Prologue to 'orango: Symphony No. 4 | |
Esa-Pekka Salonen Losangeles Philharmonic | |
Deutsche Grammophon |
これまた珍しいショスタコーヴィチの未完オペラ『オランゴ』を世界初演&初録音したCDがリリースされたので、思わず衝動買い!2枚組で1枚目は歌劇『オランゴ』-プロローグ-30分弱ですが、若きショスタコの特長を捉えた作品になっております。まぁ、実際に編曲はジェラルド・マクバーニーがショスタコ未亡人のイリーナに委嘱されたらしく、バレエ音楽『ボルト』からの流用などもありますが、実際にこれはショスタコのピアノスケッチにあったので、マクバーニーは忠実に復元版を再構成したようですね。これを2011年12月、エサ=ペッカ・サロネン指揮のロサンゼルス・フィルが世界初演したものを録音したのが本CD。個人的には1930年に初演されたオペラ『鼻』の方が前衛的なショスタコが堪能できて傑作だとは思いますが……。
2枚目には、こちらも問題作となってお蔵入りになった「交響曲第4番」。サロネンは、第1楽章から淡々とやや早めのテンポで曲を進めていきますねー。よく言えば小気味良いですが、淡々とし過ぎと言えなくもない。ただ、要所要所では緩急を付けての演奏はさすがですが、個人的にはヤンソンス盤と似ているような気もすんですけど、この辺はもう少しよく聞き比べないといけませんねww。まぁ、いずれにせよショスタコ交響曲の最高傑作であることは間違いありません。
サロネンは現代音楽を意欲的に取り上げているので、今回のこの未完オペラ初演についても前向きに評価していいでしょう。☆☆☆☆差し上げておきましょう!
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【オランゴ】
『オランゴ』は十月革命から15周年を記念して1932年に委嘱されたオペラ。オランゴとはオランウータンからの造語で、半分人間で半分猿という奇妙な存在。内容は風刺物の喜歌劇ですが、いろいろと問題のある内容だったため、作品は完成に至らなかったというものです。
しかし、2004年にモスクワで「プロローグ」のピアノ・スコアが発見されるとにわかに注目が集まり、ショスタコーヴィチ未亡人の希望によって、すでにショスタコ作品で実績のあったジェラード・マクバーニーがオーケストレーションを敢行、サロネン指揮ロサンジェルス・フィルの演奏会で世界初演される運びとなりました。
【収録トラック】
1. ショスタコーヴィチ/マクバーニー編:歌劇『オランゴ』~プロローグ(世界初演)
2. ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調 op.43
ライアン・マッキニー(興行主、バス・バリトン)ジョルダン・ビッシュ(群衆、バス)マイケル・ファビアーノ(動物学者、テノール)ユージン・ブランコヴォーヌ(オランゴ、バリトン)ユリア・フォン・ドレン(外国人の女)ティムール・ベクボズノフ(ジャーナリスト)アブディエル・ゴンザレス(胎生学者)アドリアーナ・マンフレーディ(胎生学者の娘ルネ、アルト)、他
ロサンゼルス・マスター・コラール、エサ=ペッカ・サロネン指揮、ロサンゼルス・フィルハーモニック
録音時期:2011年12月、録音場所:ロサンジェルス、ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール、録音方式:デジタル(ライヴ)
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