泉心堂治療院

せんしんどうちりょういん

其知道者:其の道を知るもの2

2013年11月06日 | Weblog
師の郭先生は、亡くなる1年くらい前お会いした時に、

『中国医学は「道」の医学である。』とおっしゃっていました。

郭先生の言う「道」とは何でしょうか?

それは、私たちの身体に発現した(発現するかもしれない)すべての事象に対して、

それらを発現させる内外の要素と、身体内での変化の過程

すべてをまとめて「道」と表現したのではないかと私は考えています。

そして、それは私たちの身体の内部から発生したり、

私たちの住む世界から私たちの身体に影響したり、

さらに内外の要素が絡み合って、より複雑な事象へと変化したりして、

私たちの健康へ影響するのだと思います。


そして、その「道」を明らかとし、

健康へと導くための「道」を示して実践するのが中国医学の真髄ではないかと私は考えています。




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其知道者:其の道を知る者

2013年10月07日 | Weblog
『黄帝内経』は2千年近く前に編纂されたと言われる中国最古の医学書であり、

いわば中国医学にとってのバイブルのような存在です。

その『黄帝内経』第一巻目の冒頭に次のような一文があります。

上古之人、其知道者、法於陰陽、和於術数、食飲有節度、起居有常、不妄作労、故能形与神倶、尽終其天年、度百歳乃去。

訳:「古代の人々で、其の道を知る者は、天地の法に則り、飲食や行動に気をつけて生活し、健康に天寿を全うすることができました。」(内容は要約)

ここで注目していただきたいのは『其の道を知る者(其知道者)』という部分です。

ある【道】を知る人が健康に天寿を全うすることができると述べているのです。

では、ここで挙げている【道】とは何でしょうか?

そして、【道】を知るとはどういうことなのでしょうか?







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呼吸と針@つぶやき

2013年08月26日 | Weblog
人間の身体(筋肉)は息を吐くときに緩み、吸うときに緊張することが分かっています。

従って、針も息を吐いた時に刺した方が身体が緩んでいるので針が刺しやすく、痛みを抑えることができます。

これは古来から行われてきた方法ですが、現代科学的にも理にかなっていることです。


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天気@つぶやき

2013年07月23日 | Weblog
近年、東京の夏の天気は台湾のそれと似ている気がします。

スコールが定期便のようにやってきますからね。

まさに亜熱帯。都市ジャングル。

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ど忘れ

2013年05月12日 | Weblog
台湾に留学しているとき、ふと疑問に思ったことがありました。

「台湾の人は漢字を忘れたときどうしているのだろう?」

日本人は漢字を忘れても平仮名で代用できます。

でも漢字オンリーの中国語はどうするのだろう?

もしかして絶対に忘れないとか?


思い切ってこの疑問を何人かの友人にぶつけてみたことがあります。

主な答えは

・「注音記号」という台湾では幼稚園・小学生の段階で学習する発音記号で代用する。

(注音記号は文字としては使われないけど、平仮名みたいにそのまま発音できる)

・発音が同じ別の漢字で代用する。

などでした。

そして、実際にあちらの人でも漢字を忘れることは時々ありました。

「この漢字どう書く?」なんて、

思わず「外国人に聞くか?」と突っ込みたくなる場面もありました(笑)



ちなみに妻のおい・めいは小学生ですが、

小学一年生から日本では信じられないくらい難しい漢字を教わっていてびっくりしました。

さすがは漢字の国ですね。


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光陰似箭

2013年04月05日 | Weblog
時が経つのが早いとは言いたくない。でも早すぎる。

気がつけば正月にブログを更新して以来、もう4月。

やはり早すぎます。

今年はわたしがこの業界に入って20年目の節目を迎えました。

でもただ迎えただけです。20年目だから偉くなったわけでもありません。

それで何かが大きく変わるわけでもありません。

20年前、自分が選んだ進路を現在も進むことができていることに感謝です。


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2013年・新春

2013年01月04日 | Weblog
仕事納めを迎えるとホッとした気持ちになるのは何ででしょう?

