ある一つのことを追及していくと、どんどんマニアックな方向に進んでいきます。それと同時に、存在しているのかどうかも分からないお店が気になったりもしてきます。花見川区のラーメンを調べていたら、「ラーメン茸屋」なるお店があることが分かりました。
場所的には、かなりど・マニアックです。こんなところにラーメン屋さんが存在するのか?!というくらいに奥まった場所にあります。国道16号線から一つ小さい道を行き、さらに、その小さい道を曲り、さらに道を行き、さらにその先の道を曲り… 当然最寄り駅はなし。アクセスが困難な場所にありました。らんちばさんに分かるように書けば、「牛すじラーメン一茶」の裏通りと言えば、一発かな?! とにかく場所的に極めてマニアックです★
「いったい、本当に、こんなところにラーメン屋さんがあるのか?」
と、不安に思いつつも、いざ道を進むと、、、
ありました!!!
赤い看板に、「ラーメン 餃子 茸屋」という文字が書いてあるじゃないですか。
もうこの時点で、興奮MAXですよ。おお!こりゃ、世紀の大発見だ!、と。けれど、愛車でお店に近づくと、営業している雰囲気じゃないんです。入口がない。ぱっと見ただけで、営業している「空気」じゃないんですよ。看板はわりと新しいのに、、、
とりあえず、来たってことで、写真を撮って帰ろうか、と思ったら、中から少し高齢の女性が出てきました。写真を撮っている僕が怪しかったのでしょう。そりゃ、怪しいですよ。人の家の写真を撮っているんですから。
で、とりあえず自分がラーメンフリーク(いや、ラーメン探検家!)だと伝え、お話を聞かせてもらいました。他じゃ聞けないような話がいっぱい(笑)。
こちらのお店は、数年前に、ご主人が他界し、閉店したようです。もともとは(この界隈で「ラーメンストリート」と呼ばれる)通り(国道16号、千葉北警察署交差点から三角町までの通り)で営業されていたそうです。ですが、体の調子が悪化し、まともに営業を続けることができなくなったんだそうです。ですが、ご主人さんは根っからのラーメン好き。最後の夢として、この場所に、(お客さんが来ないことを前提としつつも)このお店を建てたんだそうです。「最後に、旦那の希望を叶えてあげようとおもって…」というおばちゃんの言葉が胸に響きました。
どんなラーメンを出していたのか、と尋ねると、「毎日食べれて、みんなが知っている、昔ながらの中華そばよ」、と答えてくれました。うわー、それって、気になるじゃないですかー。さらに、つっこんで聞くと、なんとなんと、ご主人さんは、もともとも餃子づくりの職人さんで、ラーメン好きということもあり、千葉駅前に君臨していた今は無き「らーめん八海」で修行されたんだそうです。
http://gourmet.walkerplus.com/134442125001/
八海という名前を聞いて、僕は震えあがりましたよ。こうやって千葉のラーメンを食べまくっていると、いたるところで、「八海のラーメンが好きだった」という声が聞こえてくるのです。千葉のラーメン屋さんの中で、この八海の味に惚れて、ラーメン屋さんを始めた人って、実はかなり多いようにも思えてきました。千葉の名店中の名店は、実は八海だったのでは?と思うくらいに。ま、人数的になりたけとかには敵わないとは思いますが、地味に八海ファンって多かったんだなぁ、と再認識しました。
さらに、店名についてですが、このお店のご主人のご両親が戦前~戦中にマッシュルームを作っていたんですって。それで、屋号がこの茸屋という名だったんだそうです。なので、このお店の名は、ご主人さんならではのものだったんですね。残念ながら、ラーメンにマッシュルームはのってなかったみたいですが、、、 でも、きのこラーメンはあったんじゃないかなー。なかったのかなー。聞きそびれました。
と、そんな話で盛り上がっていると、「今、きゅうりとかトマトとかしそとか、育てているのよ。見ていく?」、と言われ、見せて頂きました。きゅうりの赤ちゃんを見て、感動しましたね。あんなにきゅうりの赤ちゃんってかわいいんだって。
素敵な時間をありがとうございました。
こちらがきゅうりですね。赤ちゃんがいっぱいでした。
手前にあるのが、バジルとシソ。なんか、いいなぁって思いました。自分もいつか、菜園をやりたいなって思えてきました。いつか。
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新しいお店や面白いお店をまわるのも楽しいですが、こういう「今は無きお店」に行くのも、実はフリーク的な楽しみだったりもします。閉店しているお店も、かつてはラーメンを出していたわけですからね。「どんなラーメンだったのだろう」、と想像するのも楽しいものです。
ラーメンって、ホント、奥が深いなぁと思う一日でした!