1時間8分という信じられないタイムでスイムアップしたものの、
トランジットエリアで費やした時間は長かった。
なにしろトランジットでウェットを脱ぐ作業をするのは実に15年ぶりで、
手際の悪いこと・・・。
おまけに平衡感覚がなく、よろけて隣の選手に倒れ掛かってしまうありさま。
結局バイクスタートまで5分を要す。
それでもバイクに乗ってからは突っ込んで踏み込み続け、
HR145-150と練習ではありえない追い込みで20km地点の最初の折り返しまで飛ばす。
約30人をパスし、この時点で順位を確認すると120位前後。
すでにほぼ一人旅だ。
50km地点の折り返しでは95位程度、ここからは選手の数も少なく、
たまに一人抜いたり抜かれたりで順位はほとんど変わらない。
この頃から腰が痛み始め、終盤の失速の一因となる。
二周目に入って、6人のパックに抜かれた。
あたかも当然のようにピッタリと付いた、悪質なドラフティングだ。
後ろに付いて7m空けても35km/h程度の巡航だと明らかに楽で、
間が詰まってしまう。
やむなく「プロ規定」の10m以上を空けて先に行かせることに。
こんなところでペースを乱されるのは本当に腹が立つ。
その中で一人だけ僕と同じように「ドラフティングフリー」で走っていた
日本人らしき若者と、抜きつ抜かれつしばらくランデブー。
「やつらに付いて行かなかったキミは本当に偉い」と、
真剣に声を掛けてやりたくなった。
そして運命の120km地点。
その時若者の前を走っていた僕は、誘導員の指示通りに右折し、
腰を伸ばすため、ゆるやかな登りをダンシングで登る。
一瞬「こんなところ曲がったかな?」と思い、
後ろから何か声が聞こえたような気がしたものの、
基本的には何の疑いもなし。
この時後ろを振り返っていたら、展開は大きく違っていたはず・・・。
(フィニッシュ後この若者(ホリエくんといいます)が僕のもとへ来てくれて、
実際その時声をかけてくれたとのこと)
悔やんでも悔やみきれない痛恨の不運だった。
何となく様子が変だと思ったのは2km程度走ったあたり。
交通規制のためクルマは走っていないものの、赤いコーンや
係員、レース表示が全く無い。
そこで初めて後ろを振り向いてペダルを止めると、誰もいない。
「やってしまった」
一瞬頭の中が真っ白に。
慌てるというより「間違いであって欲しい」との想いから
折り返してゆっくりと、あたりの様子を伺いながら走る。
誰もいない・・・。
この時の時間はとてつもなく長く思えた。
やがてバイクの流れが見えてくると、泣きたくなるほどの安堵感。
しかしコースに戻ると、そこはもうバイクだらけ。
スタート直後に抜いたはずの選手に軽くパスされる。
気持ちが切れるとこんなにもペースが落ちるものなのか・・・。
エイジチャンプと10時間カットは諦め、ハワイスロットのみのターゲットを
余儀なくされる。
それにしても今回のレース、ドラフティングがひどかった。
マーシャルも全く見かけなかったし、やりたい放題。
その後も二つほどのドラフティング集団に抜かれ、
そのうちの一つの最後尾で脚を休め、余裕でストレッチをしていた
白人のゼッケンは、僕と同じエイジだった・・・。
この時点でレースへの執着は完全になくなり、
無難にフィニッシュすることを心がける。
終盤は腰痛がひどく、脚も残っていない。
気持ち以前に、やはりバイクの地力が不足しているのは明らか。
ハワイに向けてもう少し乗り込まなければ、10時間の壁は高いままだ・・・。
バイクパートのGARMIN↓
http://connect.garmin.com/activity/96770960
地図中央の"sangchang-ri"のあたりで上にピュっと伸びたヒゲのような線が
ミスコースしたところ。
120km以降のHRが下がり、負荷が落ちているのがよくわかる。
ランパートへ続く・・・。
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