1994年(平成6年)登場の現金機デジパチ「フルーツマシーン2A」(ニューギン)
★業界初のベルト式デジパチ「フルーツマシーン2」の改修版
⇒初代フルーツマシーン2は、ベルトの特許絡みの問題(これは表向きの理由と思われる…後述)で、登場後すぐに販売自粛(名古屋のニューギン直営店、埼玉の新規店など、数店舗のみ導入)。そのマイナーチェンジ版として、自粛後に再登場したのが本機である。
⇒以後、ベルトはニューギンの十八番となる。現金機「セブンショック」「マジックキャメル2A」「エキサイトバーン」、3回権利物「エキサイトコンバット」、CR機「CRフルーツカクテル3」「CR・G1」など。
★賞球:7&9&15、出玉2400個、大当り確率1/235(いずれも初代と同じ)
⇒初代のスペックを忠実に再現。ベルト停止順は左→右→中。ヘソチャッカーが二つ並んだ珍しい作り。大当り絵柄は3、5、7、BAR、チェリー、スイカ、JACKPOT、オレンジの8種類。ノーマル機にしては低確率だが、これには知られざる「理由」があった模様(後述)。
★多彩なリーチアクションで打ち手を魅了
⇒ベルトの俊敏な動きを最大限に活かした、8種類のリーチが存在。
(1)ノーマル…中ベルトが低速回転後に停止。
(2)ノーマル高速…中ベルトがスピードアップ、高速回転後にピタッと停止。
(3)ノーマル再始動A…中ベルトが当り絵柄の一コマ下で一旦停止後、一周して当る。
(4)ノーマル再始動B…中ベルトが当り絵柄の一コマ上で一旦停止後、一コマ滑って当る。
(5)スーパー…ノーマルの途中で音と光が派手に変化。中ベルトの動きは変わらず。
(6)スーパー再始動A…スーパー突入後、(3)の動きに発展。
(7)スーパー再始動B…スーパー突入後、(4)の動きに発展。
(8)ノーアクション…左&右ベルトがテンパイ後、リーチ発展せずに中ベルトがいきなり当り絵柄で停止。意表を突かれる当り方。
※信頼度100%のリーチは(3)(4)(6)(7)(8)。なお、初代の「一コマ戻りアクション」は受け継いでいない。また、本機のCR版ともいえる「CRフルーツカクテル3」では、ダブルリーチ時に確変絵柄で一旦停止後、再始動して通常絵柄で当る「格下げアクション」が存在した。
★連チャン性の謎
⇒「フルーツマシーン2A」は、連チャン性のないノーマル機である。しかし、ファンの間では一時期、「本機は数珠繋ぎ連チャン機ではないか」と噂された。攻略誌も「連チャン疑惑」を取り上げ、大々的に特集を組んだりもした。
⇒「パチンコ必勝ガイド」1995年5月20日号では、「盤面左上の風車ランプを断線する事で、ノーマルから数珠繋ぎ連チャン機に変容する」との読者情報を検証。プログラムに「大当り確率5倍アップモード」用の命令群が存在する事を確認したが、ランプ断線による連チャンは実証されなかった。
⇒続く「パチンコ必勝ガイド」1995年6月2日号では、フルーツマシーン2Aは「単なるノーマル機」と結論される。一方で、ホールに設置された「2A」には、なぜか風車ランプが断線されたものが多い事も指摘(但し、断線された台は連チャンせず)。また、連チャン用の記述がプログラム内にあるのに、実際には連チャンしないという、「2A」の奇妙なROM内容にも疑問を投げかけた。
以下は、記事を読んでの個人的な感想(推測)。
(A)初代フルーツマシーン2は、実は「隠れ連チャン機」ではなかったか。確率が1/235と低いのは、連チャンを前提にしていたとも考えられる。そして、連チャン性を持たせる為には、風車ランプの断線が不可欠だった…。この「怪しい」連チャン性能こそ、販売自粛の本当の理由ではないか。
(B)一方、改修機の「2A」(我々が当時打っていた方)では、連チャンに絡む本質的なプログラムは削除された。しかし、ROM内容を急場しのぎで変更した為に、初代のプログラムにあった「確率5倍アップモード」の部分だけが、誤って残ってしまった。
(C)初代⇒「2A」への改修が、実質的に「ROM内容の変更」とすると、盤面はともかく、基板や配線などのパーツについては、初代の在庫を流用した可能性が高い。実際、ホールに設置されていた「2A」の一部は、風車ランプが切られていたのだ。連チャン仕様にチューンナップした初代の在庫を、2Aに流用した事を裏付ける重要な証拠であろう。
(D)以上の事から、フルーツマシーン2Aは、初代から連チャン性を取り除いた「マイナーチェンジ版」のノーマル機である。
(E)なお、初代フルーツマシーン2の連チャン性を推測すると、確率5倍アップモードの存在からみて、モード移行で確率が5/235(=1/47)にアップする「数珠繋ぎ連チャン機」ではないか。
なお、繰り返すが、これはあくまで私の推測にすぎない。「2A」を解析したガイド誌の主張に沿ったものとはいえ、肝心の初代のROMが残っていない限り、真実は永遠に「闇の中」だ。