こんにちは。シニア担当のYokoです。
先月書いたブログの続きを・・・
新しい世界
もともとシニアの皆さんの生活にあった「はさみ」を存分に使って「切り絵」をアートして頂いた時間でした。
自分の工夫次第で形変わる。
わからないなりにやっても、面白い形になることでの驚き!
皆さんが夢中になって、無言でちょきちょき そしてペタペタ
1人の男性は 偶然切った形が「富士山」に見えました。
その事が大変自分でも誇らしく、この日は終始笑顔でたくさん会話が弾みました。
私たちのシニアアートワークは、ひとつのテーマで同じ素材ですが
出来上がるものに、一つとして同じものがない。
自分が感じたように描いたり、切ったりして、好きなように仕上げていく。
そこに現れているものを「その人らしさ」と呼んでいるのです。
好きなことを存分にする。
そこで味わうものは「満足感」「達成感」ではないでしょうか?
限られた時間ですが、とことんやる。自分が今思い描いた事をやり続ける。
一つの作品をご紹介します。
「迷いの世界」
80代 女性の作品です。
これまでも日常生活を送っているけれど、認知症傾向が強くなってきている方とアートの時間をたくさん過ごして来ました。
医療や介護の立場ではないので、個別の症状などをお伺いはしませんが、その時の顔色や様子で今の状態を把握していきます。
この日はこの女性はワーク参加時からとても険しい顔、乱暴な言葉遣い
調子が悪い事を見て取れます。
性格は実にさっぱりとしていて、作品はいつもシンプルなものが多い方です。
この日、ハサミを使ったワークでは、とにかくたくさん紙を切っていました。
形になるもの、お花のようになるもの、ただただチョキチョキ
でも使ったのは、切りくずの方でした。
切りくずを集めては、真ん中にある青い紙の穴の中に入れて貼っていく。
何回も何回も
画像では分かりづらいのですが、相当の量を糊で貼っているのです。
私たちのアートワークでは、「それは違います」「こうして下さい」という事をセラピストが伝えることはありません。
見本がなく、一つのテーマでその方の感じ方は違う そこを大切しているからです。
この女性はとにかくたくさんとことん貼り続けました。
そして最後にお花でその中央を蓋をしました。
私は、ここに人間の持つ力を感じます。
わたしには認知症の方のその心の内、今起こっていることはわからない。
だけれども、何か今自分が見えない何かと戦っている 不安を感じている
それがきりくずを集める ただただ集めて貼る という行為
穴を塞ぐ 空洞を埋める それは心の中ある「穴」のように感じているものを埋めていく。
それは認知症にかぎらず、私たち健常な者でも時に不安、喪失感を味わった時に起こる行為ではないでしょうか?
そして女性はとことんそれをやり続けそしてやり終えた。
もちろん笑顔です。
満足感 そして そこに不安が和らぎ 今自分の中で起こっていることを自らが受けとめ
そこに やさしいお花を自分にプレゼントをしてあげている
自己治癒力
タイトルの「迷いの世界」が そのすべてを表しているように思うのです。
始まった時の険しい顔はどこにもない。
この時、「くずは違いますよ」「クズじゃない方を貼りましょう」として、作品を作り上げる方に流れを持って行くことは簡単です。
ですが、そうではなく、その人がやりたい事を満足するまでやることで
その日の生活が、特に認知症傾向の方などは異なってきます。
歩きまわったり、暴言を吐いたりすることが少しでも減っていくetc・・・
これまでにも、とにかく絵の具をどばーーーーーーっとテーブルいっぱいに出した方も居ました。一本全部。
テーブルに直にアートをした人も居ました。
でも、それが今その方のしたい「表現(アート)」なのですから、
私たちアートセラピストはその表現を尊重し、承認し、起こっていることに向き合い関わっていくのです。
ほら、別な女性はこんなすてきな表現をしています。
アートを通して少しでも心のケアに 日常に潤い
そうして、いつまでも「自分らしく」
私たちのビジョンです。
*****************************
お待たせしました! 7月スタート
『シニアアートワーク初級認定講座』
4回の講座では、とにかくワーク三昧です。
施設で行っているワークを実際に体験していただきながら
他とは異なる、高齢者のアクティビティをアートで!
プログラム作りや提供の仕方を学ぶ講座です。
体験レッスンも始まります。
ぜひお越しください。!
