岡江晃さんの『宅間守精神鑑定書』が発売されて、今、読んでます。
宅間守って、いったいどんな人だったのか。どんな過去をもっていたのか。どうしてあんな残酷な人間が生まれたのか。今も、不思議で仕方ない。彼は、あっという間に死刑判決を受けて、この世を去っていった。あまりにも早すぎる感じだった。
この事件を受けて、小泉内閣は、「医療観察法」という法律をつくり、施行した。「刑罰」から「治療(ケア)」へ、という道筋ができた。「心神喪失」の状態で、犯罪を犯した人は、無罪となる代わりに、徹底的に治療を受けることになる。
その最前線が、かつてTVで特集されていて、それがYouTubeにupされています。
とても内容的にも重たく、深刻なので、興味がある人は是非見てほしいな、って思います。
特に2/2の最後の患者さんの言葉が、とても重いです。「自由な外界」よりも、「不自由な病院」の方がいい、という声を僕らはどう受け止めたらいいんでしょうかね。
続き↓
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僕には分からない。けれど、そういう気持ちを想像することはできる、気がします。
温かく守られた閉鎖病棟の方が、孤独で冷たい外界よりも居心地がよいはず。外界でもはや幸せに生きていけないとなれば、病院の中で静かに一生を終えた方がいい。
宅間とは関係ない話だけど、つながる部分もある。
「この世の中は、閉鎖病棟よりも、辛い場所なんだ」、ということ。
全員にとってではない。この世の中で面白ろ楽しく生きている人もいるだろう。けど、誰もが嫌がるであろう「閉鎖病棟」の方が、一般社会よりも居心地の良さを感じる人もいる、ということを僕らは忘れてはならないだろう。
でも、どこをどう改善すれば、よりよい社会になるのか、それは誰にも分からない。
ただ、この今の時代においてさえ、孤独に脅え、自分の自由が制限されても、一般社会から逃れようとしている人もいる、ということを、もっと僕らは知らなきゃならないし、考えなきゃいけないんじゃないかな、と。