1990年(平成2年)に三共から登場した旧要件ハネモノ「エンタープライズI」
★賞球7&13、最大8ラウンド継続(9カウント機)
後に、大同からも同名のハネモノが登場。盤面は違うが、ハネや役物の動きなどは同じと思われる。
(大同「エンタープライズ」、1990年登場)
1990年4月、本格的にパチの道にハマるきっかけとなった一台だ。場所は高田馬場・早稲田通り沿いにあった「ダイナム」(閉店)。当時は、ハネモノで無制限営業をしていた。少し小さめの青いドル箱が懐かしいな…。
★追記…馬場ダイナムのドル箱は、いわゆる800個用の「小箱」ではなく、デジパチにも対応した2000個の「中箱」。ただ、通常の店より一回りほど小さく、2400個も出ると溢れそうになるサイズだった。800個小箱で懐かしいのは、やはりO線・Yランド前駅の「Pランド」か。(追記終り)
本機が都内で新台導入されたのは、90年2月との事だ。当時の攻略「M」誌には、渋谷の三共専門店「タイガー」(閉店)で、新装2日目に当る「90年2月6日」に行われた実戦データが掲載されている。
したがって、私が「ダイナム」で本機を初打ちしたのは、新台時期から少し後という事になる。
(在りし日の高田馬場ダイナム…跡地では現在、「ロイヤルホスト」が営業)
その初打ち時は、2時間程度で数千円の勝ちだったが、これがきっかけで、パチンコの魔力にすっかりやられてしまった。
帰りに、ダイナム近くの「立ち食いみやこ」で悪友のOと食べた「かけそば」の、何と旨かったことか…
その後も、下北沢駅の踏切前にあった「ワールド」(閉店)などで付き合った、思い出の機種である。
「S字」に湾曲した独特のプロペラ型ハネと、役物内で銀色に光る空母「エンタープライズ」が特徴の本機。空母ゆえ、プロペラより「スクリュー」と表現した方が的確か。
役物奥に描かれた戦闘機や、照準器(レーダー)を思わせる格子状の白線も、存在感があった。
通常の開閉タイプと異なり、S字型のハネは、1チャッカー入賞で半回転(180度)、2チャッカーでグルリと1回転(360度)する。
本来、ハネモノというと、ハネが開く時・閉じる時の両方に、役物入賞のチャンスがあるものだ。
しかし、本機の場合は、ハネが「開閉」ではなく、クルリと「回転」するので、玉を拾うチャンスは自ずと限られてくる。
その分、回転(開放)時間は1チャッカー=0.72秒(半回転)、2チャッカー=1.72秒(1回転)と長めだ。しかも、ハネの両端が丸く膨らんでおり、玉を役物に「手繰り寄せる」ような安定感があった。
また、1,2チャッカーとも賞球が「7個」と少なかった分、ホール側もヘソやオトシの釘を他機種よりも甘く調整できた(役物内の賞球は13個)。ナキの悪かった店は、相当のボッタ店だ。
本機の主なV入賞パターンは、ハネに拾われた玉が、上段ステージ両サイドから下段へ繋がる穴を通り、穴の真下にある小さな突起に当って角度を変え、手前Vゾーンに向かうルートがメインとなっていた。
また、上段で暴れた玉が、ヤクモノの空母に当って奥の穴から下段に落下し、下段奥から真っ直ぐVに向かうパターンなどもあった。
一方、ハネからダイレクトで下段に落ちた玉はハズレが多かったが、ヤクモノ内で不規則にバウンドした玉が、意外な軌跡でVに飛びこんだりもした。
大当り時は、役物のメタリックな空母が、中心からパカッと左右に割れる。これで、下段に向かう玉の進路が塞がれ、空母前方に玉が半円状に貯留されるようになる。「チャーララララ~」という独特の大当り中BGMも、回転するハネの動きに巧くマッチしていた。
最大で玉を6個貯留可能だが、大抵は4~5個拾うのが精一杯であった。寄りが悪いと無性にイライラするのは、他の機種と同様である。羽根18回開放時、若しくはハズレ玉3カウントで貯留解除となり、玉は下段にドバっと一気に落ちてVを狙う。
この時、空母の先端部分に貯留玉があると、V継続の可能性が一層高まった(先端の透明プラスチック部分に突起があり、ここに玉が1個入るようになっていた)。
また、貯留解除⇒V継続時の「バシューン」とも「ガキーン」ともつかぬ派手なサウンドは、ホール中に響き渡る程インパクト大であった。
※余談だが、現在、本機の実写映像は、動画サイト等で見つける事が非常に困難である。ただ、某サイトの某ページには、本機が映った貴重な動画がアップされている。都合により詳細は明かせないが、興味のある方は検索を掛けまくって発見して欲しい。
(追記)⇒その後、Youtubeに実機動画がアップされた。投稿者の方に心から感謝したい。