泉心堂治療院

せんしんどうちりょういん

カゼの診かた:道の医学

2019年11月20日 | Weblog
わたしが恩師の郭嘯天先生に入門して最初に教わったのは「カゼ」の診かたでした。

カゼは様々な表情を持つ病気です。

たとえば引きはじめなら、寒気や頭痛、くしゃみ鼻水、ノドの痛みなどの症状があります。

熱を出せば、節々が痛くなる、食欲がなくなり嘔吐するなどの症状が目立つようになり、

また時間の経過に従って咳が出たり、お腹を下したり、

更にカゼをこじらせてしまえば激しい咳や呼吸困難、気管支炎・肺炎を起こしたり、

二次感染で副鼻腔炎や中耳炎さらには腎炎などをおこすこともあります。

このように、カゼはウイルスの侵入に対する身体の反応と治療養生の成否によって様々な病態に変化します。

そして「カゼは万病の元」ということわざの通り、身体の様々な病気を引き起こす原因となるのです。

この病気の位置や変化という表情を機敏に察知して対応しなければならないのがカゼを診る場合に求められることです。

そして郭先生はどのような病気に対しても「カゼ」同様にその表情を的確に読み取らなければならないということを

「カゼ」という病気を入口として教えたかったのだと思います。

つまり、「カゼ」の診かたというのは病気の診かたというすべて道の入り口になります。

発病から現在に至るまでの道の分かれ目は何であったのかを見極め、正しい道に導かなくてはなりません。

道の分かれ方にはカゼの場合ならその時に流行しているカゼの傾向や気候・天気の傾向、

風邪を引くと咳が長引きやすいとか、お腹を下しやすいなどの体質からの影響、

治療や養生の成否による好転または悪化など、、、

道の分かれ目となぜその方向に進むのかというのには様々な理由があります。

その一つ一つをできるだけ把握することが正しい道の方向を定める手がかりとなり、

そしてそれはカゼに限らずどのような病気・不調でも同様だといえるのです。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする