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http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/91a9a53ab551723fb3ec917b340de3f4
(リバティべルIVは、なぜ5ゲーム連チャンしたのか)
1990年(平成2年)登場の2-2号機「リバティベルIV」(ユニバーサル)
(オレンジパネル) (青パネル)
★ボーナス確率
BIG REG フルーツ
設定1 1/323 1/356 1/643
設定2 1/315 1/344 1/575
設定3 1/298 1/328 1/520
設定4 1/286 1/312 1/475
設定5 1/273 1/298 1/438
設定6 1/273 1/298 1/279
★2号機の特色である「小役の集中」(フルーツゲーム)を搭載しており、ビッグ確率は低めである。集中役に突入すると、60ゲームの間、8枚小役が毎プレイ3/4の高確率で揃い続ける。一回の集中での獲得コインは約180枚。当時のユニバ2-2号機「ピエロ3兄弟」(本機及びセンチュリー21、リバティベル3)で、フルーツ機能が付いていたのはリバ4だけである。
★魅惑の「5ゲーム連チャン」でスロッターを虜にした名機。初ボーナス終了から5ゲーム目に、あの独特な「うがい」のようなテンパイ音と共に、7がテンパイした時のアツさと言ったら…。虹色の7絵柄は、後に4号機「レインボークエスト」で復活。
★リーチ目のパターンはセンチュリー、リバ3とほぼ共通。7のテンパイ形が基本。
・7の上段テンパイ⇒左中段プラム付きは鉄板。左中段リンゴ付きはガセあり。但し、中リールが滑ってテンパイすれば鉄板。
・7の右下がりテンパイ⇒左中段プラム付きは鉄板。左中段リンゴ付きは、中リール中段7の上に、リールの切れ目がなければ鉄板。
・7の中段テンパイ⇒鉄板
・7の右上がりテンパイ⇒鉄板
・7の下段テンパイ⇒7の単独テンパイは鉄板。7とプラムとの同時テンパイは、単なる小役の場合もあり。
・左枠下7からのベル右上がり揃い(成立後のリーチ目)
⇒センチュリーやリバIIIとの違いは、7の下段単独テンパイが鉄板である事だ。
★本機の具体的な連チャンパターンは、以下の通り。
(1)ビッグ→(5G)ビッグ→(4G)集中(900枚)
(2)ビッグ→(5G)レギュラー→(4G)集中(630枚)
(3)レギュラー→(5G)ビッグ→(4G)集中(同)
(4)レギュラー→(5G)レギュラー→(4G)集中(360枚)
(5)ビッグ→(5G)ビッグ(720枚)
(6)ビッグ→(5G)レギュラー(450枚)
(7)レギュラー→(5G)ビッグ(同)
(8)レギュラー→(5G)レギュラー(180枚)
(9)ビッグ→(4G/9G)集中(540枚)
(10)レギュラー→(4G/9G)集中(260枚)
★一番嬉しいパターンは、やはり(1)の「B・B・F」である。当時、この形は「フルコース」と呼ばれ重宝された。逆に、バケ→バケのショボ連チャンは悲しかった…。
連チャンは最大で3連チャンで、3連目が必ずフルーツになるのが大きな特徴だ。もちろん、運が悪ければ「ボーナス単発」や「フルーツ単発」という事もある。
★(9)や(10)のような「ボーナス⇒フルーツ」の2連パターンの場合、連チャンのゲーム間隔が4ゲームと9ゲームの2種類あった事は、意外に知られていない。ボーナス後、フルーツが揃わず「単発かな?」と思っていたら、その数ゲーム後に小役が落ちだした…なんて時は、間違いなくフルーツの9ゲーム連チャンである(後述)。
★5G連チャン台の場合、ボーナス後のフルーツ抽選に漏れると、以後60プレイはボーナス・集中の無抽選ゾーンとなる。そのゾーンを一枚掛けする事で、コインを大幅に節約できた。
★「5ゲーム連チャンの謎」について
当時、リバティベル4が5ゲーム連チャンする事は、大抵のスロッターが知っていた。
ただ、連チャンする理由については、解析後も多くの謎が残っていた。
(1)ベル4のボーナス抽選方法は、一次抽選と二次抽選からなる「2段階抽選方式」。
・一次抽選の当選率⇒ボーナス=1/128、フルーツ=1/256(全設定共通)
・一次に当選すると、設定差のある二次抽選へと進む。BRの振り分けも、ここで行われる。二次抽選で外れれば、ボーナスやフルーツは成立しない。高設定ほど当選率は高く、特に設定6は、合成でのボーナス当選率89.84%、フルーツ当選率91.8%と「劇甘」である。設定6がストレートで大ハマりしにくいのは、その為だ。
・なお、一次・二次抽選に用いる乱数は、10種以上の乱数を複雑に加工して生成される。
(2)乱数生成にはRレジスタが使われ、基本的に「完全確率方式」プログラムといえる。よって、どうして規則的な「5ゲーム連」が起きるのか問題とされていた。
実は、プログラム内の「一次抽選用大当り判定パターン」の存在が、謎を解くカギであった。
(3)一次抽選のボーナス/フルーツ当選率は既述したが、ここで当選判定に使われる乱数パターンは一つではなく、以下の4パターンが存在した。
・パターンA…ボーナス当選値(27、128)、フルーツ当選値(151)
・パターンB…ボーナス当選値(51、152)、フルーツ当選値(175)
・パターンC…ボーナス当選値(64、165)、フルーツ当選値(188)
・パターンD…ボーナス当選値(130、231)、フルーツ当選値(254)
