デパートのお酒売り場ではよく、ハッピを着た蔵元さんからの出張らしき方が、試飲を勧めながらお酒を売っている。今日は、花垣さんだった
おひとり、初老の紳士が味見している
「生もと」 が出ているので 味見をお願いしたら
その紳士が「おお~お眼が高い」とかなんとか言ってきた
「生もとは味が個性的なので、だめな人はだめだし これにはまると、こればっかりになられますね。ちょっと酸味があるといいますか・・・」と蔵の方
たしかに、酸っぱくて味が強い
「これ、御燗にするとガラッと変わり、これまたいいですよ、ちょっとつけましょうか?」
燗酒を勧められる事はあるけれども、実際に店頭でつけてくれるとはびっくり
お願いすると、取っ手のついた金属のコップ(チロリ)で少量をササっと湯煎してくれた
おとなしくなって、さらにいろいろな味がしてきた
ちょっとばかり 強い気がするけど
もうひとつ、山廃を味見
「山廃もね、いいお酒ですよ くらべるとなんですけども 私などは山廃で十分もうこれ楽しんでます」と蔵元の販売員の方
たしかに生もとの後に飲んでみるとやさしく弱い感じになるけど、十分美味しい
薄紙で丁寧に包まれて大事そうに並んでいる
今日は、お燗していただいた 生もと にしてみよう
花垣 亀の尾生もと 純米酒
福井県大野市
南部酒造場
原材料名:米、米麹
精米歩合:70%
アルコール分:15°以上16°未満
原料米:五百万石20%、亀の尾80%
日本酒度:+3.0
酸 度:2.0
アミノ酸度:1.8
酵 母:7号系
製造年月日:2008.12
評点 2.1
1優 すばらしいお酒 何度でもいただきたい
2良 おいしいお酒 御馳走様でした
3可 ちょっと苦手なお酒 残念ですが私には合いませんでした
熟度 2
1若い(熟成不足)
2飲み頃
3過熟(老ねている)
感想
うわ~~黄色い・・・というか茶色だ。試飲では気がつかなかった・・・。
すでに、古酒みたいだ
裏書を見ると「コシヒカリなどの先祖である亀の尾を二人の篤農家・鈴木秀則氏、松浦助一氏の手によりここ大野で復活栽培いたしました。この古代品種をいにしえの技法「生もと造り」で挑戦しました。野趣溢れる風味と熟成による旨みを、できれば味わいの広がるお燗でお楽しみください」とある。
漫画、夏子の酒で描かれていたあのお米。
「熟成と濃いエキス分による深い色合いもお楽しみください」とも書いてある。
一口いただいて、びっくり・・・またまた、甘くて渋くて酸っぱくて・・・
封印された8号酵母のお酒の味の上を行く・・・ お米のせいか、精米70%のせいか、酵母のせいか、全部だろうな・・・
でも、
ひき肉を甘辛く炊いたものやきんぴらごぼうがのったお弁当をいただいて一緒に飲んだら、平気になった。
おもしろい。すごい。
こういうお酒を楽しめるようになりたいものだ。
いまはまだ だめだけど・・・。