城と歴史歩きを楽しむ

専門的でも学術的でもなく、気楽に
山城中心に城巡りと歴史歩きを楽しみましょう!

遠江・三岳城 南北朝期の伝承が残る山城

2018-06-14 | 歴史
昨年の大河ドラマで話題になった浜松市北区の井伊谷から山道をたどると
三岳神社に達する。そこから登ると三岳山の山頂部に三岳城が築かれている。
 新東名高速の浜松SAを出て名古屋方面に向かいトンネルに入る前に見上げると
三岳城がある三岳山を見ることが出来ます。
 三岳城は、南北朝期からの伝承が多くあり、南朝方の重要な拠点として
井伊谷周辺の南朝方勢力の中心地だったようです。

南北朝期の山城は、もっぱら高い山に築かれ土塁、堀、虎口などの戦国期の山城の
防禦要の主要パーツはまだ使われていなかったようです。
 三岳城も当初はそのような単純な形式の山城だったと思われますが、後に
改修・強化され、今見えるのは戦国期の山城です。

主郭西側下の横堀と土塁
西へ続く尾根からの攻撃を防禦するために、二重の堀切と土塁が
築かれています。写真はそのうちの一つです。
 堀切は主郭を取巻くようにぐるっと回っていて、距離が長いので
横堀と呼んでもいいのではないかと思います。

所々に見られる石積
石積の遺構が見られました。いわゆる石垣の遺構とは分類が異なる範疇の
もののようです。石垣の定義はいろいろな条件が整っていないといけないようですが
裏込石の有無が大きな要素のようです。
 裏込石の無い石垣は、石積としているので
よく見る低い土留の殆どが「石積」ですね。裏込石なしで高く積むと崩れやすいそうです。
 それでも、土の山城だと思って訪れた時に石積が有ると、なんだか嬉しいものです。

三岳城からの眺望 
井伊谷・浜名湖・村櫛・太平洋がぼんやり 周辺の樹木がなければ足元の見晴らしも
利いて南朝方の勢力圏が一望できたことでしょう。

山城からの景色を楽しむことは山城巡りの目的ではありませんが
ときには、こんな絶景が「ご褒美」のこともあります。