(4)まず、何れかのパターンが任意に選択される。次に、生成された乱数が上記カッコ内の各数値だった場合は、一次抽選に当選する。乱数は0~255までの256通りなので、A-Dいずれのパターンも、一次抽選のボーナス当選率は2/256、フルーツ当選率は1/256。
(5)なお、A-Dの乱数パターンは、フルーツ終了から一定プレイ※を消化すると、新たなパターンが選ばれる(※A⇒59プレイ、B⇒83プレイ、C⇒0プレイ、D⇒130プレイ)。5G連台では、この一定プレイ間はボーナス・集中に当選する事はない。例えば、パターンB選択時にフルーツに当選すると、フルーツ終了後の83プレイは、ボーナスにもフルーツにも絶対当たらない。集中に外れた後の60プレイ以外にも、無抽選ゾーンが存在したのである。ただ、どのパターンが選択されたかは外部から判らない為、ここでの一枚掛け節約は不可能。
(6)一次判定においては、生成される乱数がランダムになる事から、本来は毎ゲーム不規則な値を取る筈である。ところが、5ゲーム連チャンするリバ4を解析した結果、1ゲーム毎に乱数が「31」づつ規則的に進むことが判明したのだ。この「31」という数値を、上のパターンに当てはめてみよう。
(7)以下、パターンAを例に説明する。
★パターンA…ボーナス当選値(27、128)、フルーツ当選値(151)
・通常プレイ中、乱数「128」を取得して、ボーナス一次抽選に当選したと仮定する。この場合、続く二次抽選をパスすると、ボーナスが成立する(初当り)。
・ボーナス終了後は、乱数が毎ゲーム「31」づつ移行するので、128を起点とすると、1プレイごとに、乱数は159⇒190⇒221⇒252⇒27(本来は283だが、255を超えると0に戻るので27)と規則的に移行する。
・ここで、5プレイ目の乱数「27」は、まさにボーナスの一次当選値である。後は、二次抽選さえクリアすればOKだ。これが、5ゲーム連チャン発生の「正体」である。
・連チャン(二度目のボーナス)終了後は、「27」を起点として乱数が31づつ移行する。すなわち、58⇒89⇒120⇒151となり、ボーナス終了後4ゲーム目に、フルーツ当選値「151」を取得するのだ。これが、3連チャン目にフルーツが来る所以である。
・注意すべきは、フルーツの連チャン当選はボーナス後4ゲーム目という点だ。ただ、実際に小役が高確率になるのは次ゲーム以降の為、見た目は5ゲーム連チャンに見える。
ここまでの流れをフローチャートでまとめると、こんな感じだ。
・なお、初当り後の5ゲーム目に2次抽選に外れると、5ゲーム連は起きないが、そこから4ゲーム後にフルーツ当選の可能性がある。これが「ボーナス⇒フルーツ」の9ゲーム連チャン(2連チャン)である。
・一方、良く知られる「ボーナス⇒フルーツ」の4ゲーム連チャン(2連チャン)が発生するのは、以下のケース(a,b)である。
(a)ボーナス当選値「27」を拾い、二次抽選にも当選してボーナスが発生⇒4ゲーム後にフルーツ当選値「151」を拾ってフルーツ突入
(b)ボーナス当選値「128」を取得したが、二次抽選に漏れてボーナス未成立⇒5ゲーム目に「27」を取得して、二次抽選に当ってボーナス発生⇒ボーナス後4ゲーム目にフルーツ当選
(8)上記の考え方は、乱数パターンBにも当てはまる。つまり、乱数が「31」づつ移行すれば、当選値「152」から起算して5ゲーム後に「51」、さらにそこから4ゲーム後に「175」を取る。「51」はボーナス、「175」はフルーツの当選値であり、それぞれ二次判定に当選すれば連チャンが発生する。以下、パターンC、パターンDも同様である。
(9)以上の事から、リバ4の連チャンは、本来ランダムに移行するはずの乱数が、「31」という規則性をもって移行する事によって発生する、と結論づけられる。
なお、連チャンパターンに入っても、二次抽選に落ちればボーナスは出現しない事に注意。ボーナスの単発やフルーツの単発は、連チャンする予定のゲームで二次抽選に落ちた事を意味する。
(10)但し、乱数が「31」づつ規則的に移行するという事は、本機のプログラム上考えにくい(乱数の偏りがプログラムされた「リバティベルIII」なら説明も付くが…)。つまり、当時のリバ4では、意図的な5ゲーム連チャンを誘発する「注射」が、外部から施されていたと思われる。実際に、リバ4用の特別な「打ち込み機」の存在も確認されている。
なお、乱数が「31」ずつ移行するパターンは、パチンコでは大一の連チャン機「フルーツパンチ」にみられた。連チャンプログラムを組む上で、「31」という素数は都合が良いのだろう。
(11)当然、注射抜きのリバ4は、連チャン性を持たないノーマル機に過ぎない。なお、ノーマル台の場合、フルーツ中でもボーナス抽選が行われており、ビッグ成立後もボーナス絵柄を外す事で60ゲーム完走させる事が可能。
(12)しかし、当時の状況を思い返すと、全盛期は何処の店でも、当たり前のように5G連を見せていた。一部のカバン屋による悪さにしては、規模が大きすぎる感じがする。また、上述した一次判定用乱数パターンA-Dも、まるで「連チャンを前提」にして設計されたのでは、と思うほど見事な数値である。まぁ、この辺の事情は、既に時効なので何とも言えないが…実にアヤシイ。
★まとめ
長々と難しい事を言ってきたが、簡単に言えば、本来ランダムに移行すべき乱数が、規則的に移行するように外部から「注射」をされた事で、あのリバIVの5G連チャンが生まれた、という事である。