「お久しぶり,覚えとって」
『えっ,あのー・・・?』
たまにしか来ないスーパーに,来ているんです。
魚売り場を覗いていて,後ろから聞こえてきたんです。
話しかけたのは,小太りなややおばあさんです。
話しかけられて困惑しているのは,おばあさんより少し若そうな痩せた元女子です。
「私じゃがぁー,ここで働いとっちゃったじゃろ,覚えとってんないん」
『働いとったけど・・・』
「総菜売り場におっちゃったじゃろ?」
『総菜売り場じゃぁーないで,野菜におったんよ』
「わたし,○○言うんよ,××さんじゃろ」
『えぇー,まぁー・・・』
「覚えとらんのん!!」
『えぇー,まぁー』
声をかけたおばあさんは,拗ねたように総菜売り場の方に行ったんです。
“誰か,間違えてでも声かけてくれないかな”
“1週間になるなぁ”
他人様と話をして,いないんです。
他人様と最後に話したのは,年末29日の夜警の時です。
「カチ,カチ,カチ」
「火の用心!!」
大声を出しながら歩いたんです。
「この家のおばあさんも,頑張っとったけどとうとうなぁ」
「ここも空き家になって長いなぁ,そろそろタヌキが住み着くかもな」
寂しい話題が多かったんです。
それでも「ワイワイガヤガヤ」,町内一周したんです。
その時以来,他人と話をしていないんです。
“外出しないもんな”
外に出たのは,元日の墓参りと駅までの送迎だけです。
“よし,散歩を兼ねて,近くのスーパーに酒の肴を買いに行こう”
という事で,往復40分の散歩をしたんです。
それでも,誰も知り合いに会わなかったんです。
「明日外に出る用事,何かある?」
『お米が無くなったから,残りの玄米を精米したいんだけど』
明日も,他人様とお話しする機会はなさそうです。
「精米ぼうや」君のボックスに入り,100円コインを機械に入れるだけなんですから。
やれこら やれこら
『えっ,あのー・・・?』
たまにしか来ないスーパーに,来ているんです。
魚売り場を覗いていて,後ろから聞こえてきたんです。
話しかけたのは,小太りなややおばあさんです。
話しかけられて困惑しているのは,おばあさんより少し若そうな痩せた元女子です。
「私じゃがぁー,ここで働いとっちゃったじゃろ,覚えとってんないん」
『働いとったけど・・・』
「総菜売り場におっちゃったじゃろ?」
『総菜売り場じゃぁーないで,野菜におったんよ』
「わたし,○○言うんよ,××さんじゃろ」
『えぇー,まぁー・・・』
「覚えとらんのん!!」
『えぇー,まぁー』
声をかけたおばあさんは,拗ねたように総菜売り場の方に行ったんです。
“誰か,間違えてでも声かけてくれないかな”
“1週間になるなぁ”
他人様と話をして,いないんです。
他人様と最後に話したのは,年末29日の夜警の時です。
「カチ,カチ,カチ」
「火の用心!!」
大声を出しながら歩いたんです。
「この家のおばあさんも,頑張っとったけどとうとうなぁ」
「ここも空き家になって長いなぁ,そろそろタヌキが住み着くかもな」
寂しい話題が多かったんです。
それでも「ワイワイガヤガヤ」,町内一周したんです。
その時以来,他人と話をしていないんです。
“外出しないもんな”
外に出たのは,元日の墓参りと駅までの送迎だけです。
“よし,散歩を兼ねて,近くのスーパーに酒の肴を買いに行こう”
という事で,往復40分の散歩をしたんです。
それでも,誰も知り合いに会わなかったんです。
「明日外に出る用事,何かある?」
『お米が無くなったから,残りの玄米を精米したいんだけど』
明日も,他人様とお話しする機会はなさそうです。
「精米ぼうや」君のボックスに入り,100円コインを機械に入れるだけなんですから。
やれこら やれこら