2023年最初の惡麺友コンビのショートサーキット。
その二軒目に来たお店は、もう「とんでもないお店」でした。
多分、ラーメン王国日本にあって、唯一無二、しかも時代を超越したお店だと思います。
思想的というか、異次元的というか、未来的というか、宗教的というか…
これまでのラーメンの常識が一切通じないお店なんです!
…
そのお店の名は、
富津短麺 飯蔵
であります!
その名の通り、富津エリアに登場したラーメン?短麺?のお店です。
もう、ここは何から何まで究極的過ぎるので、その点は注意して、以下をお読みください。
まず、お店の場所がぶっとんでいます。
この写真から分かるように、普通のただの住宅街の一角にあります。
ここはどこ? わたしはだれ?っていうレベルです。
メイン通りに沿ってませんし、路地を何回か右へ左へと曲がらないと到着しません。
つまりは、「偶然見つけること」はほぼ不可能なお店なんです。
住民以外は、誰も通ることも歩くこともない道の途中に…
お店の看板と、このメニュー表が「目印」になるかな?!
これが、異次元のラーメン?店「飯蔵」の現在のラインナップです。
2023年秋・冬メニューとなっているので、季節ごとにメニューが変わるのかな?
で、ここは「田舎のヴィーガン」がコンセプトのお店だと分かります。
ヴィーガンというのは、ベジタリアンよりもっと厳しい「完全菜食主義者」のこと。
つまりは、ありとあらゆる動物性食材を排除したラーメン(=短麺)を出すお店なんです。
ベジタリアンは、鶏等の「卵」や牛等から作られる「乳製品」まで否定しないのですが、ヴィーガンは、それすら否定します。あらゆる動物由来のものを排除して、完全に「野菜類のみ」で生きる人たちなんです。
世界のラーメン店では、既に「ベジタリアン・ヴィーガン用のラーメン」って提供されていますが、日本では、ほぼほぼ見ませんし、都内とかではあるにはあるけど、ほとんど話題になりません。
お店自体、住宅街の一角にある普通の一軒家なんです。
なので、お店に入る、というより、誰かの家にやってきた感が強いです。
ホントに入っていいのかな?!
でも、ここは勇気を出して入りましょう🎵
玄関に入ると、こんな感じになっています。
「旬を求め 火を操り 味を磨く 飯蔵」
って書いてあります。
なんか、すごく思想的というか、仏教的というか…
独特な世界観が色濃く出たお店だと分かるかなと思います。
で、店内(家の中)に入ると、まさに「リビングとダイニングの空間」でありました。
本当に、普通の民家なんですもん、、、💦💦
でも、こういうお店、他になくはないですよね。
どの都道府県であっても、こういう「民家型」のラーメン屋さんはあります。
驚くのは、ここからです。
現在の飯蔵のラインナップです。
店主さんに聴くと、「ガーリックジンジャー短麺」が基本らしいです。
二つ目に来るのが、「ソース焼きそば」っていうのも凄いな、、、
こちらが、イメージ写真ですね。
いや~、これは、困るな。悩むな。どうしよう、、、
らんちばさんも僕も、めちゃめちゃ悩みました。
悩んでいると、店主さんが近づいてきて、色々とお話も聴かせてもらえました。
こちらの店主さんは、もうなんていうか、「芸術家」?「思想家」?「教祖様」?、あるいは、(美味しんぼの)「海原雄山」?!?!っていう感じ、ですかね。途中からは、海原さんにしか見えなくなってきました(💦)
「現代の人々は、『旨み』に支配されている。『旨み』は、人間の身体を蝕む。これからの時代は、『旨み』ではなく、私の提唱する『淡み』の時代に入る。あなたたちは、『淡み』を感じることができるかな?(ニヤリ)」
みたいな(一部加工しています…苦笑)
えええ?? これって、われわれ、試されている?!?!💦
旨みではなくて、淡(あわ)み???
