先日、青山のお洒落なお店(アートショップ「スパイラル」)で、ラーメン用の器を買った(写真左)。
真っ白で、ちょっとゆがみのあるスタイリッシュな器だ。こういう器が普通いくらするのか分からないが、この器は一つ3000円くらい。結構高いんだろうな、と。
でも、さすが3000円の器だけあって、見た目がすごく良く見えてくる。この器はすべて手作りなので、一つとして同じ形のものがない、という代物。
器一つで、料理の良し悪しが違ってくる、のかもしれない。
ちゃぶ屋の店主も、器にかなり力を入れていたのを思い出す。器は直接味に関係するわけではないが、味覚に全く無関係であるわけではないだろう。つまり、関係はあるのである。
「美味しさ」って、ただ味覚によって規定されるべきものではなく、視覚や聴覚でも規定されているのかもしれない。ヴィジュアル系だって、見た目がかっこいいという前提があって、音楽が一層際立ってくるのだ。ラーメンも、やはり見た目が舌に与える影響の強いラーメンなのかもしれない。
僕らは、ただ舌だけで味を感じているのではない。目で味を感じているのだ。もちろんそれは「客観的」に規定されるべきものではないだろう。しかし、「美味しい」という主観に対して、ヴィジュアルは何らかの影響を与えている、そう思えて仕方ない。
実際、器を変えただけで、自宅のラーメンがいつも以上に美味しく感じたのだから。
たまには、違った器で食べてみるのも悪くないかもしれない。特に、同じような毎日の倦怠を感じている人は、器を変えて、いつもの食事をしてみてはどうだろうか。