Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

春の息吹

2013-03-31 00:25:58 | 素敵な現場
こんにちは。札幌のJunkoです。
まだまだ春が待ち遠しい札幌の現場の様子をお伝えします。

今回はテーブルの上に大小の紙風船を飾って皆さまをお迎えしました。

皆さまお席につくと紙風船を手に取られポンポンと弾ませながら
「懐かしいわね」と幼いころの話で盛り上がります。

皆さまに紙風船で遊ばれたりしましたか?とお聞きしてみました。
すると、皆さま口を揃えて
「富山の薬売り!」「おまけに紙風船をもらったわよね」と
懐かしそうにお話されていました。

生まれも育ちも違うのに共通する思い出話を聞きながら
皆さまの心が繋がっていく…そんな感じがしました。

今回行ったプログラムはシニアコースのミニワークで行ったもの をベースに
洋子先生や仲間からフィードバックをもらい、さらに練り上げたものです。
(バディのSちゃん、クラスのみんな、ありがとう)


ウォーミングアップではテーブルに用意していた紙風船を使って、
ぽんぽんと手のひらで弾ませます。

「まずは10回連続でやってみましょう」とお伝えすると、皆さまいとも簡単にクリアしてしまいました。

そこで「では、さらに難易度を挙げて30回!」とお伝えすると、

「立った方がやりやすいわ!」とすっと席をお立ちになったのは
いつも穏やかでそれほど口数が多くない女性の方です。

そして何名かの方がお席を立たれ、
30回以上連続でぽんぽん…とても盛り上がりました☆
それからもう一つ。
紙風船に息を吹き込むというウォーミングアップでハプニングが…

皆さまにふくらます前の紙風船をお配りして、
「説明を…」と言う間もなく、皆さまあっという間に風船をふくらませてしまいました。

「実はこれには説明がありまして…
日本にいる八百万の神様の中に春を司る神様がいます。
佐保姫といって、佐保姫が大地に息吹を注ぐと春がやってくるそうです。
そこで今日は佐保姫になった気分でこの紙風船に息を吹き込んでみましょう。
…というものだったのです。」
とお伝えすると、お部屋がわっと笑いに包まれました。

現場とは何が起こるかわからないものですね。

体を動かして、笑って、十分なウォーミングアップの後はメインワークです。
「先ほど膨らませた紙風船に春の息吹が吹き込まれたようですよ。紙風船を開けて中を見てみましょう。」
皆さまが紙風船を開くとあらかじめ仕込んでおいたお花の形の紙が出てきます。
「まぁ」「きれいね」「私のと(あなたのは)違うわね」などと声が聞こえてきます。

そして今回のテーマ「春の息吹」。
仕込んでおいたお花の紙や色々な切り紙を使って、透明のシートに飾りつけてモビールに仕上げていきました。

ワークの最中はとても和やかな雰囲気で、お隣同士の会話や笑い声、
鼻歌もあちらこちらで聞こえてきました。




どの方の作品も写真じゃ透明感や光の感じをお伝えしきれないのが残念ですが、本当にきれいです。
出来上がった作品を胸元に当てて「ネックレスみたいでしょ」とおっしゃる方もいらっしゃいました。



南の国から鳥たちが帰ってきたというストーリーや
ハートの飾りをつけて「恋」というストーリー、咲いた花に蝶や幸せの鳥がやってきた…
などお一人おひとりの作品に素敵なストーリーがありました。



中でも印象深かったのはMさまの作品。
「わざとまん中を空けたの。」とお話してくださいました。
ここからどんな景色が見えるんでしょうね?色々な景色が見えてきそうですね。
お花のカゴのようにも見えますね!とお伝えすると静かに微笑んでくださいました。


鑑賞会の後、皆さまとお話している中でとても嬉しい事がありました。

陽気で快活、そしてユーモアのセンスも抜群のTさま。
2月に作った梅の作品を お部屋に飾ってくださっていたようです。
そこへお孫さんが遊びにいらして
「孫がね、(Tさまの作品を見て)何度も指を差すの。とても気に入ってくれたのよ」と
とっても嬉しそうにお話してくださりました。
お孫さんはきっと作品を通してTさまのお人柄…心に触れたのでしょうね。
私もとっても嬉しい気持ちになりました。
現場とは違う形でアートワークの素晴らしさを改めて感じました。



☆--☆---☆----

先日、シニアのコースで札幌にシニアアートを導入してくださったY施設長とお会いすることができました。
Y施設長の情熱にとても感動して涙がとまりませんでした。
私に本当に素晴らしい機会を与えてくださったY施設長に心から感謝をしています。

この感謝の気持ちを胸に、

私は来月も
シニアの皆さまにアートワークをお届けに参ります。

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