更には、「わたしたちの世界には、添加物や不純物がいっぱいある。それを可能な限り、取り除いて、料理を創ることもとても大事なことである。われわれの舌は、化学調味料や添加物に支配されている。それを変えていかなければ、日本の、世界の、いや、地球の未来はないはずだ。環境汚染もますますひどくなっている。われわれの食文化を変えないかぎり、この地球に未来はない。だから、「20年後のラーメン」を創ったのだ」、と。
そんなこんなで、生まれた「20年後のラーメン」というコンセプト。
ここには、「誰もが安心して食べられるラーメンを追求する」とあります。
僕もらんちばさんも、店主さんから、ほぼ同じことを聞かせていただきました。
こちらに、ラーメン(短麺)が運ばれてくるわけですが、、、
なんとなんと、こちらのお店には「お箸」がないのです。
お箸、特に割りばしというのは、環境に負荷をかけるものです(と考えることができます)。
お箸がなくても食べられるラーメンを作りたい、そんな願いもあるんですね。
…お箸のないラーメン屋さん、、、
これもまた、前代未聞でありましょう。
…
さて、いったい、飯蔵、どんな味のラーメン(短麺)を出してくるのでしょうか?!
まずは、一番定番と思われる、、、
ジャジャーン!!!
ガーリックジンジャー短麺
です!!
おお、これはとても美しいヴィジュアルの一杯であります。
澄んだ透明なスープに、スライスにんにくがいっぱい浮いています。
あとは、ネギと糸唐辛子のみ、というシンプルな構成。
この辺も、「ヴィーガン思想」が散りばめられているような…?!
しかし、このヴィジュアルからだと、いったいどんな味なのか、全く見当がつかない…
zoom up!
もう、兎にも角にもスープを飲んでみなければ…
澄んだ透明なスープを飲むと、、、
「へ?!… これはいったい?!?!…」
まるできつねにつままれたような気持ちになりました。
「あ、あ、味が、、、『無い』?!?!?!😨」
これまで、数えきれないほどのラーメンを食べてきましたが、こんなに「味」を感じないスープは初めてかもしれません。
そうか、これが「旨みに支配されている現代人の味覚」ってやつなのか?!?!💦
動物性の旨みやコクは一切入ってなくて、更には油分もほとんどないんです。
化学調味料や、おそらく(化学的な)食塩(塩化ナトリウム)もかなり抑えられています。
出汁には、昆布が使われているとありましたが、それもかなり薄めに設定されているのかな?
とにかく、スープからあらゆる「旨み」を排した味、つまり「淡み」の味世界…。
きっと「薄い」と言ったら、店主さんに怒られるのでしょう(苦笑)。
これは「淡み」である、と。
それが分からないのは、あなたが、あなたの舌が「旨み」に支配されているからだ!、と。
うおおお~~、、、これはまさに「現代批評」の一杯になっている!!!Σ(・□・;)
濃い味に慣れ、しょっぱいスープに慣れ、油たっぷりの出汁に慣れ…
そういう味を「旨い!」と呼ぶのなら、それは「淡みの世界」の美味しさではないんです。
巷では「淡麗系」と呼ばれているものも、結局は「淡みの世界」の味=美味ではない。
本当に「淡麗系」を極めるなら、「淡み」そのものを極めていくべきなのではないか!?
そんな、店主さんの「問題提起」が感じ取れるスープの味わいになっています。
イマドキのラーメン店のスープには、少し度を越えた量の(主に動物系の)素材が使われています。白く濁らせないから、それでも、「淡麗系」と言いますが、その淡麗系とて、とんでもない量の食材が(無駄に…とは言いませんが)使われているわけです。そこまでしなければ、現代のお客さんは「旨い!」とは言ってくれないわけです。
こちらの店主さんの目線で言えば、「それ、これからもずっと続けるの? 続けられるの? 環境負荷のことを考えている? 使われている食材の命のことを考えている? 僕らはそこまで度を越えた贅沢をし続けていていいの?」、といった感じになるでしょうか?!
20年後の世界から「今」の世界を見た時に、この今のラーメン界ってどう見えるのでしょうか?!
日本も今後、経済的にランキングを落としていき、若者は増えずに3人に1人が高齢者の国になります。海外から食材を買う力を失い、且つ、国内の食料自給率もどんどん落ちていくとも言われています。
食べるものがなくなった時、僕らは、今感じる「旨い」を維持できるのでしょうか?
