定期的に発行されているラーメン本としては、一番新しいラーメン本。
若きラーメン評論家の石山さんが監修を務める本とあって、注目度もそこそこ高い。売り上げもよかったのか、早速第二号が発売された。
レイアウトは石神本を意識しているのかしていないのか、石神本にそっくり。コメントも石神本を意識したような内容になっている。が、ここで掲載されているラーメン店はそのほとんどが最近オープンした新しいラーメン屋さんばかり。この本のコンセプトは明確で、新しいラーメン屋さんを数多く紹介する、というものだ。実際、この本の表紙にも「ラーメン新店掲載数No.1」と書いてある。
ゆえに、ラーメンの質やレベルの高さを保障したラーメン本というよりは、新し物好きな若年層をターゲットに絞ったラーメン本と考えてよいだろう。いいか悪いかはともかくとして、ターゲットを明確にしているところがこの本の長所なのだ。
僕的にはこの本に関してはやや冷ややかに見ているのだが、特集はとても面白い。鶏塩とカレーとトマトのラーメンに焦点をしぼって、突出したラーメン屋さんをコンパクトに紹介しているところはとても興味深い。もちろんラーメンマニアにとってはすでに有名なラーメン屋さんばかりだが、普通のラーメンファンにはありがたい情報源だと思う。
ただ、読み物としてはかなり疑問視せざるを得ない。いかんせん、読むべきところが本当に少ない。情報の垂れ流しと捉えられても、反論のしようがないような内容になっている。しかも、情報の多くが第一号の使いまわしだ。第一号を持っている人は、もしかしたらむっとくるかもしれない。
けれど、第一号を買っていなくて、最近ラーメンのファンになった人には必須アイテムになる可能性はある。ここで紹介されているラーメン屋さんは、たしかにフリークやマニアのあいだでしっかり支持されているラーメン店ばかり。神奈川、埼玉、千葉のラーメン店の紹介もしっかりしているし、幅広いニーズに答える内容になっている。
ラーメンフリークの必須バイブルにはならないかもしれないが、情報誌としてはかなり価値のあるものだとは思う。「選び抜かれたお店」ってわけじゃないだろうけど、今後ブレイクしそうなラーメン店がたくさん載っていることは間違いない。値段も手ごろだし、一度本屋さんで見てみて、いいなと思ったら読んでみてはいかがでしょう、という感じかな。
ま、ただこの時期に新しいラーメン本がでることは、僕らフリークにとっては嬉しい限りだ。