1990年(平成2年)に北電子から登場した2-2号機「ガリバースペシャル」。
(モンスターガリバースペシャル)
通称、ガリスぺ(笑)。正直、あまりカッコいい響きではない。
キタックの代名詞「ジャグラーシリーズ」…実は、ジャグラーの赤7絵柄に刻まれた「星模様」を、同社で初めて採用したのが、ガリスぺであった。
北電子の7といえば、きらりと光る十字星。ガリスぺが元祖である。
当時、本機を設置している店は非常に限られており、前身機の2-1号機「ガリバー」(又は改修機「ガリバー2」)と比較すると、かなりのマイナー台という事になろう。
しかし、個人的には当時通った2軒のホールに設置があり、割と馴染みのあった一台である。
因みにそのホールとは、新宿・歌舞伎町コマ劇前(当時)の「オデヲン」と、川崎・向ヶ丘遊園駅そばの「ぱちんこ遊園」の2軒である。
在りし日の新宿「パーラー・オデヲン」(1991年当時)…現・「オリエン○ルパサージュ新宿」
オデヲンは、正面入口に「PARLOR」という大きなロゴ看板を掲げていた。その為、この店の名前を「PARLOR(パーラー)」だと勘違いする客もいたようだ。
新宿オデヲンは、外観はいかにも「繁華街の大型ホール」という風情だったが、黄色い裸電球の呼び出しランプなど、古臭い昭和の雰囲気も随所に醸し出していた。3号機時代、アラジン2やスーパープラネットが設置されていた右側のスロットコーナーはいつも満席だった。
一方、ぱちんこ遊園は、商業ビルの2Fの一角でヒッソリ営業する、地元密着型の小店であった。この「遊園」には、ガリバースペシャル以外にも、1・5号機の「ニューキャスター2」や2号機の「ガリバー2」、そして3号機の「スーパーコップ」など、他では打てないような北電子のレア台が、長きにわたって置いてあった。
さて、このガリバースペシャル、先輩格のガリバーが集中役の体感器攻略を受けた事もあって、あまり派手さのない、非常にマイルドなスペックへとトーンダウンしていた。
ガリバーが、ビッグ・レギュラー共に各設定共通の低確率(約1/350)に抑えられていたのに対し、ガリスぺは両ボーナス確率を甘くして設定差をつける事で、BR主体のゲーム性へと変わったのだ。
逆に、一獲千金型の集中機ガリバーでは最も重要だった集中役「JACパニック」については、同じA-C機のガリスぺでは、「突入し辛く、パンクし易い」という、単なる脇役へと成り下がってしまった。
そんな訳で、出玉的には、「これ」といったウリのない機種ではあったが…
パネルに描かれた帆船の洒落たデザインや、ガリバー同様にベットボタンの代わりに採用されたベットレバー、そして後継機「アポロン」でお馴染みの「チェリー頭のリーチ目」など、随所にマニアの心をくすぐる要素が鏤められていた。先述した星模様入りの赤7や、レギュラーボーナスの青いフラッグ、そしてシングル絵柄の$袋など、リール絵柄にも何とも言えぬ独特の味があった。
もしかすると、後に出た初期4号機「キングオブカリブ」のパネルデザインは、このガリスぺが元となっていた可能性もあるが…今となっては、事の真相を語る者は、誰もいないだろう。
それはともかく、いくら当時接していた台でも、既に打ち納めから20年も経っており、通常時やボーナスのサウンドなど、かなり印象が薄れているのが事実である。この不遇の名機「ガリスぺ」と、いつの日か懐かしの再会を果たし、かつての記憶を鮮明に呼び覚ましたいものである。
※ガリバースペシャルとパチスロ必勝ガイドの人気キャラ「負男」が、かつて壮絶な戦いを繰り広げた事がある。私は、偶然その場面に立ち会ったのだが、詳細はこちらをご覧頂きたい。