「旨いラーメン」が不可能になった時に、おそらく登場するのがこの「淡いラーメン」なのかもしれません。
けど、これを「美味い」と感じるかどうか、、、
ただ、これを食べていて、「罪悪感」は一切感じません。「安心」はたしかに感じます。
麺はこんな感じです。
蓮華だけで食べられるよう、麺は短くカットされています。
その長さは、あの白石のうーめんの半分くらいの長さ、4cmくらいになっています。
これは、かなり短い麺になっています。
また、グルテンフリーの麺で、黄えんどう豆の粉から作られた麺になっています。
糖質も極限まで抑えているみたいです。
食感的には、これは「パスタ」に近い感じかなぁって思いました。
蓮華で麺をすくうと、本当に蓮華に乗っかるんです。
これには、結構驚きましたね~Σ(・□・;)
小麦粉は一切使われてないのかな? なんか不思議な感じでした。
スープも奇想天外ですし、麺も常識を超えた麺になっています。
(いくら食べても、「味」という「味」はほとんど感じられません)
そこで、登場するのが、こちら!
GABANのホワイトペッパーと、S&Bの辣油です!!
この二つを入れれば、少しは「味」を感じられるのではないか?!、と。
ホワイトペッパーを入れると、、、
それなりにピリピリっとしたスープに変わります。
が、それでも、ここの短麺、あまり味に変化が出てきません。
これは、(ある意味で)かなりがんこなスープだぞ、、、
そこに、さらに辣油を加えるんですが、それでも、味はやっぱり変わらない…。
うおおお、、やはり、動物系の出汁や塩分や油分(香味油等)がないと…
僕の「駄舌」には、まだまだまだまだ「淡み」は理解できないようであります(涙)💦
店主さんが提唱する「淡み」、これを理解できる人はいるのでしょうか?! いたら、是非会ってみたいですね。きっと、厳しい修行や訓練を経て、感じるようになるのだろう、と思ったりもします。
…
そしてそして、、、
ジャジャーン!!
麻婆豆腐短麺
です!!
こちらは主にらんちばさんが食べました。
なので、らんちばさんのブログを見て、どんな感想をもったのか知ろうとしたら…
なんとなんとなんと、、、
写真はあるけど、文章が「ない」!!!!!Σ( ̄ロ ̄lll)!
こんなことって、これまでの18年の間に一度でもあったでしょうか?!
らんちばさんも、ここの短麺については、書けなかったのか? あえて書かなかったのか?!
あのらんちばさんをも沈黙させる「短麺」、恐るべし…。
zoom up!
僕も、この麻婆豆腐短麺、少し頂きました。
味わった感想としては、、、
「これまで食べてきた麻婆豆腐とは全く違う味の麻婆豆腐のラーメンだ…」
って感じですかね。
これを麻婆豆腐と呼んでよいのかも、もはや分からないっす…💦
しかも、この麻婆豆腐に使われている「挽き肉」は、鶏や豚や牛のお肉ではなく、「大豆ミート」なんです。
これ、うちにもあります!
大豆から作られる「お肉」のような代替品…って言っていいのかな。
食べた感じとしては、たしかに「お肉!」って感じはしなくもないですね。
ただ、やっぱり、通常の「挽き肉」のようなワイルドさはなくて、、、
いや~、この麻婆豆腐短麺もまた、すごく「淡み」を感じる味わいでしたね。
ん? なんか、淡みって言葉が使えるようになってきた?!?!(苦笑)
ものすごくライトでやさしくて淡くて無刺激的な味わい。
「旨さ」の追求をやめて、「誰もが安心して食べられる味」を追求する。
たしかに、この味なら、誰もが「安心」できる気はしますね👆
ラーメン類を食べると、「ああ、食べちゃった」「ああ、完飲完食しちゃった…」って、ちょっと後悔するんですよね。後悔というか、罪悪感?? 「塩分の取り過ぎだ‥」「油を取り過ぎた」、「また太ってしまう」、「大丈夫だろうか」…みたいな。そういう罪悪感や不安を一切感じさせない、という意味では、この「味」にも価値や意味があるのかも。
お豆腐の方は、うん、しっかりとしたお豆腐でしたね👆
ただ、化学調味料や添加物等を一切使っていないので、味は弱めです。
山椒とか辣油の刺激は、若干、デフォで入っていたような気がします。
麺は、上のガーリックジンジャー短麺のと同じかな?!
長さ4cmほどの、パスタみたいな食感のグルテンフリーの麺です。
この麺も、炭水化物やかんすいの取り過ぎを心配しなくていい麺、ですね。
そっか、、、
ここの短麺って、ラーメンを食べる時に感じる「不安」を一切感じさせないんだ…。
ここに来たら、「また、ラーメン、食べちゃった…」っていう気持ちにならないんだ。
誰もが安心して食べられるラーメン、それがここの「短麺」なんだ…!!