それはお正月休みが始まるからかもしれません。

もちろんそれはそうですけど、

それ以外に理由があるとするならば、

それは情報の波から解放されるひとときであるからかもしれません。

大晦日の夜にふと考えたことです。


2013年、本年もよろしくお願い申し上げます。

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2012/12/31

2012年12月31日 | Weblog
2012年の営業も無事終えることできました。

この場を借りまして皆様に感謝申し上げます。

新しい年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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政治と役者

2012年12月21日 | Weblog
以前、師の郭先生は、「医術の源流は巫術(シャーマニズム)にある」と話しておられました。

おそらく、伝統的な医学・医術は古代の巫術からある程度の確実性・再現性のある部分が独立して発展し、

学問として体型づけられながら後世に伝えられていったのだと思われます。


一方、古代日本における邪馬台国の卑弥呼に代表されるように、

巫術と政治の関係も深く、政治もまた巫術より起こり、分離独立していったと考えられます。



さて、先日行われた衆議院選挙で、

わが杉並区では俳優の山本太郎氏が立候補し、話題となりました。

彼は福島の原発事故を機に所属していた事務所を飛び出し、

脱原発運動に身を投じていることはご存じの方も多いかと思います。

また、彼の行動に対して疑問に思われる方も少なくないと思います。

「脱原発ばかり叫んでも仕方ない。」

そんな声も当然聞かれるでしょう。

いったい何が彼をそれほどまでに突き動かしているのでしょうか?



「皆様の声を国政に届けます!」

選挙があるとよく聞かれる言葉です。

現代における政治家の仕事は国民の声を代弁することです。

では国民の声とはいったいどのようなものでしょうか?

「景気をよくして欲しい。」

「安定した老後を送りたい。」

「安心して子育てがしたい。」

どれもよく聞かれる「国民の声」です。


それならば山本太郎氏が届けたかったのはどのような声だったのでしょうか?

ここで巫術というキーワードが浮かんできます。

演劇の起源の1つとして巫術や宗教儀式的なものがあるとするならば、

彼はそれを「演じる者」として何かの「声」を表現しようとしているのかもしれません。

そして彼の俳優としての純粋な本能のようなものがその根本にあるような気がします。

その点、彼は根っからの役者魂を持った人間と言えるのかもしれませんね。



政治家と役者、浅からぬ因縁を感じる今日この頃です。















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仕事とは?

2012年12月07日 | Weblog
先日ふと「先生にとって一言で仕事とは?」と質問されてしまいました。

そしてとっさに出た答えは「生活」でした。

…もう少し高尚な答えができれはよかったのですが妻と2人の子供を養っておりますので(汗)


