Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

春のリース

2013-04-26 14:18:07 | 素敵な現場
皆さんこんにちは。
saoriと申します。
(通称、サブと申します)
今月からシニアの木曜日の現場を担当していきます。
宜しくお願い致します。

ここに来るまでに私は、シニアの皆さんや沢山の方々に支えられて来ました。
本当にありがとうございます。
これからも初心を忘れずに、
笑顔のある楽しい現場ををつくって行きます!
楽しみながらガンバるぞっ!

さてさて…
今日はこれから、先週の現場の報告をしていこうと思います。

季節は春
東京では桜の時も過ぎ
緑がむくむくと…
虫がモコモコと…
鳥が… 。
気がつけば草や花々が育ち、
鳥が楽しげに飛び回り、
賑やかで色鮮やか春が街を彩り始めました。

そんな季節の中、今回は春の色をイメージして頂くワークを行いました。
『春のリース』
沢山の色の中から自分の春色を感じ取っていきます。

最初は春色のリース…
と、ただ何となく言っていましたがyokoさんに
「サブにとっての春のイメージは何?リースは?」という感じにプログラムを深めて頂いた時に
幼い頃の思い出と春のイメージが浮かび上がりました。

私の春とリースのイメージは
やはり何と言ってもシロツメグサの花冠です。
田舎で友達も少なかった私は
ばあちゃんの野良仕事を手伝いながら春になるとその側でいつも花冠を作っていました。
毎年少しずつ上達していきました。
そんな私にてんとう虫が遊びに来たり・・・
その瞬間は自分が自然と友達になっていくような…
そんな時間が流れていました。



私はその大好きだったシロツメグサの冠をイメージしてサポーターの仲間と共に話し合いをしながら一緒にワークを作り上げました!
沢山の素敵なアイディアと笑顔の溢れるミーティングの時間は私にとってとても心強く、これは良いワークになると思いました。

さあ
晴れた木曜日、春の風が私達を迎えます。

その日は暖かく、半袖が気持ち良いくらいの天気でした。
準備の段階から汗がじんわり。

程よい緊張感からワークが始まります。
テーブルの上にはサポーターのhamaちゃんが採って来てくれた可愛らしい菜の花とたんぽぽ、
そして何とか用意出来たシロツメグサが場をホンワカとさせています。




そこにまたまた!
沢山の色鮮やかな障子紙を並べます。これもサポーターの皆がそれぞれに色を塗って用意して来てくれました。個性が出ていて本当に素敵です。


  



テーブルに並んだ紙はまるで色鮮やかな帯のよう。
シニアの皆さんも興味津々です!

体操から始まります。皆さんモリモリと盛り上がる!
声もイチ、ニ、サン!
元気なお声が嬉しいです。
基本の体操の後は障子紙の帯の出番です。
春らしい色の紙を選んで頂いて、
にぎにぎギュッギュッと手の運動をしていきます。
個性豊かなシニアの方たち。
早速魅力を発揮しています。

アグレッシブに何枚も紙を選ばれる方。

二枚同時にギュッギュッとされるパワフルな方。

ギュッギュッとした紙の端を握り、タオルの様に持って手を伸ばされる方。

綺麗な紙をグシャグシャにしたくないと言って大切に丸める方。

本当に人それぞれ、その瞬間を
自分らしく味わっています。

その握った紙は輪にしてモールで留めてリースにしていきます。

紙を大切に扱っていた方は輪にはせず、長筒を希望しました。
一瞬迷いましたが、その方らしさとその方のしたい事を大切に、想いを受けとめていきます。

その方は丸めた紙を優しくモールで留めて、竹のような綺麗な筒にしました。
「あたしは、これが良いのよ!
こうじゃなきゃ。あんたね、丸めたら色がグシャグシャよ!」
ズバッとそう言って下さるのが本当に嬉しい。

そしてワークはメインに入って行きます。
テーブルには大きな障子紙の包みが登場!
「皆さでリボンを取って開けてみましょう!」

「わあー!」
シニアの皆さんの声と沢山の色のお花が場に広がります。
(花はお花紙を丸めて、パステル色のモールを付けたものです。)

今度はお花の中から春らしい色を選んで頂きます。
「リース中に春色の花を摘んで入れていきましょう。」

皆さん採る採る!
ピンクが気に入った男性。
シックな藤色を選ばれる方。
たんぽぽと同じ色を探す方。

沢山の色がシニアのみなさんの頬を染めているように感じました。

皆さんのリースの中がいっぱいになる頃、私は自分の幼い頃の花冠の思い出話をしました。
(この部分もyokoさんのアドバイス。有難いです。)
そしてシニアの皆さんとシェアをしながら花冠のイメージを深めていきます。

ですが、まだ選んでいる方もいて
場は賑わっていました。
私は少し焦ってしまい上手く伝えられませんでした。
けれども、それだけ皆さんがお花や場の雰囲気に馴染んで楽しんでくれているのだなと思うと嬉しくて、私の声も弾みます。

「皆さんが自然と一体となって、
春を感じられるような…
春色の花冠を作っていきましょう!」
モールの付いた花を輪っかに捻じって付けていきます。
トッピングはシンプルに少しのビーズだけ。
誤食に気を付けながらワークを進めていきます。

「ふう。」
教示を伝えきり私は私らしく楽しいモードに入っていきました。

シニアの皆さんのアートがどんどん広がっていきます。

ピンクを選んだ男性は、
もう、ピンク祭り!
ピンクですか?と聞くと、そうですね!とバシッと元気の良いお言葉。側にいるスタッフの方も嬉しそう。





ピンク、緑、紫と順良く上品に並べられている女性の方
上品に優しく、その方の温かさが作品に現れています。とても集中してアートされていました。




優しい色合い、キラリと光るビーズが水々しい。リースの引っ掛ける部分も、ご自分でアートされていました。
一生懸命に黙々と。完成した時にお伺いすると、満面の笑み!お名前に春を持つ方です。何とも春らしい和かな笑顔!




何と!この方は二段仕込み!
アーティスト魂モリモリで、この他にもお花でブローチを作って胸元に付けていました。
満足されたようなお顔でふふふと微笑んでいるお顔が素敵でした。





こちらは緑のお洋服でいらした気風の良い方!赤色がお好みなのですが、なるほど、鮮やかな緑が赤色の花を引き立てています。





緑のお洋服とお揃いですね。と
サポーターの皆がお伝えすると、何だか嬉しそう。
絶好調の笑顔でした!


優しい色合いの花冠
この方は本当に初めから笑顔でいらっしゃいました。
その笑顔に私達がどれだけ勇気づけられ、幸せな気持ちになることか。。。
優しい笑みを浮かべながら、楽しそうにお花を付けていらっしゃいました。最後にトッピングのチョウチョを二匹。




つがいでしょうか。可愛いらしい。。
見つかりましたか?


そしてこの方、私はこの方なしにはシニアの現場を語れません。
時に厳しく、時に暖かく。
いつも最前列の席にいらっしゃって、愛のある鞭と、優しさに溢れたお言葉、笑顔を私達に与えて下さります。
美しさと上品なセンス
青く爽やかな色を心にをお持ちの方。




そう、長筒の方です。
スラリとした若竹色の筒は
皆さんの承認を終える頃には丸くなっていました。
最後に丸くしたのです。
シニアの皆さんの笑顔やエネルギーを感じ取ってくれたのかもしれません。
ご自分の世界を大切にしつつも、他の方の存在も温かく受け入れている。
ハキハキとおっしゃる方だけれども、そこには愛がある。
私はこの方をそんな風に思うのです。
それは本物の嘘偽りのない
まっすぐな言葉。
彼女が最高よ!と言えば本当に最高だと胸が熱くなります。


こうして、
最後には なんとも爽やかで嬉しい時が過ぎて行きました。
ふと辺りを見回すと、スタッフの方の笑顔やサポーターの皆、yokoさんのイキイキとした様子、そしてシニアの皆さんの笑顔。。
(なんて嬉しい素敵な場所なんだろう…。)
花冠は最後に全員で承認しながらシニアの皆さんの頭の上にのせていきました。
はにかむ笑顔!
すかさずyokoさんがパチリと記念撮影。
本当に嬉しそう。

この時の私は
たのしい!嬉しい!という感覚をしっかり手に掴んでいるのを感じました。
終わりの時間が近づいて来ました。名残り惜しい気持ちを抑えながら、ワークを終えていきます。
いつもは最後まである緊張感が良い意味で今回はあまり無く、清々しい空気が私を包みます。

一歩前へと体が動いているのを
感じます。
ああ、楽しいってこういうことなのかと。

結果は、反省は色々あるけれど、
楽しいと感じたあの瞬間は本当に幸せで何にもかえられない宝だと思いました。
これからもこの宝を皆で味わって素敵な現場をつくっていきたいです。

少し長くなりましたが、
これで、四月のシニアアートセラピー
『春のリース』の報告を終えていこうと思います。
読んで下さってありがとうございました!

皆様これからも
よろしくお願い致します!




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