…
うーん、なんか考えさせられたなぁ…。
僕もずっと、「ラーメンは体に悪いし、健康を気にしてたら、ラーメンなんて食べてられない。身体を犠牲にして食べるもんなんだ」って、どこかで思ってた気がします。
僕自身の中にも、「ラーメン=体に悪い」っていう思想?が根づいていて…。
でも、ここのお店は、「keiくんよ、それでいいのか?」って迫ってくる感じがして。
だけど、「味」として考えると、「旨み」が「ない」というのは、ちょっと辛い…😿
食べるなら、やっぱり「旨い!」って叫べるようなラーメンが食べたい。
でも、その「旨み」それ自体が、そもそも問題があるんだよ、って。
旨いものと、身体に良いものって、やっぱり同時に成立しないものなんだろうか…。
嗚呼、分からない、、、( ;∀;)
***
というわけで、、、
富津に登場したミステリアス過ぎる新店『富津短麺飯蔵』の初レポでした。
ここのラーメン(短麺)を、どう評価すればよいのか。
らんちばさんでさえ、「言葉」で語るのをやめたくらいですからね(苦笑)。
これを、全国のブロガーさんや評論家やインフルエンサーの人たちがどう「言葉」にするのか。
すごく興味があります。
これを「美味しい!」と叫ぶのか、それとも、「コメントは差し控えます」になるのか。
はたまた、「これは、新しい味「淡み」を実現した究極のラーメンだ!」ってなるのか。
…
食べ終わった後、店主さんと色々とお話をしました。
「どうでしたか?」と問われ、僕は素直に、「海外のラーメンを感じる味わい」と答えました。
海外のラーメンの食べ歩きをすれば、たまに、これくらい「淡い味」のラーメンに出会えます。
日本では、まず、こういう味のラーメンは、ないかなぁって思いますね。
そうしたら、店主さんもかつて香港に3年ほどいたんですって!!
そうか、やっぱり、これ、グローバルな視点でのアプローチだったんだ…って。
日本のラーメンしか知らない人だと、「なんだ、これ?!」ってなりそうですが…
でも、店主さんの頭の中には、「海外進出」も念頭にありそうな感じでした。
この富津の、しかも住宅街の中で、この短麺が話題になり、ヒットしたら、きっと世界でも勝負できることでしょう。
その辺のことも、しっかりと考えておられるようでした。
店主さんは、御年70歳。
この御年で、富津というローカルな町で、新たなお店をスタートさせるって…
これ、考えたら、凄いことじゃないですか??
70歳にして、新たな場所で、新たな味で、新たな挑戦を試みる…
これに、らんちばさんもすごく感動しているようでした(#^.^#)。
そういう意味でも、ここにらんちばさんと一緒に来れてよかったかな?!
個人的には…、もう少し出汁の旨み(昆布の風味とか、塩の塩味とか)を強めてくれると嬉しいかなって思いました。基本的に「ヴィーガン用のラーメン」は、僕も支持しています。
問題は、そのヴィーガン用のラーメンそのものに、人が感動できるかどうか、だと思います。
今後、どうなっていくのでしょうか?!?!
>前に「日本科学未来館」で近未来的な牛肉なしの「牛丼」を食べました!
店主の加藤さんの経歴は、かなり凄いです。
きっと、普通に「旨い料理」は余裕で作れるんだと思います。
それを敢えて封印して、「淡みのある味」をクリエイトしようとしているんだと思います。
日本庭園風のお庭も必見です!!
ホント、なんか哲学的というか、思想的な感じがしますね~。
場所はこんな感じです!
君津と大貫のちょうどあいだくらいのところかな?!
車じゃないとちょっと難しい場所かな?!
でも、是非是非、この摩訶不思議で世にも奇妙な「短麺」、味わって頂きたいですね。
旨みではない、淡みを感じる20年後のラーメンの味世界、
みなさんは、これをどうジャッジしますか?!?!✨
…
ヴィーガンヌードルももう登場しています!
これ、ちょっと試してみようかな…。
ビーガン餃子も登場していますね!
ヴィーガン用の味覇もあるんですね!!
ヴィーガン用の「つゆの素」もあるんですね!(これなら、美味しいスープも作れる?!)
これも試してみたいな。どんな味がするんだろ…