「道の医学」はいわば「流れの医学」だと思います。
「流れ」とは、物事が「道」という範囲と連続性のある空間に従って進むことであり、
物事は「道」にしたがうことで、「流れ」となり、一定の規則性が生まれます。
そして、「道の医学」とは、この「流れ」を「ととのえる」こと。
つまり、「道の医学」は「流れの医学」とも言えるのです。
「流れの医学」にとって重要な要素を挙げますと、
①方向性、②規則性、③連続性になります。
①方向性
流れの医学を実践する上で最も注意しなければならないのは、進む道の方向性です。
誤った方向に進んでしまっては、逆効果を生み出す可能性すらあります。
進むべき道の方向性をしっかり見定め、より良い方向に導くことが重要です。
②規則性
「流れ」が進むべき道を外れることがなく進むように導きます。
③連続性
「流れ」が滞りなく進むように導きます。
「道の医学=流れの医学」を実践するにあたって、
特に気をつけなければならないことがあります。
それは実践する者(術者)が流されてしまってはいけないということです。
例えば、時速50キロで走る列車を見るとき、
自分が静止状態で見るのと、
同じ方向に同じスピードで平行して走る列車から見るのと、
同じ時速50キロですれ違う列車から見るのでは、
それぞれ見え方が異なってくるはずです。
もちろん、それぞれの状況からの見え方があることを知ったうえで、
それらを把握できることも大切ですが、
自分自身がどのような状況にあるのかを認識しないままに
相手の「流れ」を判断してしまうのは良くありません。
相手の「流れ」を見極めるためには、
まず自分自身の立ち位置をしっかり認識しておくことが重要です。
その立ち位置こそ、「中庸」によって認識できるものです。