『九州ラーメン日吉八重原店』に行きました。
このお店は、「九州ラーメン日吉大和田店」と深い関係のあるお店です。メディア的には、大和田店が大きくヒューチャリングされています。しかし、「日吉」を語るためには、八重原店のラーメンも食べておかねばなりません。ずっと宿題店でした。が、2010年春頃に不慮の事故があり、一時閉店していましたが、2010年12月頃に復活、営業再開していることを知りまして、かけつけたわけです。
日吉大和田店の記事はこちら♪
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/6cb5688177a35e4fe63e6e644113158f
(ちょっとした歴史も書いてあります☆)
日吉八重原店は、新日鉄の八重原団地の外れにあります。かなり場所はマニアックです。八重原団地の先の道を入り、左へ、右へと入った奥にあります。アリランラーメンもかなりマニアックな秘境地域にありますが、こちらもかなりマニアックです。もともとはこちらの場所に、先代がお店を開いたんですよね。
さて、店内へ☆
お店は綺麗です。復活してまだ1年ちょっとですからね。綺麗で、それなりに広いです。大和田店は全然違いますね。細いカウンター席とテーブル席があります。メニューは日吉大和田店とほぼ同じ。おでんもありました。ラーメン一杯なんと270円。安いです。大盛りラーメン320円、チャーシューメン430円、さらに大和田店同様、なかなか他にはない月見ラーメン、紅ショウガラーメンもありました。
ラーメンが出された際に、ご主人さんに写真を取ってもよいか尋ねたら、ジェスチャーで『ダメ』と示されました。奥さま?に聞くと、黙ってラーメンの写真を撮る人が最近あまりにも多いので、ということでした。写真も、タバコ同様、モラルが問われているのかもしれませんね。なので、メニュー等の写真もありません。
ラーメン画像は、残念ながら撮れませんでしたが、色々なサイト・ブログで紹介されているので、是非そちらをご参照くださいませ。
http://kosukety.org/2011/10/20/kyushu-ramen-hiyoshi-yaehara-in-kimitsu/
http://yaplog.jp/hikikoguiugi/archive/3865
かつての日吉八重原店の記事はこちら↓
http://www.chibaraumen.com/report/hiyoshiy.html
ラーメンは、想像以上の美味しさでした。旨味のあるアッサリとしたジャンクなさらさら豚骨ラーメンです。とろみは一切ないです。豚骨ラーメンの固定観念が崩れますね。日吉大和田店のラーメンとは全然違います。いや、方向性は同じだと思うのですが、こちらの方が断然洗練されています。いや、ビックリ。
スープはほんとサラサラなのですが、いわゆる「豚骨ラーメンっぽさ」をほとんど感じさせません。どう書けば伝わるのだろう、と悩みますね。インスタントラーメンっぽくもないんです。強いて言えば、まるたいラーメンみたいな? いや、違うなぁ。とにかく、不思議な優しい美味しさがじわ~っと伝わってくるんです。僕個人的に言えば、「え? 豚骨ラーメンって、こんなに美味しくなるの?」、と思うくらい。もちろん濃厚にして、重くして、どろっとさせれば、美味しいって思う部分はあります。が、こんなにライトで、さらっとした白濁豚骨ラーメンで、この美味しさ。いやはや、ビックリでした。
多分、ひいき目に見ているとは思います。が、それにしても、懐古趣味でもなんでもなく、真面目でジャンクでおいしいあっさり白濁豚骨ラーメンでした。今、食べると、新しく感じるかもしれません!
麺はやや中太麺。なかなかの強さがありました。チャーシューは超小さいです。もやし、ねぎのみのシンプルな構成でした。昔ながらの器が素敵でした。
おでんも大人気でした。おでんは奥様(?)が担当みたいです。値段は書いておらず、奥様に欲しいものを言うと、もってくれます。このおでんがいいですね。ラーメンがあっさりしているので、物足りなさはすべておでんでカバーする、という絶妙なバランス。ラーメンとおでんのお店、と言ってよいでしょう。
マニアックな場所ですが、凄い人気です。言わずもがな、ですかね。撮影拒否店になったことだけが残念でした。が、これもまたラーメンライフです。
「元祖九州ラーメン」と書いてあります!
