「風のガーデン」第3話に出てくる喫茶店の話。
多分、「優しい時間」の中で、拓郎とアズが会ってたのと同じ喫茶店だ。
ん?
ただ、それだけのこと。
それだけのことなんだけど、倉本聰の作品にはこんなことが多い。
例えば、森上千絵。
富良野塾8期生である彼女は、最近の作品だけみても、連続起用されている。
「優しい時間」では、アズの姉であるリリ役で。
「拝啓、父上様」では、仲居頭の澄子役で。
中居頭としては、非の打ち所のない人格者なのに、酒癖の悪いのが玉に瑕、大虎に変身して、一平を犯そうとするシーンが秀逸だった。
薄々感じてはいたのだが、このときはっきり、存外スタイルのいいことに気づかされた。
職業柄、なにかそういうトレーニングを積んでいるに違いないと思っていたら、やはり、ジャズダンスに精通しているとのこと。
なんとなく心に残るバイプレーヤーだと思う。
その彼女が今度は、ルイ(黒木メイサ)の従姉妹役で出演している。
ノーメイクで、全然色っぽくない存在として。
倉本聰の作品には、そうした人脈の継続性を感じさせるものが多い。
だからこそ、ドタバタ人情劇が上手いのだろう。
彼はもしかしたら、この作品で一旦、前線から退く覚悟なのかも知れない。
だからこそ、面白ければいいという(数字が全ての)昨今のテレビ界に一石を投じるがごとくのテーマをぶつけてきてるのではないか。
彼のような脚本家がその活動を休止するとすれば、それは益々TVドラマがつまらないものになっていくということだ。
だから個人的には、是非今後も続けてもらいたいと思っている。
が、限りあるもの、それが生でもある。
ならば、いつまでもそこに留まろうとするのは、根本的に間違っているのかも知れない。
だから、富良野塾なのかも知れない。
文化や気概の継承者を育成する。
鳥の目を持った者でなければ、こんなことは考えられないだろう。
私は、「風のガーデン」を観ながら、そんな男の気概を垣間見ているのかも知れない・・・
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