Mのミステリー研究所

古今東西の面白いミステリーを紹介します。
まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

「さよならドビュッシー」中山七里のミステリ

2014-03-22 09:18:23 | ミステリ小説
ピアニストを目指すひとりの少女を主人公にしたミステリです。一家が火事に会い少女も大怪我をします。しかし、懸命なリハビリに励み
少しずつピアノが弾けるようになり、コンテストに出るまで回復していきます。こういった音楽家を目指す人とか音楽に関係する人を扱うにはどうしても文章で音楽そのものを
上手く表現しなければなりません。それなりの筆力がなければ難しいところでしょう。しかし、この筆者はピアノを弾くところや曲のイメージそのものを的確に表現して
読むものに充分伝わる書き表し方をしています。この辺はたいしたものと素直に感心します。こつこつと努力して最後に栄冠を掴むまでの物語ですが、最後にドンデン返しがあります。
読者の思い込みをひっくり返すトリックですが、このトリックそのものは古いもので目新しくはありません。しかし、全体的によく考えられたストーリーであり読者を引っ張っていく
力と技を感じさせます。しかし、辛口でいえばミステリの初級か中級者向けの内容です。高校生あたりの人が読めば最後に「えっ!」となるでしょう。
トリックそのものよりもストーリーが読ませる内容だったので個人的には楽しめました。

        

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