「うわっ! 何 これ!?」
「切ったよ」
「つぼみ、持ってたのに」
「嫌いだもん」
「わたしも好きじゃないけど、つぼみ持ってるのは切れないでしょ」
「・・・・・」
「それに、コデマリたちもバッサリ切りすぎでしょ」
「お隣に邪魔になるよ」
「邪魔になりそうなのは、この間わたしが切ったよ。
せっかく気を使いながら、バランスを考えて切ったのに。
あー、ショックだわ~。
来年は花は咲かないよ」
「言われると思った。
でも邪魔になるから。
それにピンクの奴は切ってないよ。好きだから」
「へぇ~、自分の好きなのだけひいきするんだ。
まあ いいけど。植木はわたしの担当じゃないし。
庭の趣味は違うし。
このカエデも今から紅葉でしょ」
「葉っぱが散って大変だよ、また」
「あー、ショック~。
文句を言われたと思って、スネて、
もう絶対剪定しないとか言われるといやだから
これ以上は言わないけどね。ショック~~~」
・・ってな会話が、朝っぱらから交わされたわけですよ、我が家では。
ったくもう! 去年も言ったのに。
「ぶつ切りにすると見苦しいし、花が咲かないよ」って。
「ほら。きれいになったよ」
「そのツツジは あと30センチ切っていいよ」