2021年を迎えました。
本年、私は鍼灸師免許を取得して25年の節目を迎えました。
恩師の郭先生は、常々「万人同治」を意識しなさいと口にされておりました。
「万人=多くの人」を「同治=同時に治す」という意味で、
ある「一人」を治療するに際して、
その一人からつながる「多くの人」を意識しなさいということですね。
例えば、誰かが健康・元気になれれば、
それによって家族や友人など関わりのある人々にもよい影響があるかもしれない。
一人で治療できる人数には限りがありますが、
一人を治療することで、大勢の人に良い影響があるかもしれないのです。
つまり、目の前の「一人」から多くの人々へ、道がつながっているのです。
その道のスタートラインが目の前の「一人」であることを忘れずに向き合いなさい
という教えなのだと私は解釈しております。
2020年は当院のような治療院の役割というものについて深く考えさせられる1年となりました。
ご存じのとおり、新型コロナウイルス流行によって生活スタイルが一変してしまい、
思わぬ体調不良に悩まされた人も多かったと思います。
心と体のバランスを保つことは、平均台の上を歩くようなものだと実感させられました。
当院のような小規模な治療院は医療のすき間を埋めるような存在であると思います。
2020年より「道の医学」と「無用の用」についてをテーマにブログ投稿させていただきましたが、
心と体のすき間、医療のすき間、それぞれを埋める「無用の用」の存在として、
目の前の「一人一人」に向き合わせていただきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。