サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の風刺だろうか。
著者である荻原浩の年齢が自分と同じなのでまず興味を持った。
それと、ユーモア溢れる文体が特徴であるというところにも
惹かれた。
今は
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この「明日の記憶」が売れているようだ。
この人も様々な顔の小説を書くようだ。
最近こうしたマルチな小説家が多いように思える。
宮部みゆき、恩田陸・・・
昔はそうでなかったように思う。
筒井康隆あたりからその兆候が現れ始めたように思うが、
浅学な身の上では言い切れないところが悲しい(笑)
実はこの人の作品を数点借りて目を通したことがある。
「噂」「さよならバースディー」
どちらもシリアスなミステリーのようだった。
「のよう」というのは、どちらも読了していないからである。
私には時間がふんだんにあるわけではないので、
ミステリーを楽しむといった余裕がないから、
段々時間がもったいなくなってくるのである。
「食わず嫌い」はいけないと思って、無理に最後まで読んだ
本もある。
恩田陸の「ユージニア」なんかもそうだが、やっぱり爽快感
に欠けるのである。
決してミステリー、推理小説の類が嫌いなわけではない。
それが証拠に、学生時代は松本清張や江戸川乱歩の作品を
喜々として読んだものである。
原因はやはり「有限なる時間」を実感する年齢ではないかと
思っている。
謎解きや、スリルの愉しさもいいが、択一を迫られるとすれば、
考えさせられたり、爽快感を得られる方を取るということであろう。
そういう意味では、この本は和ませてくれた。
登場人物に悪人がいないのがいい。
それと、キャスティングが浮かぶ要素がある。
例えば、牛穴村青年会長の大学時代の友人で、大手広告代理店の
社員。
昔の友人を軽くあしらって、陰で迷惑がるタイプの男。
読みながら、私の頭の中では「雨あがりの宮迫」が演じていた。
あれ?
そういえばその登場人物の名は「宮坂」だ。
でも、この小説が世に出たのは1998年1月だからもう7年も
前のこと、当時宮迫は無名だったよなあ・・・
また、スタイルが良くて、特に足の綺麗な美人ニュースキャスター
は、まごうことなくTBSの小倉アナが出てくる(笑)
荒唐無稽なそのストーリーにはそれぞれの登場人物の愛が溢れて
いるように思える。
だから、「ユニバーサル広告社」のその後もずっと追跡したいと
願っていたら、案の定、続編があるようだ。
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次はこれかな。
さうさう
著者のプロフィールにはこうある。
大牛郡牛穴村には幼少の頃、里子に出された経験がある。
と。
地図ソフトで調べたが、検索には引っかかってこなかった・・・
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