という訳でせめてもの罪滅ぼしに仕事について考えてみました。

よく「仕事が趣味」という言葉をききますけど、

わたくしの場合は元々興味のあった分野を学び、

それを仕事の手段としてきたので間違いではないのかもしれません。


しかしやはり「仕事」となっている以上、責任が伴います。

例えば仕事に飽きたからと言って予定をキャンセルしてしまうこともできません。

ですからわたくしにとって仕事は趣味というカテゴリーからかなり離れた存在のように感じています。

いや、仕事が趣味になったらそれはもう仕事ではないのかもしれません。

ただ、もちろんやりがいは感じております。


では改めて「仕事とは?」と問われると、

もはや「自分の一部」としか言いようがありません。

結局クサい言葉で締められてしまいましたが、

最近になって特にそう感じることができるようになった事は確かです。






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これから

2012年11月16日 | Weblog
さて、参拝供養を済ませ、この半年の心のつかえも取れ、

お寺からの帰りの車中でふと思い浮かんだのが、

これからどうしようかと。

師は自分にとっては精神的支柱とも言える存在であり、

最近は実地的なことを教わることはあまりなかったにせよ、

それでも、訃報を受けて

一時は無重力空間にいきなり放り出されてしまったような

不安定的な感覚に苦しめられたこともありました。


今、こうして参拝供養を済ませ、心の中でも一区切りがついたところで、

改めて自分の進むべき方向性を考えてみるべきなのかもしれません。

そして、これからは一人で考え、一人で進んでいかなければなりません。

漠然とした不安はありますが、これまでの教えに忠実に実践していれば、

きっとよい方向に進むことができると考えています。


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参拝供養

2012年10月29日 | Weblog
10月の中旬に1週間のお休みをいただいて台湾に行って参りました。

そして今回やっと春に亡くなった師匠の郭先生の霊前に参ずることができました。

先生は生涯独身だったため、遺骨は樹木葬として散骨され、

位牌は兄弟子方の尽力もあり、台北郊外のあるお寺に安置されているとのことでしたので、

お寺の場所を教えてもらい、台湾到着の次の日に早速うかがうことにしました。


お寺の方に案内され、師の位牌の前にたどりつくと、

まず葬儀に参列できなかったわびを述べ、

これまでの養育の恩を述べ、

そして入門を誓ったあの日のように位牌の前にひざまずき、

これからの更なる発展を誓ったのでした。

お寺の方には親切にしていただき、

また落ち着いた静かな環境で時間を気にせずに祈りを捧げることができました。

お寺の皆様と兄弟子方には心より感謝申し上げます。

これからも台湾に行った際には訪問させていただきたいと思っております。





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恩返し

2012年07月04日 | Weblog
師匠の郭先生が亡くなり早3カ月。

留学中の日々をあれこれ思い出しながら

追悼文集の原稿を書いたまではよいものの、

いざそれができ上がって送ってしまったとたん、

本当に先生は亡くなってしまったのだと

なんとも言えぬ喪失感に浸ることになってしまいました。

つらかったことも、不安で悩み苦しんだこともあったけど、

先生に励まし続けてもらったおかげで今の自分があると思います。

今思えば自分にとって最高の師とめぐりあい、

幸せな青年時代を過ごすことができました。

これから先、道は自分自身で切り開いていかなければなりませんが、

存在は永遠であると信じ、

いつまでも見守ってもらうと同時に恩返しは必ずできると信じております。

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別れと教え

2012年04月02日 | Weblog
去る3月25日、私の師匠、郭嘯天先生が急逝されました。


台湾の中医師会では追悼の文集を出すそうで、

郭先生との思い出などを寄せてくれと言われ、

ここ数日は中国語に悪戦苦闘しながらパソコンに向かっております。

そしてそれは郭先生と出会った時のことや、

修行中のことなどを思い出しながら感傷に浸っている数日でもあります。

それにしてもよく見ず知らずの言葉すら通じなかった押しかけ外国人の私を弟子にとってくれたな~(涙)

その心の広さに今更ながら感動を深めています(涙涙)


私が先生の元での修行を終え、帰国して早10年。

台湾留学中は郭先生だけでなく、色々な方々が私を助けてくれたり、励ましたりしてくれしました。

そして昨年の東日本大震災では台湾が最も多くの義援金を送ってくれ、

私自身も色々な方から声をかけられました。

そんな人々の心の温かさ、他人を思いやる心。

それが私が台湾で学んだ最も尊いものであり、

中国医学における秘伝中の秘伝だったのかもしれません。


恩師に感謝を込めて。合掌。


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台湾の進む道

2012年02月24日 | Weblog
もう1ヶ月以上も前の話になってしまいましたが、

台湾では今年1月、4年に1度の総統選挙がありました。

結果は現職の国民党・馬英九氏が民進党・蔡英文氏に大差で勝利。


ところで、台湾の政治事情についてよく耳にするのは

「中国との統一派である国民党」対「台湾独立派の民進党」という構図ですが、

国民党の支持者であるからといって皆が短絡的に中国との統一を望んでいるわけではなく、

民進党の支持者であるからといって皆がリスクのある早急な独立を望んでいるわけでもありません。


特に今回の選挙において、両陣営ともこの統一or独立の選択についてはかなり濁した対応をとらざるを得なかったようです。


それほど台湾の人々にとってこの問題は難しく、拮抗する天秤のように敏感な反応をしてしまうのかもしれません。


ちなみに今回の総統選挙のように、自分たちの国のトップを自分たちで選ぶことに対して、
中国「本土」の人々からはネット上なとで羨望の声があがっていたとか。

台湾でも私の妻の子供の頃まではおおっぴらな政府批判などはできなかったとのこと。

台湾では90年頃から民主化が進み、
2000年には選挙による政権交代(国民党→民進党)も実現しています。

わたくしの印象では、台湾の人々のほとんどは統一か独立についてその答えを出すことに躊躇しているようです。

しかし、少なくとも成熟した民主主義の実践こそ、今後台湾が独立的な立場を守るための重要なキーワードになるのだろうと思います。

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