薩摩おごじょ

薩摩狂句勉強中です。

2014.10.薩摩狂句

2014-10-31 22:54:16 | 日記
(人)
 早(は)よ行(い)こち 二人三脚(ににんさんきゃ)き 
子を引張(そび)っ  
                10月19日 (扇香)

(短評)笑いを誘う場面が一句になっています。おなじみの光景ですが、いざ自分が競技するとなるとこの句のようになるでしょう。当事者が真剣であればあるほど、第三者からみると滑稽に見えることがあるものです。子供はとうとう「ぞろびかれて」しまったのです。

1.弾除けを どしこ産んでん 間(か)け合(お)わじ

(短評)この句だけからでは写真との関連が分かり難い感じがします。この「弾除け」は戦争に駆り立てられるであろう子供達のことだろうと想像できるのですが、私にはこの比喩は強烈過ぎるのではないかという気もします。一方で、反戦の気持ちは十分伝わっては来ます。

2.進んなよ 母ん身を切い 戦車奴(わろ)

(短評)これも反戦句ですが、「戦車奴(わろ)」という言い方は少し無理があるようです。


4.食(く)ろたパン 途中(つと)で総入歯(がんぶ)ゆ
 うっ外(ぱ)じっ

(短評)おなじみの運動会のパン食い競走の場面です。現実には「総入歯」の人がパン食い競争にはあまり出ないでしょうし、写真は若いお母さん達のようですから、その意味では素材とのズレが大きすぎるようです。ただ、これも想像・空想の世界を詠んだユーモラスな句として味わえばよいでしょう。

5. 台風奴(うかぜわろ) 焼酎(しょつ)が出らんち
 寄(よ)いもせじ

(短評)面白い見方だとは思いますが、ちょっと気になるところがあります。台風被害に遭わなかった人たちからみれば、こんな冗談も言えるのですが、被害に遭った人たちの気持ちを傷つけることになります。いろんな立場の人がいることも念頭に置いて詠む必要があります。他人を思いやる気持ちが大切ではないでしょうか。お互い気をつけましょう。

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