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ホットライン(高尾、一発台)

2012-03-04 01:27:36 | 一発台

(知られざる名機シリーズ)

平成初期の一発台「ホットライン」(高尾)。

当時、豊丸の一発台「ホットラインP2」は比較的出回っており、情報量もそれなりに多い。

しかし、本機に関する情報は極めて少ない。相当なマイナー機だったと思われる。

私も、実機の経験は全くない。詳細なゲーム性を語れないのが残念だ。

ただ、独特な盤面をじっと見ていると、「どうやって定量まで持っていくのか?」という探究心が沸いてくるのも事実だ。

そこで、盤面及び当方所持の数少ない文献から、一発調整された本機のゲーム性を考えてみたい。


 

当時の文献によれば、「天下チューリップへの入賞」が大当りの要件とある。

豊丸「ホットラインP2」の大当り穴も同じ箇所にあるので、これは間違いないだろう。

(天下部分。ブッコミ狙い等で、矢印のルートで入賞すると、チューリップが開放する。ゲージを見れば、ここへの入賞が困難なのは、一目瞭然だ。釘次第で、右サイド狙いも有効か。)

 

次に、大当り後の出玉の増やし方について。

文献には、「天下チューリップ入賞により、盤面左右の袖チューリップも開放する」とある。

そして、この左右袖チューリップが、実質的な「権利チューリップ」となる訳だ。

一方、盤面下部に目を向けると、中央には一桁の7セグデジタル、その上にスタートチャッカー、そして、デジタルの下には「OPEN」と書かれたアタッカーが存在する。

スタートチャッカーAに入賞すると、その下のデジタルが回転する。ここに「3,5,7」のいずれかが出ると、権利発生となる。

その後は、アタッカー脇のBまたはCへの入賞で、アタッカーが10秒または10個入賞まで開く。アタッカー開放の継続回数は、8回となっている。

大当りで左右の袖チューリップが開放すると、中央のチャッカーAに玉が流れ易くなり、デジタルが頻繁に回るようになる。そして、アタッカーの開放を繰り返して、出玉を増やす訳だ。

権利発生中に、デジタルが再度3,5,7で当ると権利は消滅する。しかし、袖チューリップさえ開放していれば、デジタルは何度でも回るので問題ない。後は、予定数終了までひたすらデジタルを回し、アタッカーを開放させ続ける。

こうしてみると、本機は一発台ではあるが、かなり権利物的な要素が強い事が判る。


 

と、ここまでは、ほとんど文献の受け売りで説明して来たが…

私が疑問なのは、盤面画像を見る限りでは、左右の袖チューリップが、中央のチャッカーAに玉を導くゲージ構成には見えない事だ。

もちろん、一発台調整の場合、画像のようなノーマル調整とは異なり、要所の釘が大きくひん曲げられていた筈である。

ただ、それを加味しても、袖チューリップが中央チャッカーに玉を導くには、元の釘配列に若干の無理があるような…。

まぁ、その辺りは、実際の釘調整を見ていないので、何とも言えない。

ホールで「芸術的」な調整が施されていた可能性も、大いにある。

ただ、「ひょっとして、正しい出玉の稼ぎ方が他にあるのでは?」とも思ってしまう。

そこで盤面を良く見ると、左右の袖チューリップの下方にも、7セグデジタルとスタートチャッカーが存在する事に気づく(下画像を参照)。

(円で囲った両サイド部分にも、デジタルとスタートチャッカーがあるのがお判りだろうか。)

 

なるほど、こちらは、袖チューリップとスタートチャッカーの位置関係も、かなり良い感じだ。

大当り後の右打ちで、右の袖チューリップ外側に当った玉が、下のチャッカーに向かう釘調整も、十分可能ではないか。

そして、デジタルに「3,5,7」が出現したら、今度は中央アタッカーに玉が流れるように、通常打ちに戻す。右打ちと通常打ちを交互に切り替えて、出玉を増やすという具合だ。

或いは、右打ち後は、袖チュー下のスタートチャッカー入賞のみで、出玉を増やすのかも知れない。一発台としては、その方がむしろ自然なゲーム性とも思える。

もちろん、、左の袖チュー下のチャッカーを利用して、右打ち不要の釘調整も出来るだろう。ただ、その場合は、チャッカー入賞の為に、弱め打ちをする必要がありそうだ。


 

まぁ、こんな感じで、実機経験のない一発台の「未知なるゲーム性」を、あれこれ考えてみた訳だが…

本機を良く知る方からすれば、ここまで書いてきた内容は、非常に滑稽に見えるだろう。

しかし、こういった「妄想」も、レトロ台を楽しむ1つの方法とは言えないだろうか。

また、こうした記事が縁となって、本機に詳しい方による情報発信もあり得るので、決して無駄な試みではないと思う。


※釘師マンさん、一発調整に関する詳細なご説明、どうも有難うございます。文献通りのゲーム性(玉の流れ)で正しかったんですね。私も、あれこれと「妄想」した甲斐がありました(笑)。