泉心堂治療院

せんしんどうちりょういん

2018年御礼

2018年12月26日 | Weblog
私事ですが、今年(2018年)夏前に祖母が90歳で亡くなりました。

祖母は7年ほど前より認知症が顕著となり、

5年前から杉並区内の特養ホームでお世話になっておりました。

私もお休みの日は祖母の様子を見に行くことが多かったのですが、

認知症は年々進み、私のことも分からなくなり、会話や独り言も徐々に少なくなり、

それでも天気の良い日は車いすに乗せて散歩に連れていくなどしておりましたが、

とうとう最後の1年くらいは話しかけてもあまり反応せず、

うつろな目をしてボーとしているだけのことがほとんどとなってしまいました。


さて、祖母はちょっと変わった(?)体質で、

肩や背中を指圧されると、頻繁に「げっぷ」をします。

私は子どもの頃、それが面白くて祖母の背中や肩を一生懸命指圧したのが、

祖母に関する思い出のひとつになっています。

ただ、どこを押してもげっぷが出てくるのではなくて、

指先が「ツボ」に当たった時に出てくるようなのです。

指で押して「ゲフッ」「グエッ」とげっぷが出てくると、

私は「当りくじ」を引いたときようなうれしい気持になり、

妙な「やりがい」を感じたのでした。

もしかしたら、その時の気持ちが現在の仕事の原点になっているのかもしれません。

ただ、げっぷは無限に出てくるのでなくて、

肩や背中が適度にほぐれるとげっぷが出る頻度が少なくなり、

最後に「あ~楽になった。」という祖母の一言が出ておしまいとなりました。


話は戻り、祖母がホームに入所して以来、

私は祖母を訪ねた際には肩や腕などを揉んであげていましたが、

祖母が呼びかけなどにほとんど反応を示さなくなってからも、

私にほぼ唯一できることとしてそれは継続しておりました。

ある日もいつもと同じように祖母の肩や腕を揉んであげていたところ、

そろそろほぐれてきたなというタイミングで

「あ~楽になった。」

と唐突に祖母の口から懐かしい言葉が・・・

私はびっくりして祖母の顔を覗き込んでみましたが、

やはりうつろな目で私が話しかけても特に反応することはありませんでした・・・

今では決して忘れることのない思い出です。


祖母はいなくなりましたが、

私には現在も「あ~楽になった」を求めて来院していただく方々がいらっしゃいます。

そしてこれからもより多くの方々に「あ~楽になった」と思っていただけるよう、

より精進して参りたいと思います。

皆様、本年2018年も当院をご愛顧いただき誠にありがとうございました。

来年、2019年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

泉心堂治療院・井出



























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