泉心堂治療院

せんしんどうちりょういん

子猫

2019年07月31日 | Weblog
もう20年くらい前のことです。

友人の女性鍼灸師が田んぼの真ん中を流れる川沿いのあぜ道で犬の散歩をしていた時のこと。

犬が道脇の藪の中でなにやらゴソゴソしていたかと思うと、箱のようなものを加えて戻ってきた。

よく見ると、ティッシュの空き箱で、口がガムテープでふさいである。

中に何か入っているようだったので、テープをはがしてみると、

中にはまだ目の開かない子猫が二匹。生きてる。

こりゃ大変だということで散歩を切り上げ家に連れ帰り、

ホームセンターで猫用の哺乳瓶とミルクを買って与えてみたところ、

一匹は比較的順調にミルクを飲んでくれたが、

もう一匹の方がなかなか飲んでくれない。

近所の動物病院で点滴をしてもらい、何とか急はしのげたものの、

やはりミルクを飲んでもらえなければ危険な状態だ。

そんな段階で私に電話があったので、

「人間の赤ちゃんが母乳を吐いてしまう時には身柱(ツボの名前)お灸を使うけど、猫にも効くかもしれないから試してみては?」

とアドバイスをしました。

身柱というツボは、背骨の上で、肩甲骨の間の高さの辺りにあるツボです。

私は姉の子供で効果を経験済みだったので、このツボをおすすめしたのでした。

また、お灸は棒灸という艾を紙で筒状に巻いたもの(タバコを太く長くしたような感じ)を身柱ツボ中心にかざして温める方法をすすめました。

友人は早速棒灸で子猫の背中を炙るようにしばらく温め、哺乳瓶を口に当ててみると、

ほんの一滴、子猫が飲んだような気がしたので、

さらに棒灸で背中を温め続けてから再度哺乳瓶を口に当てると、

子猫は明らかにミルクを飲んでいる。

これをきっかけに子猫は生命の危機を脱し、その後無事に成長したのでした。






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