割ってみた。で、このラーメンのポイントは、昆布ダシをしっかり舌で理解することができるか、というところ。昆布ダシは、結構繊細で、醤油や味噌などで割ってしまうと、なかなか昆布の旨味を捉えることができない。そこで、徐々に醤油ダレを加えていき、どこまで昆布ダシの味を舌で捉えることができるか、実験してみた。また、上の写真にあるように、黒胡椒(これも結構高価なもの)を入れて、胡椒と昆布の相性をチェックしてみた。
ラーメン研究② 粉末の煮干しを舌に叩き込む。
僕が苦手なのは、煮干しの味を捉えること。煮干しって、鰹節に比べると、結構クセがあり、インパクトが強い。鰹ダシの味噌汁よりも、煮干しダシの味噌汁の方がインパクトが大きい! が、ラーメンに微量に加えても、なかなかその煮干しの独特なクセを捉えることができない。味にうるさい人ならすぐに分かるのかもしれないが、僕には無理。なので、日々、煮干しの味には触れようとしている。今回は、「にぼしっ子」という魚粉を使ってみた。本来ならそれなりにいい煮干しを使ってやったほうがいいんだろうけど・・・
最近、よく見られる「濃厚煮干しラーメン」の味に近づけるためには、相当量の煮干しを使わなければならない。ただでも味の強いラーメンで、煮干しを感じさせるためには大量の煮干しを使わなければならないってことが分かった。比較的味が伝わりやすい魚粉でこれなのだから、煮干しからダシを取ろうと思ったら、すごい量の煮干しを使わなければならないのだ!!
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昆布も煮干しも、そのままダシを取れば、それなりにすぐに分かる。が、醤油や味噌やニンニクや生姜や胡椒や唐辛子や香油など、味や香りの強い調味料や薬味と一緒になると、昆布や煮干しのような繊細な味わいはかなり感じにくくなる。それを見破ってこそなんだけど、なかなかそれが難しい。
ま、これからも精進あるのみ、、、ってことで。