駐車場はばっちりあります☆
今回の「撮影拒否」で、少し自分の中に変化がありましたので、書いておきます。
これまでの僕なら、撮影拒否という時点で、気持ちが萎え、テンション最悪状態になり、後悔と失意と絶望を感じながら虚しくわびしく食べる、という風になっていました。だって、(言いにくいですが)食べるのが目的じゃなくて、レポが目的ですからね。本当に、撮影拒否と言われると、この世の終わりを感じます。
が、今回は、そんなに絶望を感じませんでした。むしろ、逆に、「おお! 撮影拒否~♪」って喜ぶ自分がいました。まずそれに自分自身が驚きました。今の時代、どこもかしこも、写真写真です。「お店の料理の写真撮影はよいのか」という議論もあります。けれど、もう10年以上、ラーメンを食べ、写真を撮る、ということを趣味としてきた僕としては、何と言われようと、やはり撮りたいのです。鉄道マニアの人が写真を撮りたいように、ラーメンフリークはラーメンの写真が撮りたいのです。それだけです。山の写真、温泉の写真、なんでもよいのですが、趣味人は写真を撮り、それを集めて満足します。ただ、自然物や人工物とは違い、ラーメンは作り手がいます。作り手がいる以上、その出されたものの撮影の是非は作り手の意志によって決まります。
なので、結局はお店の側の判断に従うしかありません。
ですが、この日は、なんかわくわくしてしまいました。この自分の感覚が不思議でした。写真、撮れないのに。その理由は、二つあります。
一つは、昔は結構あった「取材拒否店」等が少なくなっている、ということがあります。昔は、ネットもないし、メディアと言えば、テレビか、雑誌か、マニアックな本くらいしかありませんでした。おそらく、ラーメンとメディアというのは、無関係というか、最も縁遠い組み合わせだったと思います。特に地方に至っては。けれど、インターネットの普及により、ホームページ、ブログ等のミドルメディアが発展し、ラーメンとメディアが密接につながるようになりました。マス・メディアほどの力はありませんが、口コミよりは波及効果のあるメディアの到来と共に、ラーメン店にメディアの宣伝効果が現れるようになってきました。ラーメン店もお店です。売上につながるならば、たとえ写真撮影されるのが嫌でも、拒否できない力が働くと思うんですね。そんな中で、「写真撮影はダメ!」と言えるのは、ある意味で、素晴らしいことで、そこに感動しました。
もう一つは、このお店は、宣伝などしなくても、十分に人が集まっています。今いるお客さんのことを考えれば、そして、このお店の歴史を考えれば、敢えて宣伝する必要もない。ネットに書かれる必要性もない。今いるお客さんを大切にすればそれでいい。従来のお客さんを大切にする心が、「撮影拒否」につながっているのであれば、それはそれで素敵かな、とも思うのです。(ただし、これは「強者の論理」でもあります。強ければ、強く出られる、という意味で)
また、今の自分自身が写真に頼り過ぎていることにも気づかされました。言葉で表現することを、どこかで怠っていた気がします。写真がダメなら、言葉で表現すればいいわけですからね。ただ、写真って、一発で人にその存在を示すことができますからね。そういう武器が撮られるのは、ブロガーとしては辛いですね。…
PS
千葉拉麺通信の記事によれば、こちらの八重原店の方(息子さん?)が八丁堀で「元祖九州ラーメン日吉」という名でお店を営んでいたようです。ですが、残念ながら、既に閉店となっています。
千葉拉麺通信
http://www.chibaraumen.com/report/hiyoshio.html
閉店情報
http://lunchbook.jp/dish/no501/index.html
で、この八丁堀で出されていたラーメン(ちゃんぽん)には、なぜか「ウスターソース」がセットで出されていたようなのです。つまり、ソース豚骨ラーメン?というようなラーメンが出されていたみたいなのです。らんちばさん、気になるでしょ?!
http://r.tabelog.com/tokyo/A1302/A130203/13048161/dtlrvwlst/560228/
それから、これは謎・未確認なのですが、現在の日吉八重原店の店主さんは結構お若いです。僕のお父さんくらい? とすると、その八丁堀にいた方が今、こちらの厨房を担っている、という可能性もありますよね。都内で厳しい荒波に揉まれた後に、こちらのお店を継いだ、ということなのかな? よく分からないです。
ただ、店主さんには触れてはいけないオーラみたいなのがありました。でも、だからこそ、いつかお話を聴かせてもらいたいです。気になる店主さんでした。