先月書いたブログの続きを・・・
新しい世界
もともとシニアの皆さんの生活にあった「はさみ」を存分に使って「切り絵」をアートして頂いた時間でした。
自分の工夫次第で形変わる。
わからないなりにやっても、面白い形になることでの驚き!
皆さんが夢中になって、無言でちょきちょき そしてペタペタ
1人の男性は 偶然切った形が「富士山」に見えました。
その事が大変自分でも誇らしく、この日は終始笑顔でたくさん会話が弾みました。
私たちのシニアアートワークは、ひとつのテーマで同じ素材ですが
出来上がるものに、一つとして同じものがない。
自分が感じたように描いたり、切ったりして、好きなように仕上げていく。
そこに現れているものを「その人らしさ」と呼んでいるのです。
好きなことを存分にする。
そこで味わうものは「満足感」「達成感」ではないでしょうか?
限られた時間ですが、とことんやる。自分が今思い描いた事をやり続ける。
一つの作品をご紹介します。
「迷いの世界」
80代 女性の作品です。
これまでも日常生活を送っているけれど、認知症傾向が強くなってきている方とアートの時間をたくさん過ごして来ました。
医療や介護の立場ではないので、個別の症状などをお伺いはしませんが、その時の顔色や様子で今の状態を把握していきます。
この日はこの女性はワーク参加時からとても険しい顔、乱暴な言葉遣い
調子が悪い事を見て取れます。
性格は実にさっぱりとしていて、作品はいつもシンプルなものが多い方です。
この日、ハサミを使ったワークでは、とにかくたくさん紙を切っていました。
形になるもの、お花のようになるもの、ただただチョキチョキ
でも使ったのは、切りくずの方でした。
切りくずを集めては、真ん中にある青い紙の穴の中に入れて貼っていく。
何回も何回も
画像では分かりづらいのですが、相当の量を糊で貼っているのです。
私たちのアートワークでは、「それは違います」「こうして下さい」という事をセラピストが伝えることはありません。
見本がなく、一つのテーマでその方の感じ方は違う そこを大切しているからです。
この女性はとにかくたくさんとことん貼り続けました。
そして最後にお花でその中央を蓋をしました。
私は、ここに人間の持つ力を感じます。
わたしには認知症の方のその心の内、今起こっていることはわからない。
だけれども、何か今自分が見えない何かと戦っている 不安を感じている
それがきりくずを集める ただただ集めて貼る という行為
穴を塞ぐ 空洞を埋める それは心の中ある「穴」のように感じているものを埋めていく。
それは認知症にかぎらず、私たち健常な者でも時に不安、喪失感を味わった時に起こる行為ではないでしょうか?
そして女性はとことんそれをやり続けそしてやり終えた。
もちろん笑顔です。
満足感 そして そこに不安が和らぎ 今自分の中で起こっていることを自らが受けとめ
そこに やさしいお花を自分にプレゼントをしてあげている
自己治癒力
タイトルの「迷いの世界」が そのすべてを表しているように思うのです。
始まった時の険しい顔はどこにもない。
この時、「くずは違いますよ」「クズじゃない方を貼りましょう」として、作品を作り上げる方に流れを持って行くことは簡単です。
ですが、そうではなく、その人がやりたい事を満足するまでやることで
その日の生活が、特に認知症傾向の方などは異なってきます。
歩きまわったり、暴言を吐いたりすることが少しでも減っていくetc・・・
これまでにも、とにかく絵の具をどばーーーーーーっとテーブルいっぱいに出した方も居ました。一本全部。
テーブルに直にアートをした人も居ました。
でも、それが今その方のしたい「表現(アート)」なのですから、
私たちアートセラピストはその表現を尊重し、承認し、起こっていることに向き合い関わっていくのです。
ほら、別な女性はこんなすてきな表現をしています。
アートを通して少しでも心のケアに 日常に潤い
そうして、いつまでも「自分らしく」
私たちのビジョンです。
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お待たせしました! 7月スタート
『シニアアートワーク初級認定講座』
4回の講座では、とにかくワーク三昧です。
施設で行っているワークを実際に体験していただきながら
他とは異なる、高齢者のアクティビティをアートで!
プログラム作りや提供の仕方を学ぶ講座です。
体験レッスンも始まります。
ぜひお越しください。!
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